豆猫日記 すべてはうまく行っている♪♪

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『パフューム~ある人殺しの物語』

2007-03-13 22:50:16 | 映画
とにかく強烈な作品『パフューム』

“香り”に関わる仕事をしているせいで、
内容も知らずそのタイトルで惹かれてしまったけれど、
このサブタイトルがある通りとんでもない殺人の物語だった。

物語はある殺人者の死刑が発表されるシーンで始まる。
そのむごたらしい刑に何もそこまでしなくても・・・
とつい同情的な感情を持ってしまうけれど
彼が起こした殺人がいかにむごいかがわかると
全く見方も変わってくる。


まだフランス革命が起こる前のパリ。
この作品によると当時のパリはかなりの悪臭にまみれた街だったらしい。
この辺りの映像も、直接臭いを伝えられない分かなりグロテスク。
パリ市民がこんな劣悪な環境で暮らしている時に
ベルサイユでは貴族達がやりたい放題では
市民も革命を起こしたくなるだろうと、妙に感心。

とにかくそんな中で生まれた一人の男の子。
生まれてすぐに捨てられ、社会の底辺で生きる彼には
どんな臭いも嗅ぎ分ける特殊な能力が備わっていた。

ある時町で惹かれた一人の女性の香り。
この香りに魅せられてから、彼のとんでもない人生が始まってしまう。
とにかく香りと言う香り、匂いに貪欲。
けれどあの女性に出会ってしまったがために
香りは永遠ではない事を知る。
香りを逃がさない方法を求め師となる調香師の元でその方法を探り続ける。
この師というのが白塗りのダスティン・ホフマンだと分かった時には驚いた!

その目的のためには、手段を選ばない。
彼には物事の善悪も常識も無かった。
そしてついにその方法を見つけてしまった。
それが恐ろしい殺人の物語の始まり。


究極の香りを作り上げたクライマックスのシーン。
その香りが持つ信じられないパワーが見事に演出されているけれど
正直、かなり唖然。
よくもまぁ撮影したもんだと監督の技に参りました。
実はこの監督私の大好きな『ラン・ローラ・ラン』の監督でもあった。
なるほど、至る所にカメラワークの面白さと
映像では伝えられない香りを見事に表現していた。


全般かなりおどろおどろしいけれど
途中、香りに関する参考的なシーンもある。
バラの花びらから精油(エッセンシャルオイル)を抽出する
「水蒸気蒸留法」。
すでに当時から行われていたのかと妙に感心。

そしてついに知ってしまった「アンフラージュ法(冷浸法)」
無臭の動物の脂肪に香りを移す方法。
これがまさか、まさかの・・・

それに香水が生まれたゆえんについて。
学校で習ったのが、元はイタリアで革の加工をする時に
強烈な悪臭がするため、それを隠すために生まれたと聞いた。
それがフランスに伝わっていったのだと。
確かにこの作品中でも、
皮のなめしで相当な臭いを放っていそうな事がわかる。
この言われももっとものように思われる。



とにかく最初から最期まで強烈。
天才と狂人は紙一重。
まさにそれを実証するような映画です。


コメント (2)
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『ボビー』

2007-03-13 22:36:49 | 映画
何とも不思議な迫力を持つ作品だった。

あまりにも有名な暗殺された若き米大統領ジョン・F・ケネディの弟
ロバート・F・ケネディもまた暗殺されていた事を
恥ずかしながら知らなかった。

この作品『ボビー』
若き政治家ロバート・F・ケネディこと「ボビー」の最期の一日を描いたもの。

しかもキャスティングがすごい!!
アンソニー・ホプキンスを始め22名のそうそうたる俳優達の競演。
しかも、誰が主人公と言う事はない。
大統領予備選挙の開票日当日、
ボビーが勝利宣言をスピーチするはずだったパーティー会場
「アンバサダー・ホテル」
そこに居合わせた人々。
支配人とその妻や愛人、キッチンマネージャーにそのスタッフ達。
引退した元ホテルマン。
そしてボビー陣営のスタッフ達、等々。

一番気になる、当のボビー役。
これが一応その役の俳優はいるものの決して顔を映さない。
ボビーがスピーチし、顔を見せるシーンはすべて実際の映像。
この手法がとても良かった。
なぜならば、ボビーがいかに素晴らしい政治家であったかと言う事を
見事に見せてくれるから。
歴史にタラレバはないけれど、もし彼が大統領になっていたら
今のアメリカは、そしてこのもつれてしまった世界情勢は
もっと別な方向に進んだような気がしてならない。
まさに今のブッシュにこそ、かれの精神を学び取って欲しい。
そう思わずにはいられない。

それから本筋とはかけ離れているが、
二人の女優の競演も見ものだった。
あのシャローン・ストーンとデミー・ムーア。
二人ともとっても美しかったのに、
いつの間にこんなにふけてしまったのか!
しかも悲しいぐらいリアルな役柄。
方や夫を若い愛人に奪われ、老いと孤独を味わざるを得ない美容師。
方やピークを過ぎてしまったある中の大物歌手。
二人の見事な老けっぷり、孤独感、
見てるこちらが苦しくなるほど痛々しかった。
この役を受けて二人の女優魂に心から拍手したい。


いろんな意味で迫力のある作品、機会があれば観て欲しいです。
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