話題の一冊、すごい内容で一気に読んでしまいました。
東日本大震災で被災した日本製紙石巻工場の再生の物語です。
この石巻工場は日本の出版用紙の約4割を担う大工場であり
日本製紙の中でも重要な拠点工場であり
地元、石巻に存在する企業としてもなくてはならない工場。
そんな重要な工場が被災し大打撃を受けました。
ここには工場の被災の様子と共に
報道では決して語られなかった生々しい被災地の
真の姿まで描かれていました。
あの大震災後、約3年半ほど経つ今だからこそ
冷静に読めますが、それでも涙が出てしまいました。
地元の有力企業として
そして何より紙を作らなければ、新聞紙も本も雑誌も
何も読めなくなってしまう
当たり前の事態に直面した時
何が何でも再稼働しなくてはならない!!
そんな熱い想いがひしひしと伝わって来ました。
もともと本好きですが
その紙にまで意識が行くことはほとんど皆無。
紙様々なの種類や、その工程など
紙に対してもとても興味深い一冊でした。
今こうして当たり前に本が読めるのは
この工場が再生してくれたおかげ。
そして、その復興物語を私達に伝えてくれた著者の佐々涼子さんにも
「ありがとう」と言いたい気分です。
リアルな写真も載っていますし
決してきれいごとの内容だけではないですが
ぜひぜひ、多くの方に読んで欲しいです。
そして・・・
普段は本の貸し借り平気でするし
図書館愛好者でもありますが
この一冊は、なるべく買って読んで欲しいと思います。
電子書籍など時代の流れから本離れが進んでいる今
せっかくこうして再生した工場を存続して欲しいですから。
そしてこの本の売り上げの3%が
石巻市の小学校の図書購入費に充てられるそうです。
本当におススメの一冊です。