手話が一緒のKさん。
前から彼女の事は尊敬していた。
彼女は多くを語らない。
だけど、動きずらそうな右手にも関わらず、完璧なのだ。
みんなの前に出ると照れて、恥ずかしそうに。
20歳以上も上の人だけど可愛いと思ってしまう。
一生懸命な所がダレ気味な私と違っていい。
ずっと話してみたいと思っていた。
そして、一緒に食事に行ってきた。
彼女の右手が不自由になったのは2年前。
自転車で横断中に後ろから車に突っ込まれた。
今でもはっきりと残る額の傷。
4メートルほど飛ばされた為に痛めた右腕、右肩、右手。
右肩から下は痛み、手首は変形している為に将来、動かなくなるかもしれないと。
すごく悔しそうに語る。
お金はもらった。
だけど、これからの自分が不安だと。
そして、家に居ても良い事は考えないしふさぎ込んでしまうので目に付いた手話講習へ
参加したそうだ。
「私も同じような理由ですよ。私は病気ですけどね。」って言ったら、
「病気の人って強いのよね(^^)」って。
強いかぁ.............
強いんだぁ...........
この人には何も言わなかった。
ただ笑っておいた。
なんとなく「強い自分」を見せて笑顔で居る事がこの時はいいと思った。
「そうやって、ふさぎこまないで出てきただけで、あなたも強いよ。」
帰り道、何となくその人の右手を包み込んでた。
駅まで握ってた。
「負けないで!」って思った。
口には出さなかったけど........。
お互いに「頑張ろうね!」と言って別れた。
講習は残りあと1回。
講習会が終わったらもう会う事は無いと思う。
だけど、
笑顔も、手をつないだ事も忘れないと思う。