Practice Makes Progress

~ナースえいや三十にして立つ~
アメリカでCNA→ICU RN→NP

コロナ病棟の医師回診

2020-08-22 00:00:00 | 【アメリカ】NP(ナースプラクティショナー)
長女:5歳 Kindergarten(年長組)
次女:2歳 Toddler2歳児クラス
私:30代後半 ナースプラクティショナー


ナースプラクティショナーになってから古巣のICU(現在はCOVID専用ICUとして、大幅に増床してフル稼働中)に足を踏み入れても、窓越しに見るだけなので患者の具体的な様子はわかりませんでした。数週間前の勤務では、このICUのPhysician round担当NPだったので1週間COVID ICUの様子をじっくり知れる良い機会に。

ちなみに、Physician roundとは日本語に直訳すると医師回診。ICUドクター、NP、チャージナース、ICUナース、RT(呼吸療法士)、薬剤師、ケースマネジャー、理学療法士、栄養士などが一斉に集まり、各患者の状態とケア方針について話し合います。

COVID ICUの患者は以前よりも重篤になっていて驚愕Σ(-᷅_-᷄๑)人工呼吸器の設定がPEEP14とかは見慣れているけど、Nitric oxideも40ppmという今までに見た事ないような設定も多々。ECMOに繋がれている人もいる。そして、亡くなる人が出れば入れ替わりで同じような患者が入ってくる。その繰り返し。

そして患者の動きが少ないのも相変わらずの特徴( ̄ー ̄)亡くなる人や快方に向かう人の動きはもちろんありますが、1ヶ月以上という人も多くいます。

以前と違うのは、挿管して人工呼吸器に繋ぐタイミング。コロナが入ってきた当初は早い段階で挿管していたけど、今はある程度待ちます。コロナ患者の特徴として、例えば6L nasal cannulaで酸素濃度が80%台でも結構ケロッとしている人も多く、そういう場合は挿管せずに様子見。挿管されるケースは、多呼吸で明らかに苦しそうだったり、BiPAPでも継続的に70%台だったり、ABGのpHやpO2が低いケースなど。

コロナ患者は一旦人工呼吸器に繋がれてしまうと本当に予後が良くない。抜管されてICUから出て行っても、またICUに戻ってくる人も多い。人工呼吸器に繋がると、生きて病院を後に出来る人が、他の病気の比べて少なく感じます。

あと、ウィルス自体が肺に及ぼす影響も怖いけど、血栓を引き起こしやすいという特徴も厄介。ウィルス自体が血栓を引き起こしやすいのと、呼吸困難になるから普段のように動けけなくて血栓を引き起こしやすく、血栓ダブルパンチなんですよね(ノД`)付け加えて言うならば、慢性的に疾患を抱えている人、肥満の人がほとんどだから、元々何処かしらに血栓を持っている人というのも多いだろうし。

回復して社会へ戻って行っても、5年後10年後20年後にPulmonary fibrosis(肺線維症)などで生活の質が落ちる可能性もあり、なかなか難しい病気だと感じる日々です。

今は本当に有効なワクチンや治療薬が開発される事を願うばかりですね。


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