Practice Makes Progress

~ナースえいや三十にして立つ~
アメリカでCNA→ICU RN→NP

FNPを選んだ理由

2016-12-10 08:43:40 | 【アメリカ】NPプログラム入学まで
FNPとはFamily Nurse Practitionerの略で
日本語にすると家庭ナース・プラクティショナー(?)
簡潔に説明すると
小児から老年までの幅広い患者さんを診れます。
Acute Careではないので
総合病院などの急性期の患者さんは基本的に専門外。
幅広い患者さんを診れますが
逆に言うと一番専門性のないNPです。

NPと言っても色々な専門領域があって
私がこれから通う大学ではNPのコースだけでも
 ・Adult Gerontological Acute Care(急性期の成人)
 ・Adult Gerontological Primary Care(一般の成人)
 ・Family NP(家庭)
 ・Family/AGAC Dual Role(家庭と急性期の両方)
 ・Neonatal NP(新生児)
 ・Pediatric Acute Care(急性期の小児科)
 ・Pediatric Primary Care(一般の小児科)
 ・Psychiatric NP(精神科/心療内科)
 ・Women's Health NP(婦人科)
これだけの専門コースがあります。

実は私、成人のAcute Careコースに進む気満々だったんです。
アメリカでナースになって以来、急性期での経験しかないし、
前々回の記事(NPになろうと思った理由)でも触れましたが
私は急性期における看護が好きです。
間違いなく、プライマリケアでは物足りなく感じるはず。

ただ、私が住む州における
ナース・プラクティショナーの現状を色々考慮した結果、
FNPが一番融通が効くし、臨機応変に動きやすい気がして、
散々(×100)迷った結果FNPコースでアプライしました。

私がアプライした大学では
アプライする過程の一番最後に専門コースを選ぶんですが
本当の最後の最後の最後まで
 Adult Gerontological Acute Care NP 
 Family Nurse Practitioner
の2つの選択肢を行ったり来たりして
最終的に「FNPでいいや、エイッ!」と
半分目を覆いながらコンピューターをポチってました(笑)

私が住んでいる州では基本的に
FNPであればどんな専門でもどんな場所でも働けます
FNPのトレーニングには成人領域はもちろんのこと、
小児科、婦人科、精神科も含まれているので
一般の小児科、産婦人科、精神科で働く事も出来るし
急性期の成人領域(ICUなど)や小児科(PICU)などでも勤務可能。

実際にICUで一緒に働いているNP達の多くはFNP。
ただし、みんな元ICUナースなので
基本的にその分野での経験がある事が前提ですね。
ただ、州の決まりとして
その分野の経験が必要と義務付けられているわけではなく
医療グループに採用される時に
その分野での経験が重視されるという事です。

ICUで勤務するNPの中にはAcute Care NPもいます。
ただ、この人達は成人領域でしかトレーニングを受けていない為
ERやUrgent Careなどの
小児も成人も扱うような場所では勤務出来ません。
うちの病院はPediatric ER(小児科専門のER)があるので
AdultサイドのERでは勤務が可能です。
ただ、一般的なERは成人と小児で別れておらず
子供から大人まで幅広い患者さんを診るので
専門性を持ってしまうと
働ける場所の選択肢が少なくなってしまいます。

これは私の住んでいる州に限ったことで
ルールは各州ごとに違います
Acute CareのNPは急性期でしか働けない州もあるし
ERで働くにはFamily NPとAcute Careの
両方を持っていなければならない州もあります。

ですので、NPプログラムの専門性の選択は
自身の方向性・専門性はもちろんのこと、
州のルール・州法を考慮することも重要です。

私は急性期における仕事が好きですが
場合によってはER・Urgent Careのような所や
一般的な内科クリニック、
はたまた小児科の領域に就職せざるを得ないかもしれません。
希望する領域で就職出来れば良いけど
いつ就職難になるかわからないので
一番つぶしが効くFNPを選ぶことにしました。
今でこそ売り手市場ですが
今後はどうなるかわかりませんからね~。

上手くFNPとして急性期で就職出来れば
Acute Care NPのコースを後々取ってもいいし
小児科や精神科に就職したら
それぞれの専門性のコースに進むのもアリです。
また、いつか州法が変わって
「専門領域はその専門のNPしかダメですよ」となれば
その時に働いている領域のコースを取り直すでしょう。
学校へ通うのは
これを最後にしたいところはヤマヤマなんですけどね~。

でも、FNPという選択肢の広いコースを今取って
後々必要があれば専門領域に的をしぼって行くほうが
無難な気がするんです。
うちの州はFNPならどこでも働けるというのが
一番FNPへの道を後押ししてくれたと言うか
上手く就職出来なかった時の保険的な役割なんですよね。

ま~、何かの都合で「他州へ引っ越し!」なんてなった場合
自分の首を絞めかねない事も事実なんですけどね(^^;)
うちの州でFNPとして急性期で働いていても、
Acute Care NPしか急性期で働けない州へ引っ越したら
プライマリケア(一般的な病院とかクリニック)で
働かざるを得ないのはもちろんのこと、
それまでの経験が活かせないですからね。

色々とメリット・デメリットはありますが
FNPプログラムへの入学が決まっちゃったので腹をくくります。


次はNPプログラムへのアプライ過程についてです。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Sophia)
2016-12-10 11:54:50
どのコースを選ぶか本当に迷いますよね。
とても頷けることが多く書かれていて、今後の参考になりました!
学校に戻って知らないことを勉強するのは面白いのですが、一人で行くのが寂しくて(?)友達に話したら、彼女も同じ考えで一緒に行こうという話になりました(笑)
まだどうなるか分かりませんが、働きながらtuition reimbursementにeligibleになるよう頑張ります。(え、そこ?て感じですが
返信する
Sophiaさん (えいや(管理人))
2016-12-10 16:21:43
私はSpecialty決めるのすっごく難しく感じました。今までの経験だけで決めると断然Adult Gerontological Acute Careなんですが、それだけに縛られたくないという気持ちもあって。例えば、医療グループでNP(FNPでもAGACNPでも何でも)として働きつつ、個人事業として日本人向けにサービスを提供するのもアリだと思うんですよね。うちの街、Primary care settingで日本人MDやPA・NPいないみたいなんです。だから、ニーズがあれば大人から子供まで日本人の方を診れたら理想だと思ってます。患者層が幅広いと膨大な知識が必要なので実現するかどうかはかなり怪しいのですが。個人事業というだけでも大変そうだし、私の性格的に、個人事業やりだしたら「じゃあ今度はMBA取ろう!」「Health Care AdministrationのDegreeも」なんてなりかねません(嘘です)。

私も同僚と一緒に同じ大学へ行くこと考えました!同僚2人が今それをやっていて、テスト勉強とかペーパーとかお互いに助けあっていて羨ましいです。モチベーションの継続にも繋がるし。友人の方と一緒に病院のお金で(笑)MSN取れたら本当にいいですよね!私もTuition reimbursementはフルで使いますよ!本当は5年くらいかけてチマチマ単位を取りたいんですが(Reimbursement目的で)、さすがにそんなに悠長にしていられないので2年で終わらせたいと思ってます。でもそうなると学費の3分の1くらいしか職場からは出ず、残りは自分の財布から持ち出しです(泣)
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同じく… (Sophia)
2016-12-11 13:01:09
私もプログラムの長さとtuition reimbursementで、自分の持ち出し金額の算出で同じことを考えていました!(笑)
でもさっさと済ませた方が、結局は自分の給料も上がるし、そっちの方がいいと判断しました。(まだ何を勉強するかも決めてないくせに>私(笑))
しかもうちの病院、プログラム終了後1年のお礼奉公があります。別に辞めてもいいんですけど、病院が支払ってくれた分は払わないといけないルールがあります。まあ当然ですね…。

えいやさんのお住まいの地域では日本人NPの需要がありますね!しかも個人事業が出来るとは羨ましい〜。こちらはもうかなりの数の方がいらっしゃるので、日本人ということに特化できなくて残念です。しかもCAは個人事業ができないので、つまらないです。病院で働きつつ、知り合いのドクターのオフイスで働いたり、とかですね。
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Sophiaさん (えいや(管理人))
2016-12-11 14:17:40
うちの病院も1年のお礼奉公ありますよ~。でも、みんな卒業してからNP免許取得&就職するまで、卒業後6か月くらい要しているので、Tuition reimbursementを申請した時期によっては、退職する頃には1年経過しているかもしれませんよ?私の場合はSpring 2018の学費で年間MAX額をReimburseしてもらい、Fall 2018卒業、病院を退職出来るのが2019年6月、みたいな感じで狙ってます。←腹黒い(笑)

フルタイムとして開業するまでの需要はないと思いますが、日本語で話せる日本人Licensed practitionerという需要は多少あります。ただ、私自身、人間関係が大の苦手なので実現する可能性は5-10%くらいですかね。やるとしたら宣伝はせずに、口コミで少数、週1日のみとか。日本人コミュニティーも色々難しいので考えどころです。
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