母の忘れもの

軽度認知障害になった母の記録

天ぷら鍋

2020-10-30 10:21:10 | 日記
探し物は見つからない実家だが

気になったのは

箱に入った新品の

天ぷら鍋2つ

まったく同じものが2つある

「なんで天ぷら鍋が2つもあるの?」

と聞くと

「あーなんかかわいくて
買っちゃったのかなぁ?

って他人事みたいに母が言う

2回もかわいくて買っちゃったのか

揚げ物もほとんどしなくなったのに

主婦の血が

買わずにはいられなくするのか?

売るほどある田楽味噌も

またしても酢味噌も

買ってきていたし

どんどん買ってくるものは

それだけでは料理ができないものばかり


おととい実家にいた時

おパンツを発掘してすぐ

母は洗濯機をまわしていたが

洗濯をそのまま忘れていて

夕方父が

「おい❗柔軟剤がないぞ❗洗濯機途中だぞ❗

と急に騒ぎ出した

たたみかけるように父が

「もういい❗柔軟剤は俺が買ってくるから飯作っといてくれ❗
  
(言い方…

と言う

ただでさえ処理能力が落ちている母に

次々に畳み掛けてもわかるわけもない

パニックになって

「私が買ってくるからいいわ❗

と母が叫んでいる

父は母がどういう状況でも

自分のペースを死守しようとする

夕方6時には夕飯を食べたいのだ

5時過ぎた時点でそれが始まった

父は

「夕飯は冷蔵庫に残ってるマグロに
山芋するだけでいい❗」

と言っているが2人分の量ではない

冷蔵庫には厚揚げやらネギや白菜が

入っているので

昔の母なら

上手に副菜を作ったはずだが

今はそれも難しい

父は自分の分さえ時間通りに食べられれば

他の事情は考慮できない

自分勝手な人なのだ

しかもそれに50年も付き合ってきた母は

意地になってでも言う通りにしたい

パニックぎみに買いにいこうとする母に

柔軟剤の名前とマグロを1パックと

メモを書いて渡した

半泣きで買い物に行った母

父の性格はよくわかっているが

母ができてないことへのフォローを

父に期待するのは無理なんだなぁと

改めて思った