分刻みのスケジュール

　1日のなかで唯一の外出は、昼時の買い物、ということが多いです。
　コンビニまたはスーパー、ついでに郵便局。
　どこも混んでくる時間帯です。
　一人で仕事をしているのだから、なにも他の人に合わせるように行かなくてもいいじゃない。
　そう思うのですが、リズムがあります。
　体内時計みたいな。
　それは電波時計のように、ぼくの身体に時間を告げます。
　まだ11時半、昼休みじゃないよ。
　17時、そろそろ切り上げて。
　まあ、実際には、時計を見ながら動いているのですけれど。

ゆっくり急げ

　昼食をとる時間がありませんでした。
　これから打ち合わせに向かいます。
　腹が減っては仕事になりません。
　ターミナル駅に着いて、次の乗り換えの電車を見ると、10分くらいあります。
　都合良く、目の前には手頃なカフェが。
　珈琲とドーナツを買って、コートも脱がずにむしゃむしゃ。
　あ、チョコが入っているんだ。
　リングの中に、棒状のチョコレート。
　チョコを包む生地は、噛んだときの低反発具合がとても気持ちいい。
　発芽玄米粉入りです。
　珈琲は好みの苦さ。
　ああ、至福のひととき。

視野を広げて

　駅のホームにある自販機で、お茶を買おうとしました。
　財布を出すのが面倒なので、スイカで買うつもりでしたが、読み取り部分がありません。
　スイカ使えないのか。
　鞄から財布を取り出し、小銭を探しました。
　10円、20円、あと1枚10円が足りない。
　うーん、電車が来てしまう。
　ありました。
　コインを投入しようとして、別のものも見つけました。
　『電子マネー使えます』　
　その下に、小さな四角の読み取り部分。
　自販機の隅っこ。
　これは気づかなかった。うっかり、うっかり。

水でできている

　乾燥は尋常でなく、座って仕事をしているだけでも、喉が乾きます。
　一度水を口に含めば、永遠に飲み続けられそうです。
　いったいどんだけ飲むねん、というくらいお茶を飲みます。
　緑茶、ほうじ茶、ルイボスティー。紅茶、珈琲、味噌汁、甘酒。
　明日は玄米茶を買ってこよう。

迷い込んだ見知らぬ場所

　あれは何？
　瓦屋根の門が見えました。
　木の板塀は、まだ新しそうです。
　近づいてみると、日本庭園です。
　こんなところに、いつできたんだろう。
　野球場のすぐ隣り。
　バス通りの脇、広い歩道に面した場所。
　目の前の道をときどき歩いていますが、いままで気づきませんでした。
　庭園の中には小川が流れ、池があります。
　水は澄んでいます。
　都会のオアシス、いいえ、迷い込んだ異空間。