サラ☆の物語な毎日とハル文庫

山下洋輔トリオ再乱入ライブat早稲田大学大隈講堂 

 

ハル文庫の高橋です。おひさしぶりです。

みなさん、ご機嫌いかがですか?

 

ハル文庫の常連の、今年73歳になる山田さんが、

7月に入ったころに「山下洋輔トリオ再乱入ライブ」があると

教えてくれました。

 

何のことかなと思いましたけれど、

山田さんが早稲田の大学生だった当時は、学園紛争のまっただなかで、

そのときに、早稲田大学で山下洋輔さん率いるトリオのジャズライブが、

ゲリラ的に行われたそうです。

山田さんは、どうしても聞きたくて、何とかもぐり込んだそうですよ。

その伝説のライブが、50年の時を経て、

早稲田大学大隈講堂で再現されるということでした。

発案は村上春樹さん。

 

学園紛争のことは、よく知りませんが、

オンラインチケットを購入して、拝見しました。

面白かったですねー。

山下洋輔トリオの演奏は迫力があって、当時の起爆力を思わせてくれました。

 

村上春樹談

★ボクが早稲田に入ったのは68年で、そのころからバリ封鎖は始まっててね、

ほとんど授業なんてなかったんですね。

で、バリケード封鎖が終わったら、今度はロックアウトで、

最初の2年くらいは、ほとんど学校に行かなかったような気がしますね。

授業はほとんどなかったですね。

1969年に乱入ライブがある。

主催したのは、いわゆる黒ヘルっていうか、ノンセクトラジカルといったのかな

黒ヘルの連中でアナーキーな……、その中にボクの友だちも何人かいて

開催することはよく知っていたんだけど、用事があってね、

何か仕事をしてたのかな…、行けなかったんですよ、残念ながら。

 

当時は大隈講堂は革マルが握ってたんですよね。

で、そこからピアノを運び出して、民青が取ってる4号館に担ぎこんで

黒ヘルが(主催で)演奏するという無茶苦茶な企画で、こんな危険なことはないですよね。

よくやるよなと、今から思うと感心しちゃいますけどね。

 

そのときはスタインウェイの立派なピアノがあったんですね。

それを担いで…、あんなのよく担げるよな…と思いますけどね。

で、中上健次さんが担いだ一人だったという伝説が残ってました。

 

山下洋輔談

★中上健次さんが担いだのは本当だと思います。

20人くらいの人が担ぐと、グランドピアノを担げちゃう。

それからね、いろんな作家がね「オレもそこにいた」と言い出してる。

 

高橋三千綱さんがいたという話もあったんだけど、

びっくりしたのは、伊集院静さんも「私もじつはピアノを担いだ」と言っている。

ウソを言う人じゃないので、多分本当です。

 

田原総一郎談(山下洋輔トリオの演奏の後で)

★50年前とまったく変わんない。

当時から山下さんは超売れっ子のピアニストだった。

山下さんのドキュメンタリーが撮りたい。

山下さんに、どういう状態でピアノを弾くのが望ましいか…(と聞いたら)

そしたら山下さんが「ピアノを弾きながら死ねればいい」(と言った。)

「よし、そういう状況をつくろう……」ということで

 

当時早稲田大学は、全学ストライキ。完全なバリケード封鎖。

その早稲田大学で一番勢力があったのは民青というセクト。

で、超過激派の学生たちに話をして、大隈講堂からピアノを盗み出し、

民青が支配している4号館にピアノを運び込む。

民青が新宿で集会をしている時間をねらって、そこへピアノを運び込む。

そこで山下さんに演奏してもらう。

当然、民青が気がついたら、引き返して大ゲバルトになる。

当時、早稲田には革マル、中核…、

民青がやったら、中核も革マルもプライドがあるから来て、当然大ゲバルト!

 

何よりも大学側が黙っていない。当然、大学側が警察に通報して

で、民青、革マル、中核、そして警官隊が来て

大ゲバルトになって、山下さんが死んでいく……、そういう状況をつくろう。

 

で、過激派の連中が運び込んで、

過激派の連中がヘルメット姿でピアノをとり囲んで、

そして演奏が始まった。

そしたら、民青の連中も帰ってきた。革マルも中核も来た。

何より大学側も来た。

誰ひとり……みんな静かに聴いてる。

中核派も革マルも民青も静かに……

大学側まで、教諭がみんな来たのに、警官隊に通報しないで聴いている。

最後まで聴き終えた。

だから残念ながら、ゲバルトは起きなかった。

山下さんは「今までの演奏で一番力が入って、一番すばらしかったと思う」

と言ってました。

で、この演奏のドキュメントをレコードにして売り出しました。

 

なんか、ワクワクする話ですねー。

村上春樹さんは「音楽の力というのは、その当時すごく強かったんです」

とおっしゃっていましたが、ほんとにそうですね。

 

その50年後に行われた「再乱入ライブ」

山田さんに教えてもらったおかげで、聞くことができました。

夏の夜のフリージャズ演奏。

山下洋輔さんは80歳だそうです。テナーサックスの中村誠一さんが75歳、

ドラムの森山威男さんが77歳。

いくつになっても、生きることは楽しいし、頑張れますね。

 

この「山下洋輔トリオ再乱入ライブ」について紹介している

ネットの記事は、こちらこちらをご参照ください。。

村上春樹氏と山下洋輔氏のアフタートークについては、次回の掲載をお楽しみに。

 

それでは、輝く夏空の下、素敵な午後をお過ごしください!!

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