ムーミンというと、まず思い浮かぶのは、アニメの主題歌、
「ねぇ、ムーミン。こっち向いて。恥ずかしがらないで……♪」
前から、原作のシリーズがあることは知っていたけど、やっと、やっと、フィンランドの作家、トーベ・ヤンソンの書いたムーミンの物語を読みました。
『たのしいムーミン一家』
1948年に書かれた本です。原題は『魔物の帽子』。
子供のときに読んでたら、楽しかっただろうになぁ!
その頃に読まなかったのが、とても残念に思える本です。
笑いと不思議なことと、温かさがいっぱい詰まった本。
はじまりは、ムーミンたちの住む谷間に初雪がふり、いっせいに冬眠に入るところから。
そして。第一章は春の目覚め…。
のっけから「魔物の帽子」を見つけます。
魔物の帽子は、どうやら、中に物を入れれば、とびっきりのものに変えるらしく。
ムーミントロールが投げ込んだ卵の殻を、ムクムクの小さい雲に変えてしまったのです。
ムーミンたちは雲に乗って遊びます。
「そこでムーミントロールとスノークのお嬢さんは、木のてっぺんまで雲を飛ばしていって、一休みしました──お日さまの光をあびて、しずかに風にゆられながら」
「二人は雲の上に仰向けに寝そべって、春の空を見上げました。空にはひばりがさえずっていました…」
いいですねぇ。
訪れた春の喜びに満ちているような情景です。
いいですねぇ。雲の上に寝そべるなんて…。
ノー天気ですねぇ!!
でも、いいだろうなー
そんな「いいなぁ」がいっぱい詰まった本でした。
10歳の頃に読みたかったです。
楽しいぷっくりした記憶の塊が、もう一つ、わたしの頭の中に収まったに違いないもの。
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