サラ☆の物語な毎日とハル文庫

重陽の節句と「着せ綿(きせわた)」

(昨日のInstagramより)今日は重陽の節句。和菓子の「着せ綿」と、長寿を願う邪気払いの菊をかざって、パチリ。

下に敷いたのは、小菊模様の着物地です。和菓子の藤色の菊にのっている白いのは、綿を模しているんですね。

菊に被せて夜露を含ませた綿を、紫式部も清少納言も、若返りの妙薬として顔にそっと当てたのかな。

伝統の和菓子一つにも物語がある年中行事は、超楽しい‼️

 

昨日は9月9日で「重陽の節句」

9というのはお目出度い数字。

古代中国の考え方では、奇数は「陽の数」で、

9はなかでも一番大きい数。

その9が重なるので「重陽」。

お目出度い限りの日です。

 

菊を賛美する節句なので「菊の節句」とも言われます。

菊はそもそも不老長寿の妙薬。

昔は9月9日の前夜、つまり8日の夜に

咲いている菊の花に真綿をかぶせ、

菊の香りと菊に降りた夜露を、綿に移すことをしていたそうです。

「着せ綿」と言います。

朝にその綿をはずして顔や体をなぞって清め、

「いつまでも若々しく、長生きできますように」と願いました。

 

平安時代には盛んに行われ、『紫式部日記』や『枕草子』にも

その記述が出てきます。

 

その着せ綿のイメージをなぞった和菓子が「着せ綿」。

重陽の節句のころには、和菓子屋さんにこの「着せ綿」が登場します。

どこにでもあるというわけではないけれど、

探せばつくっているところはたくさんあります。

(今年はコロナの影響で、練り菓子を用意していないところもあり

手に入れるのに苦労しました。)

 

昨日の重陽の節句には菊を飾り、「着せ綿」の和菓子を飾って

邪気を払い、健康を願いました。

ついでに、着せ綿で美容にも気を使ったりして。

そんな年中行事の一日でした。

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