川村妙慶さん。
ご存知ですか?
真宗大谷派の女性僧侶で、アナウンサー。
僧侶の道に入ったのは、実家が真宗大谷派の西蓮寺というお寺だったため。
父親の住職が早くに亡くなったのだけれど、そのときお兄さんは引き籠り状態。
寺を立て直すためにアナウンサーの仕事を辞め、
東本願寺の大谷専修学院で学んだ、という経緯があるそうだ。
アナウンサーの仕事に携わるだけあって美人。
だからといって、その部分にだけ注目し
「じゃあ、仏教哲学の中途半端な上澄みの部分でお茶を濁し、美しさで内容をカバーしているのか」
なーんて穿ったことを想像するのは大きな間違いだ。
親鸞聖人の深い教えを柔らかい言葉でかみ砕いて教えてくれるし、
その法話はストンと心に落ちて、沁みていく。
優しく緩やかでしなやか。
それでいて目の前の悲しみに対して
「辛かったね」と頭を下げて、説教めいたことは何も言わない
バネのような心の力の持ち主だと思う。
その川村妙慶さんの新刊本が出た。
『仏さまが導く心が楽になる生き方』(三笠書房)
こんな言葉が並んでいる。
★親鸞聖人は「遠く宿縁を慶べ」とおっしゃいました。
自分にとってつらいことも嬉しいこともすべて宿縁、
つまり遠い過去からのはかりしれないご縁です。
しかし、つらい出来事をただ嘆くのではなく、喜びに変えようとすれば、
そこから人生はまた、よい方向へと変わっていくのです。
★仏教の教えは「不安とともに生きる」ということです。
不安があるからこそ、人は「生きる意味」をたずねることができるのです。
すべてが順風満帆でうまくいっていれば、何の不安もなく、
苦しみや悲しみもありませんが、そんな起伏のない人生では、
逆に喜びも幸せもないはずです。
だから「不安とともに」なのです。
★たとえ認知症になったとしても、親は親です。
生きているだけでもありがたい。
どうか手を握って体温を感じてください。
その手は間違いなく、あなたを一生懸命に育ててくれた手なのです。
★ほんとうに素敵な人は歳を重ねてもしわが増えても、
動作が遅くなっても、スタイルが悪くなっても、
関係ありません。
自分というものをしっかりもち、それに誇りをもっているから、
かっこいいのだとわたしは思います。
★わたしは好き勝手をするのが自由ではないと思います。
自由とは、自らしなくてはいけないこと、したいことを貫く
“バネ”をもつことです。
川村明慶さんはブログ「川村妙慶の日替わり法話」を毎日更新している。
それから毎週土曜日にはKBS京都ラジオに出演。
さらに川村妙慶テレフォン法話も(075-431-7603)。
どちらも、心が落ち着くような声と話が聴けます。
よかったら、これも。