今日は中秋の名月。
関東地方もどうやら、お月見ができそうです。
写真はちょっと奇をてらった感ありだけど、
月の写真を飾りたかったので。
約50年前にアポロ8号が月に着陸し、
3人の宇宙飛行士が月面に降り立ったけれど、
その月と、地上から見上げる月は同じもの。
いくら科学が発達しても、今夜、外で見上げる月は、
何百年か前に、昔の人たちが見た月と同じ、
美しい十五夜の満月です。
どうして満月を見ると心が弾んで嬉しくなるのかな?
きっと、心のテンションがアップするようなメッセージを、
イメージとして受け取れるからに違いない。
受け取りたい励ましを、人は満月を見て夢想するのかもしれません。
お月見の蘊蓄をちよっとだけ。
お月見は収穫への感謝をささげる日
お月見の行事は江戸時代には人々につたわりました。
当時は多く人が作物を育て収穫するという農耕生活を営んでいました。
作物を育て採り入れるめやすにしていたのは、月の満ち欠けをベースにした暦(こよみ)でした。
月は、いつごろ種をまいたらいいか、田植えをしたらいいかなどを教えてくれる大切な存在です。
だからお月見は、ただ月を愛でて楽しむだけではなく、
収穫への感謝を月の神さまにささげる儀式でもあったのです。
そこで、十五夜にはお米の粉でつくる団子をお供えするようになりました。
ちょうど里芋がたくさん採れる時期でもありました。
だから満月の夜に里芋をお供えし、月の神さまに感謝したのです。
十五夜のことを「芋名月」というのは、そこからきています。
月見団子
米を粉にしてつくる団子は、お月さまが満ちた姿にちなんで、形を丸くします。
月見団子は、三方(さんぽう)に盛るのが定番。
三方というのは、白木でできていて、三方に穴の開いたお供え用の器です。
お月見の写真でよく見かけますが、どこの家にでもあるわけではないので、
お盆やお皿に紙をしいてお供えするのでじゅうぶん!
十五夜にお供えする団子の数は、一五個または五個ときまっています。
一五個の場合の重ね方は、いちばん下が九個。
二段目が四個。
いちばん上は、正面に向かってタテになるように、二個ならべます。
こうすると正面からは一個のように見えます。
五個をかざる場合は、一段目に四個ならべ、その上に一個のせます。
なお、月見団子は、関西のほうでは里芋の形に似せてつくり、それにこしあんを巻いてかざるのだとか。
(「ところ変われば品変わる」ということわざがありますが、ほんとうですね!)
ススキを飾るのは?
本当なら、その年に収穫した稲穂をお供えしたいところですが、時期が早いので間に合わない。
そこで稲穂に似たススキを代わりにお供えするようになったとのこと。
稲穂は月の神様が宿られるというヨリシロの役割を果たします。
よって、稲穂の代役のススキもまた、月の神様が宿られるものです。
十五夜には月の神様をお迎えするために、ススキはぜひ飾りたいものです。