今日は、
TOHOシネマズ川崎にて「
地下鉄(メトロ)に乗って」を見てきました。
今日は客入りが非常に悪く、150席のスクリーン4に24名の客入り、年配のお客さんも多数見に来ている。
映画の話は、地下鉄から、東京オリンピックに沸く昭和39年に紛れ込んだ営業マンの真次。彼の話を誰もが聞き流す中、恋人のみち子だけは信じてくれた。そんなある日、彼は彼女と共に戦後の闇市が広がる昭和21年に紛れ込んでしまう。
しかし現在日本の映画、テレビドラマの中でタイムスリップが大流行している。
私が最近見た映画で言うと、「
いま会いにゆきます」、「
この胸いっぱいの愛を」、「
サマータイムマシン・ブルース」など。
テレビドラマで言うと、日本テレビの「
戦国自衛隊」、テレビ朝日の「
零のかなたへ~The Winds of God」、TBSの「
僕たちの戦争」、TBSの昼ドラ「
がきんちょ~リターン・キッズ~」など。
昔だったら、
H・G・ウェルズの「
タイムマシン」のように機械を作り、機械に乗ってタイムスリップしていたのに、いつのまにか何も使わず自由自在にタイムスリップ出来るようになってしまった。
本作「
地下鉄に乗って」もまさに何も使わず自由自在に、東京オリンピックに沸く昭和39年、戦後の闇市の昭和21年、戦中の日本、戦中の満州、時と場所も選ばず、過去と現在を行き来する、しかも恋人も一緒。
もうSF的な観点から見ると滅茶苦茶、いくらファンタジーといっても流石について行けない、この映画の原作の
浅田次郎の「
鉄道員」も、かなりいい加減なファンタジーだったけど、ここまで来るとやりたい放題、開き直りに近い確信犯。
この映画のタイムスリップに一番近いのは、1983年に製作された「
トワイライトゾーン/超次元の体験」の
ジョン・ランディスが監督、
ビック・モロー主演の第一話、人種差別の男が時空を行き来する話。
話は戻って、本作のタイムスリップの道先案内人となるのは
田中みん扮する老教師、この老教師からして生きているのか死んでいる人間なのか判らない。
主演の
堤真一の不倫相手に
岡本綾が演じているのだけど、プライベートでも
中村獅童とのスキャンダルで賑わせているけど、映画の中まで不倫相手なんて可愛そうな女優。
それから
常盤貴子、何を見てもいつも同じ演技、いい加減新しい演技を開眼しなくては駄目、どんどん新しい女優に追い抜かれていってしまうぞ。
監督の
篠原哲雄の演出も、どこか低体温気味で素っ気無い、真次と父親の確執をもっと掘り下げてくれればいいのに中途半端で後の話に共感が出来ない、映画としてのケレンミが薄い。
しかしこの映画、最近
GAGA配給の試写会に何度も参加して予告編を見せられていたので、大体話しの内容は想像出来ていたが映画本編を見たらオチまで予告編で流していた事が判った。
GAGA、こんな予告編作っちゃ駄目だぞ!
映画という物は、人によって見方は色々あるかもしれないが、作り方にはある一定のルールがあり、それを無視してタイムスリップを安易なシチュエーションとして使うのはどうかと思う、この映画を
H・G・ウェルズが見たら激怒するだろう。
でも、この映画のいい所は
小林武史の音楽、ビートの強い打ち込みサウンドが、どこか全盛期の
ジョルジオ・モロダーを思い起こすのと、
Salyuの主題歌「
プラットホーム」が良い、最近はタイアップの為に映画の世界観にそぐわない歌を流す映画が多い中、これだけ歌詞、曲、シンガーが映画観と合致した曲は珍しい美しいバラード。
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