拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ポニー

2023-11-27 10:02:53 | 日記

現代は、「史上最高」「空前絶後」が生まれる時代なのだろうか?大谷翔平しかり、藤井聡太しかり。そして、イクイノックス(馬)。馬って、逃げ馬と差し馬の二種類があって、逃げ馬は最初から飛ばして先頭を走る。で、最後にばててくるんだけど、後続の追い上げをなんとかしのいで勝ちきる。持久力タイプね。差し馬は最初後ろの方を走っていて、最後にスパートして前の馬を抜いて勝つ。瞬発力タイプよ。ところが、イクイノックスは、最初から飛ばす馬についていって、最後の直線、前に行った馬が失速し、これから後ろの馬が追い込むってときに、どの馬よりも速いスピードでスパートする。先行した馬が「上がり最速」(最後の直線を一番速く走ること)じゃ、他の馬は手も足も出ません。人間のマラソンに例えるなら、スタート後に早々と先頭に立ち、競技場に戻ってきたら短距離並みのスピードでダッシュして圧勝する、って感じ。持久力も瞬発力も備えた、まさにスーパーホースです。

人って、自分が昔好きだった人・馬をいつまでも最高って思いたい。パヴァロッティのお父さんも、自分が若い頃聴いてた歌手のことばっかり褒めて、なかなか息子のことを認めてあげなかったんだって。あたしも、史上最高の馬はシンボリルドルフってずっと思ってた。でも、今は、イクイノックスが史上最高だと思う。大谷さんと同時代にいるのが幸せなのと同じくらい、生きてる間にイクイノックスを見られて幸せ。

昨日のジャパンカップでイクイノックスに騎乗したルメールさんのジョッキーカメラ(騎手の目線で見たレース映像。騎手の声も入ってる)を見たらね、ゴールした後、「ありがとう」「サンキュー」のほか「メルシー」とも言ってた。ルメールさんはフランス人だから。あと、「ホワット・ア・ホース」(何て馬だい!)とも言ってた。

そのルメールさん、レース後のインタビューで、「イクイノックスは乗りやすい。ポニーみたい。誰でも乗れる」と言ってた。「誰でも乗れる」は大謙遜ですけどね。ポニーで思い出したのは、昔、明石家さんまさんの番組で、普段レースをしない動物を調教してかけっこをさせるっていうのがあって、ラクダなんか結構速くて、ところが、急にがくっと膝をついて止まったりして、へーっと思ったんだけど、その中にポニーがいて、当時、最強だったナリタブライアンって馬にあやかってナリタブラリアンって名前が付けられてて、で、このポニーさんが調教後めちゃくちゃ速く走るようになって、他の動物をごぼう抜きで勝ったの。そのときの顔はまさに「馬」そのものだった。

これで引退の可能性が出てきた。イクイノックスは四歳。多くの馬は少なくても五歳までは走るけど、功成り名を遂げた馬は四歳で引退することがある。引退後は種牡馬としての期待があるところ、走ると怪我の危険を伴うから(馬の脚の怪我は致命傷になるおそれがある)。馬券的にも、絶対勝つ馬がいると万馬券とか出ないしね。「引退しないで凱旋門賞」に行ってほしいって声もある。競馬の最高峰は凱旋門賞だからそこで日本馬が勝つ姿を見たいってわけ。野球選手がメジャーに行って実力を試したい、って言うのと同様の発想かしら。でも、フランスの馬場って草ボウボウで日本馬にはまったく向いてない。あまたの日本馬が凱旋門賞に行って、ボロボロになって帰ってきて、その後鳴かず飛ばずになっちゃう。ずっと日本にいれば活躍できたろうになまじ凱旋門賞なんかに行ったからよ、もういい加減「凱旋門賞神話」は捨てる時代よ、と思う。

因みに、昨日のジャパンカップの2,3着はどちらも牝馬。競馬の世界では、牝馬限定のレースもあるけど、男馬限定っていうのはない。脚自慢の牝馬は男馬に混じって走って男馬を蹴散らしたりする。あたしが大好きなジェンティルドンナもそうだった。人間の運動競技は男と女で別れてるわね。女性限定の競技は残しといてもいいけど、男限定ってのはいらないんじゃない?力自慢の女子が男と一緒に戦いたければ戦っていいんじゃない?将棋の世界はそうよ。「女流」もあるけど、藤井聡太さんが活躍してる将棋の世界は、女性だって入れるの。朝ドラの「ふたりっこ」の香子が活躍したのはそういう世界だった。

 



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