新・日常も沖雅也よ永遠に

お引越ししました。

(無題)

2011-03-07 17:49:00 | 沖雅也
最近、犬を飼い始めた。
捨てられたりブリーダー崩壊などによって行き場のなくなった犬を動物愛護センターから引き出して里親を探すボランティア団体があり、そこから一匹引き取った。
たった一匹。
愛護センターとはいうものの、収容したすべての犬猫に引き取り先があるわけではない。
安楽死というのは名ばかりで、苦しみながら死を迎えるということも、今回初めて知った。
夥しい数のペットが毎日売られている陰で、夥しい数の行き場を失くした子たちが処分されているのだ。
人間の子供でも行き場のない子は沢山いて、それはそれで涙だけでは語れないものだが、それでも人間である限り、親が虐待の末に命を奪う痛ましい事件もあることはあるが、行政によって処分されたりはしない。

その中でたった一匹ぽっち引き取っても何も変わりはしないのかも知れない。
それでも、大事なひとつの命だ。

10年以上前、同じ犬種の捨て子を拾って育てたことがある。
生まれつき心臓に持病があることが分かったが、それでも元気に毎日過ごしていた。
だが、自分がその子に手を尽くしてあげていたら、今回同じ犬種の犬を引き取ったかどうか。
その子の顔を思い出すたびに後悔にくれていた私は、もしかして贖罪のために似た顔をした子を引き取ったのかも知れない。
しかし、罪を償うことの困難さは後悔が大きければ大きいほど分かってしまうものだ。
この子はこの子であり、亡くした子は亡くした子だ。
決してとりかえしがつかないのが失った命。
私は沖さんが亡くなった時に、それを身をもって知ったのではなかったか。

あの世とやらで再会や贖罪が可能なのか。
問いかけても答えられる者はこの世に一人もいないのだろうが、もし沖さんと未来永劫再会出来ないのかも知れないと思うと、足元から砂がさらさらと流れ落ちて土台から崩れ落ちそうになる。


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