平素から大変熱心にお稽古なさるお弟子さん方おふたりから、見取り稽古についてのコメントをブログに書いてくださいというリクエストをいただきました
お気持ちありがたく喜んで回答させていただきます。
見取り稽古 は みとりげいこ と読みます。
読んで字のごとく、よそ様のお稽古を傍から見学させていただくことでお勉強するお稽古のことを申します。
何かの事情で、前の方のお稽古が長引いてしまっている待ち時間に 横から見学していると大変お勉強になることに、あるとき気付かれたそうでございます。とりわけ、手ほどきのお稽古が参考になるとのこと 確かにそうでございましょう。遥かな昔にスルリと通り過ぎるときには分からなかったことをもう一度、ああ そうだったかしら・・・と確かめることが出来ます。ご自分のお稽古中は、弾くことで夢中・・・いっぱいになっていて気づき難いことでも、横からご覧になるとスンナリ納得がいかれることもあるでしょう。
そんなわけで、常々見取り稽古をしたいものと思いながらも、気を兼ねていらしたそうでございます。 それは、こんなお気持ちからですとか・・・
障壁その1 決められた時間だけしか、お稽古場にいてはいけないのではないか?・・と考えてしまう。
障壁その2 他人のお稽古を聞いてはいけないのでは無いかという遠慮(邪魔になるのでは?)
障壁その3 お稽古されてる方が、聞かれたく無いのではないかという遠慮
障壁その4 他人のお稽古から学べることがある事を知らない
おやおや、そんなお気兼ねをなさっているとは存じませんで失礼いたしました・・・
私は平素より見取り稽古を推奨しておりますので、何のご遠慮も要らないのですけれども、私どもの高輪教室のように予約制になっているところでは、ともすれば、こんな気分を持たれるのかもしれませんね。
障壁その1に関して申しましたら、それこそ何のご遠慮も要りません。そればかりか、お約束の時刻より15分なり30分なり早くいらしてくださる方は、とても有難いと感じております。とりわけ今のようにお暑い時期など、お時間前に十分な余裕をもってお越しになって、お教室でゆっくり涼んでいただけますと、私の気持ちも和みます。まして、たまさか前の方がお休みだったりすれば、都合によっては、あなたのお稽古をいつもよりゆっくりして差し上げることも出来るので、それこそとても嬉しいのです。お稽古の後も、どうぞお時間の許す限りお座り下さい。私はそんなあなたの熱心なお姿を、嬉しく頼もしく拝見しております。合間をみてのご質問もOKです。
障壁その2でございますが、実はわたしのところでも、上永谷教室では今だに昔ながらのスタイルでお稽古をしております。コンニチワっと、みなさまご一緒にお稽古が始まって、替わりばんこにご自分の曲を弾きます。あとのみなさまは、まだお習いになっていない曲でもちゃんと楽譜を用意なさって、後ろで楽しそうに聴いていらっしゃいます。ですから、ご自分が習われるころには、その曲をすでに八割がたはのみ込んでいらっしゃるという具合です。しかもいろんな曲をご存じです。いかにも優雅で贅沢な楽しみ方でございましょう 少しも邪魔になんてなりませんので、どうぞ心配なさいませんよう・・・。
障壁その3につきましては、私の一存では申し上げられませんね。ですけれど、お教室とはそんなもの・・・と大らかに受け止めてくださるお方ばかりのようにお見受けいたします。
最後の障壁その4につきまして、私の思いはもうお感じいただけたかと存じます。
と申しましても、昨今のお忙しい日常の中で、やっとお時間を工面して駆けつけてくださる皆様方がほとんどだということはよく存じ上げております。お勤め帰りのお稽古でしたらお腹もすいていらっしゃるでしょう。私のほうも、なるべく皆様をお待たせしないようにと、スケジューリングに心を砕く毎日でございます。理想と現実とのギャップは世の常でございます。どうぞご無理をなさいませんよう・・・。そして、もしも余裕がおありになる日がございましたら、そのときは、どうぞご遠慮なく・・・。
ところで、このリクエストをお寄せくださったおふたりのような熟練の方々には全く無縁でしょうから、項目に上がらなかったことでございますが、初心者の皆様方のもうひとつのとても重大な障壁を私は存じあげております。
それは、正座・・・
和室にはまだまだ不慣れというかたにおかれましては、何よりおみ足が痺れてしまって、さぞかし一刻も早く帰りたいとお思いでいらっしゃることでしょう。
そんな皆様は、壁際のお座布団と一緒に、桐製の正座イスを積み上げているのにお気づきでいらっしゃいますでしょうか? たまさか「どうそお使いください」と申し上げても、「イエ、結構です。」とお答えになられることが多いのですけれど、これが案外、見かけによらず、たいへんなスグレものなのでございますよ
一番低いものは 7.5センチのものから幅広の15センチのものまで、いろいろなサイズをご用意してあります。大きいもの程、おみ足が楽です。そのほかに、布を被せた正座椅子も置いてあります。どれでもお使い頂けます。お待ち合わせのときに、いろいろなタイプのものを、是非いろいろと試してみてくださいませ。お座布団を敷いた上で使います。そうこうしていらっしゃるうちに、だんだん正座の要領にもお馴れになっていらっしゃいますが、これも地道なお勉強のひとつでございますね お待ち合わせには、お教室の文机のうえにあるきれいな雑誌などをご覧になりながら、ゆっくり寛いでお過ごしいただければと思っております。
先日の『納涼~ゆかた会~』は、楽しい三曲三昧な一日でございました。
お膝の痛さが一番の思い出・・・でなければよろしいのですけれど
秋あつき 日を追うて咲く むくげかな
秋の気配ももう間近でございますね。
お気持ちありがたく喜んで回答させていただきます。
見取り稽古 は みとりげいこ と読みます。
読んで字のごとく、よそ様のお稽古を傍から見学させていただくことでお勉強するお稽古のことを申します。
何かの事情で、前の方のお稽古が長引いてしまっている待ち時間に 横から見学していると大変お勉強になることに、あるとき気付かれたそうでございます。とりわけ、手ほどきのお稽古が参考になるとのこと 確かにそうでございましょう。遥かな昔にスルリと通り過ぎるときには分からなかったことをもう一度、ああ そうだったかしら・・・と確かめることが出来ます。ご自分のお稽古中は、弾くことで夢中・・・いっぱいになっていて気づき難いことでも、横からご覧になるとスンナリ納得がいかれることもあるでしょう。
そんなわけで、常々見取り稽古をしたいものと思いながらも、気を兼ねていらしたそうでございます。 それは、こんなお気持ちからですとか・・・
障壁その1 決められた時間だけしか、お稽古場にいてはいけないのではないか?・・と考えてしまう。
障壁その2 他人のお稽古を聞いてはいけないのでは無いかという遠慮(邪魔になるのでは?)
障壁その3 お稽古されてる方が、聞かれたく無いのではないかという遠慮
障壁その4 他人のお稽古から学べることがある事を知らない
おやおや、そんなお気兼ねをなさっているとは存じませんで失礼いたしました・・・
私は平素より見取り稽古を推奨しておりますので、何のご遠慮も要らないのですけれども、私どもの高輪教室のように予約制になっているところでは、ともすれば、こんな気分を持たれるのかもしれませんね。
障壁その1に関して申しましたら、それこそ何のご遠慮も要りません。そればかりか、お約束の時刻より15分なり30分なり早くいらしてくださる方は、とても有難いと感じております。とりわけ今のようにお暑い時期など、お時間前に十分な余裕をもってお越しになって、お教室でゆっくり涼んでいただけますと、私の気持ちも和みます。まして、たまさか前の方がお休みだったりすれば、都合によっては、あなたのお稽古をいつもよりゆっくりして差し上げることも出来るので、それこそとても嬉しいのです。お稽古の後も、どうぞお時間の許す限りお座り下さい。私はそんなあなたの熱心なお姿を、嬉しく頼もしく拝見しております。合間をみてのご質問もOKです。
障壁その2でございますが、実はわたしのところでも、上永谷教室では今だに昔ながらのスタイルでお稽古をしております。コンニチワっと、みなさまご一緒にお稽古が始まって、替わりばんこにご自分の曲を弾きます。あとのみなさまは、まだお習いになっていない曲でもちゃんと楽譜を用意なさって、後ろで楽しそうに聴いていらっしゃいます。ですから、ご自分が習われるころには、その曲をすでに八割がたはのみ込んでいらっしゃるという具合です。しかもいろんな曲をご存じです。いかにも優雅で贅沢な楽しみ方でございましょう 少しも邪魔になんてなりませんので、どうぞ心配なさいませんよう・・・。
障壁その3につきましては、私の一存では申し上げられませんね。ですけれど、お教室とはそんなもの・・・と大らかに受け止めてくださるお方ばかりのようにお見受けいたします。
最後の障壁その4につきまして、私の思いはもうお感じいただけたかと存じます。
と申しましても、昨今のお忙しい日常の中で、やっとお時間を工面して駆けつけてくださる皆様方がほとんどだということはよく存じ上げております。お勤め帰りのお稽古でしたらお腹もすいていらっしゃるでしょう。私のほうも、なるべく皆様をお待たせしないようにと、スケジューリングに心を砕く毎日でございます。理想と現実とのギャップは世の常でございます。どうぞご無理をなさいませんよう・・・。そして、もしも余裕がおありになる日がございましたら、そのときは、どうぞご遠慮なく・・・。
ところで、このリクエストをお寄せくださったおふたりのような熟練の方々には全く無縁でしょうから、項目に上がらなかったことでございますが、初心者の皆様方のもうひとつのとても重大な障壁を私は存じあげております。
それは、正座・・・
和室にはまだまだ不慣れというかたにおかれましては、何よりおみ足が痺れてしまって、さぞかし一刻も早く帰りたいとお思いでいらっしゃることでしょう。
そんな皆様は、壁際のお座布団と一緒に、桐製の正座イスを積み上げているのにお気づきでいらっしゃいますでしょうか? たまさか「どうそお使いください」と申し上げても、「イエ、結構です。」とお答えになられることが多いのですけれど、これが案外、見かけによらず、たいへんなスグレものなのでございますよ
一番低いものは 7.5センチのものから幅広の15センチのものまで、いろいろなサイズをご用意してあります。大きいもの程、おみ足が楽です。そのほかに、布を被せた正座椅子も置いてあります。どれでもお使い頂けます。お待ち合わせのときに、いろいろなタイプのものを、是非いろいろと試してみてくださいませ。お座布団を敷いた上で使います。そうこうしていらっしゃるうちに、だんだん正座の要領にもお馴れになっていらっしゃいますが、これも地道なお勉強のひとつでございますね お待ち合わせには、お教室の文机のうえにあるきれいな雑誌などをご覧になりながら、ゆっくり寛いでお過ごしいただければと思っております。
先日の『納涼~ゆかた会~』は、楽しい三曲三昧な一日でございました。
お膝の痛さが一番の思い出・・・でなければよろしいのですけれど
秋あつき 日を追うて咲く むくげかな
秋の気配ももう間近でございますね。
これまでも たまたまお教室に早く着いてしまいました時に 後ろで聴かせていただき いろんな気づきがございましたが これからは 意識的に いろんな角度から お勉強させていただけます とても楽しみです
また、リクエストがございましたらいつでもお申し付け下さい。
今となっては、なぜもっと教室に長居(!)しなかったのかと悔やむばかりです。
おとなしくしていることに慣れていなかったので、時間になるとおいとましてました。
早目に行けば、いいことたくさんあったのですね!
いつかまためぐってくる機会を楽しみに待っております。