MY LIFE AS A DOG

ワイングラスの向こうに人生が見える

侯孝賢氏のトークショーに行く

2011年03月07日 23時52分16秒 | 映画
台湾の映画監督、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)のトークショーに行ってきた。
「劇的3時間SHOW」と銘打たれたこのトークショー。全体は2部構成となっており、第1部は「珈琲時光」で主演を演じた一青窈とのトーク。途中15分の休憩をはさんで、第2部は蓮實重彦氏とのトークである。

会場は青山のスパイラルホール。入場は無料であるが、あらかじめネットで応募し抽選に当たった人でないと入場できない。会場のキャパは150名ぐらいか?

まず、第一部、侯孝賢が一青窈と連れ立って登壇。
一青窈が「珈琲時光」の中の好きなシーンを7つ選び、それぞれのシーンについて撮影中のエピソードなども交えながら侯孝賢とトーク。マニアックな映画ファンを前に一青窈はやや緊張した面持ち。一方の侯孝賢はどこから見ても全くフツーのおっさんという感じ。どんな質問にもいたずらっ子のような笑顔で飄々と答えていた。

たとえば、一青窈が「珈琲時光では、いろんなところへ行ってロケをやったはずですが、実際の映画ではそれらのシーンは全くといっていいほど使われていませんでした。編集後の作品を初めて見たときは正直かなりびっくりしました。編集で切るところと残すところをどのように判断されているのですか?」と質問すると、侯孝賢はニコニコしながら「うーん、まあ感覚としか言えないねー、たとえば、どうしてあなた(一青窈)をキャスティングしたのか、って聞かれても、やっぱり感覚的なものだとしか言えないし・・・まあ、そんなものでしょう」みたいな感じのファジーなお答え。

ちなみに、一青窈が選んだ7つのシーンは以下の通り。
1. 一青窈がアパートで継母(余貴美子)に自らの妊娠を告白するシーン。
2. 御茶ノ水駅で待ちぼうけを食う浅野忠信のシーン
3. うどん屋で3人並んで、背中をカメラに向けながらうどんを食べるシーン
4. 列車で居眠りする一青窈を発見しほくそ笑む浅野忠信のシーン
5. 一青窈の実家で、娘の妊娠を知り無言で空を見つめる小林捻侍のシーン
6. 一青窈と浅野忠信が互いに違う列車にのってすれ違うシーン
7. ラストシーン

かく言う私も、あのラストシーンは大好きである。いつも見慣れたお茶の水の町の風景が、侯孝賢の手にかかると、まるで別世界のように見えるのだから不思議だ。

ということで、第二部については、次回書くことにします。
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2 コメント

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Unknown (Maigret)
2011-03-09 20:57:16
おお~~侯孝賢!!!
うらやましいです。もっと早くしっていたら、仕事休んでいったのに・・・・ほんとうに、監督が撮影すると「ここって、自分の知っている日本??」だったのが感動的でした。好きな場面の6/7は同じです、悔しいですが(笑)。蓮實氏とはどんなdeepな会話だったのでしょうか?二部が気になります。
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Maigretさま (kazu-n)
2011-03-11 08:22:11
しかし、侯孝賢監督って、本当に純粋というか飾らない人なんですね。蓮實さんがいろいろ聞き出そうとしているのに、わざとやっているのか分かりませんが、答えはいつも人を食ったようなシンプルなもので、自分の哲学を饒舌に語るということがほとんどないんですね。

しかし、内容が盛りだくさんでトークショーの全貌を網羅するのはなかなか難しいので、エントリー内でも紹介しましたが、こちらのブログも参考にしてみてください。
http://green.ap.teacup.com/nanbaincidents/1048.html
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