中学受験総合~大日本帝国の楽しい家族団結力

中学受験算数~大日本帝国の楽しい家族団結力

円と正多角形 家長のお父さんが家族を守る

2020-09-18 07:00:48 | 日記

今回は「円と正多角形」をテーマに平面図形のトレーニングについてお話いたします。
たとえば、次の正六角形とおうぎ形を組み合わせた図を見てください。
算数20200901_01
問題は「色を付けた部分のまわりの長さは何cmか」です。

正六角形の1辺の長さは6cm、円周率は3.14としましょう。
円のまわりの長さの学習が済んでいない学年のお子さんは円何周分の長さか考えてもらってもかまいません。

この図の様子を見抜けた人は多いかもしれませんね。
算数20200901_02
半径6cm、中心角120度のおうぎ形の弧が6本ありますので、
6 × 2 × 3.14 × 算数20200901_07 × 6 = 75.36
より、75.36cmとなります。

6つのおうぎ形を合わせると720度分になるので、円2周分と考えられれば問題ありません。

さて、次の図はどうでしょうか?
正五角形とおうぎ形を組み合わせた図です。
算数20200901_03
こちらの図についても、正五角形の1辺の長さを6cmとして、色を付けた部分のまわりの長さは何cmか考えてみましょう。

先ほどの図よりも細かく考える必要が出てきました。

この問題をふまえて、今後どのようにトレーニングをすると効果的か、先にお伝えします。
「図形はセンス」と一刀両断されてしまうことがありますが、問題を解く上ではセンスより知識の方が重要です。なかなか問題が解けないからといって、闇雲に練習量を増やしても問題を解く上で重要な着眼点は見えてきません。

まずは、図形の性質を知識としてしっかりと押さえましょう!
今回であれば、鍵を握っているのは、

①円やおうぎ形⇒半径を2本使って三角形をつくると二等辺三角形になる。
②正多角形⇒外角の和は360度なので、1つの内角は180−360÷(角の個数)で求められる。

という、2つの知識です。
全体を形作っている基本図形がおうぎ形と正多角形ですので、それに関する知識を使おうという姿勢で図を観察しましょう。その知識が使える部分を見つけたら、具体的な計算を進めて答えの数値を求めましょう。
答えまでの道筋が一気に見えるときもあれば、少しずつ特徴が生かされて答えにたどり着く場合もあります。

1.各図形の性質や特徴を知識として身に着ける。
2.身に着けた知識を使える部分はないか観察する。
3.使える部分を見つけたら、知識にしたがって計算を進める。

この3つのステップが問題の解き方およびトレーニング手順となりますが、せっかく知識をもっているのに、それを使える部分を探すという観察するときの姿勢が抜けてしまっている人が多いように思えます。

さて、先ほどの図について具体的に考えてみましょう。
算数20200901_04
求める長さは弧DE5つ分の長さとなりますが、その長さを求めるために中心角にあたる角DBEの大きさが必要になります。この角の大きさを考えることが解答までの大筋になります。

知識を使うという姿勢で観察していると、次のような特徴が見えてきます。
算数20200901_05
今回は3辺の長さが等しくなるため、三角形ABEと三角形BCDが、二等辺三角形からさらに発展して正三角形となることが見えてきますね!正三角形の1つの角の大きさは60度ですので、このことをもとの図形にあてはめると、
算数20200901_06
ちょうど、2つの60度の角が重なった部分が角DBEの大きさといえます。
ここで、正五角形の1つの外角の大きさは360÷5=72より72度ですので、
1つの内角の大きさは180−72=108より、108度です。

さあ、ここまで来ればあと一歩です。

角ABDの大きさは、角ABC-角DBC=108-60=48より48度
よって角DBEの大きさは、角ABE-角ABD=60-48=12より12度です。

最後に解答は、
6 × 2 × 3.14 × 算数20200901_08 × 5 = 6.28
より、6.28cmとなります。
または、12×5=60より、60度分の長さにあたると考えるとこができれば大丈夫です。

もとになる正多角形の角の個数が変わっても使用する知識は同じですので、同じように「知識を使う」という姿勢で問題を見るトレーニングを積みましょう。その他の図形の問題も、基本的なトレーニング方法は同じですが、またの機会にお話しいたします。

目指せ、図形マスター!
それでは、またお会いしましょう!


作ることが出来ないおもりの重さ 大きい和の大和

2020-09-18 06:58:44 | 日記

本日はタイトルの通り、「作ることが出来ないおもりの重さ」の問題について触れたいと思います。

さっそく問題です。

【問】
4gと7gのおもりがたくさんあります。このおもりを組み合わせて作ることのできない最大の重さを求めなさい。

たとえば4gのおもりを2個使えば8gは作れますし、4gのおもり1個と7gのおもり1個を使えば11gが作れます。
一方で、1g、2g、3gなどは作ることが出来ません。

いかがでしょうか。

重さを1gから順に調べていくと、どこまで調べればいいかわからなくなりませんか?

=====================================
【解説】

整数を4行に並べていきます。
算数20200904_01

ここで、1番下の行に注目します。

4gのおもりがあるので、4の倍数になっている一番下の行の重さはすべて作ることが出来ます。
作ることの出来る重さは赤線で消していきます。

算数20200904_02

7gのおもりがあるので、7の倍数の重さも作ることが出来ます。
まずは7gに青い〇をつけておきます。

算数20200904_03

〇をつけた7gの右に並ぶ重さは、7gのおもり1個と、4gのおもりを組み合わせることによってすべて作ることが出来ます。
(11=4+7、15=4+7×2、19=7+4×3、・・・)

算数20200904_04

次に、7×2=14に青い〇をつけます。

算数20200904_05

〇をつけた14gの右に並ぶ重さは、7gのおもり2個と、4gのおもりを組み合わせることによってすべて作ることが出来ます。

算数20200904_06

さあ、あと一歩ですね。

7×3=21gを作ることが出来ます。

算数20200904_07

〇をつけた21gの右に並ぶ重さは、7gのおもり3個と、4gのおもりを組み合わせることによってすべて作ることが出来ます。

算数20200904_08

7×4=28は最初の操作で消えたので、ここまでです。
残った中で一番大きい数字は

算数20200904_09

緑の〇がついている17です。

答えは17となります。

4gと7gであれば、4行に整数をならべていくことがポイントです。
(7行でも解くことはできますが、図の青い〇にあたる数が多くなり、少し面倒です)

与えられたおもりの重さのうち、小さい数値の行数で並べるのがお勧めです。
(例:3gと5gであれば3行にまとめる)

さて、実はこの問題、公式があります。

4×7-(4+7)=17

与えられた2種類の数字の積から和を引くことで答えになります。

 

なぜこの方法で答えが出るのか考えてみます。

算数20200904_10

ここからはやや難しい内容かもしれません。

4行に並べた整数の中の、7の倍数に青い〇を付け、青い〇をつけた数字と
その右側の数字をすべて消す、という操作を繰り返して答えを出しました。

7×1=7、7×2=14、7×3=21と〇をつけていき、4個目の28は最初の操作で消えていましたね。
つまり、4行であれば最後に青い〇がつくのは
7×(4-1)=21です。

残った中で最も大きい数値は21の左隣にある17です。

どの行も公差が4の等差数列になっていますから、21から4を引いたわけです。

7×(4-1)-4=17

回りくどいですが、このような計算で答えを出せることになります。
さて、上の計算式を変形してみましょう。

7×(4-1)-4
=7×4-7×1-4
=7×4-7-4
=7×4-(7+4)

となり、与えられた2つの数字の積から和を引くことで
作ることの出来ない最大の整数を求めることができるわけです。

※与えられた2つの数値が互いに素でないと、この公式は使えません。
(例)30gと50gの2つのおもりで作れない最大の重さは70gです
公式に当てはめると30×50-(30+50)=1420
となってしまいます。

公式を学ぶ際は、極力理由も考えてみることをお勧めします。
より理解が深まり、公式を忘れにくくなりますし
何より算数の面白さは公式の中身にたくさん詰まっています。


テストのときの問題の解き方の順番 世界一の長い皇室のわが国

2020-09-18 06:55:54 | 日記

本日は、
テストのときの問題の解き方の順番をお話いたします。

①問題文を読む
②「誰が」「どこで」「どうした」にチェックを入れる
③何を使って解くか見定めてから解く
④手を動かして解く

算数の文章は、ルールに則って書かれています。
なぜなら、問題を作る人は「使わせたいもの」があって問題文を作るからです。

①問題を読む
ことから始めましょう。

②「誰が」→これは、登場人物、例えば、「花子さん」や「太郎君」など人間がでてきたり、物の値段、りんごやみかんの値段や、「点P」など図形上の点が主語の時もあります。

そして、それら登場人物が、
「どうした」のか。例えば、「花子さん」と「太郎君」が出会ったのか、定価に4割の利益を付けた値段を求めるのか、管Aを開いたら水がどんどん減ったのか、など、その問題にはそれぞれの条件が書かれています。
この条件を正しく読み取り、理解してから、問題を解き進める必要があります。

そして、③何を使って解くか見定めてから解く
というのは、ポイント365にあるように、根本原理のどれなのかを見抜いてから解くということです。「速さ」なのか「線分図」を作ってから解き進めたほうがいいのか、
「比を利用する問題」なのか、などを読み取ることが必要となります。
この部分を鍛えるのが、『根本原理 イメージde暗記 ポイント365』に載せてある
線分図や面積図、表や〇で記載されているものになります。

そして④手を動かして解く
のです。

それでは、例題で実際に練習してみましょう。

算数20200908_01

①文章を読む
生徒さんたちは、パッと見て、あ、点の移動だということは気づきます。
この時点で、図形に目が行っている生徒さんが多いのですが、やはり図形問題でも
文章を読むということが大切です。

②「だれが」は、点Pです。
点Pがどういう動きをするのかを読み取りましょう。

問題文の

算数20200908_05

 

 

解答:

直角二等辺三角形になるのは、
点Pが辺AD上にいるときと、辺BC上にいるときです。

二等辺三角形ではなく、「直角二等辺三角形」という条件も読み落とさないようにしましょう。
直角になるのは、長方形の4つの角度を利用するしかないということも、気づかないといけないポイントです。

算数20200908_06

算数20200908_07

 

1回目は、点Pが16㎝動いたとき、
16÷4=4秒後

2回目は、点Pが28+16+(28-16)=56㎝動いたとき、
56÷4=14秒後
となります。
「すべて」と言っているので、何回かあるなと疑う癖もつけておきましょう。

算数の文章は、構成が明白です。

読み取る部分を正確にインプットすることが大事です。
目で文章を追いながら、手を動かして、条件を書いて余白や図の上に置いて
解き進めていきましょう。

問題の直しをするときも、どこに注目できていなかったのか、
自分が気づけていなかった部分、読み取りが甘かった部分を直していきましょう。


キセル算 中学算数 中学受験算数 和暦大切

2020-09-18 06:53:03 | 日記

5年生以上のみなさんなら「キセル算」について学習したことがあるかもしれません。

 
「キセル算」という名前には聞き覚えがなくても、下のような問題だよと言われれば「あ、見たことがある!」という人も多いのではないでしょうか。

 

0528_kuwata_1

 

「ああ、これは、知ってるよ!とりあえず…」

 

0528_kuwata_2

 

「こんな風に途中の数字を全部消してしまう!あとは、分母の最初と最後の数字を見ると2と7が残っているので、1:2-1:7と引き算にして計算すればいいんだよねー」

 

なんて、計算のやり方だけを覚えている人が結構いるようです。

 

たしかに結論はこれで合っているですが、そもそもなぜ引き算にするのでしょうか?なぜ、途中の数字を消してしまってよいのでしょうか?

 

このあたりの計算のしくみがきちんと分からないままでは、少しひねられただけで間違えてしまいます。
 

「私はしっかり分かってる!」という人は大丈夫。でも、「やり方は覚えているけど、これで正しく計算できる理由までは…」という人は、この機会にきちんと理解しておきましょう。

 

途中を消して筆算にできる理由とは?

 

そもそも、この式に現れる1:23などの部分は、
 

0528_kuwata_5

 

のように、変形できます。確かに、計算してみると上の2つの式の値は、1:61:12で、確かに両辺が等しいですね。
そこで、もとの式全体は、

 

0528_kuwata_3

 
と変形できることになります。確認してみてくださいね。

 

さて、こうなると1:3から1:6
までの分数は、-と+をともなって2回ずつ現れていますから…
 

0528_kuwata_4

 
こんどはこのように堂々と(?)消すことができ、たしかに1:2-1:7=5:14と計算できることが分かりました。

 
以上で見てきたように、「キセル算」の計算をするならば、1:23=1:2-1:3のように分数の差に変形できることは少なくとも理解しておかなければなりません。

 

ところで、両辺を計算してみれば確かに1:23=1:2-1:3になっていることは分かりますが、なぜこのように変形できてしまうのか、ちょっと不思議に思う人もいるでしょう。そんな人には算数のセンスがあるかもしれません。

 

実は、図形的に考えてみるとこの変形の意味や仕組みがとらえやすくなります。

 

そして、やり方だけを覚えている多くの人が間違えてしまう、
 

0528_kuwata_4

 

のように少し形を変えられた問題も、本当に仕組みが分かっていれば大丈夫。


植木算 中学算数 中学受験算数 令和

2020-09-17 06:56:47 | 日記

植木算とは

植木算とは、ある長さの道に一定間隔で木を植えたときの「植えた木の本数」や「道の長さ」、「木と木の間隔」などを求める文章問題です。

簡単な例としてはこのような問題。

植木算の例題1
30mの道のはしからはしまで一定の間隔で木を7本植えた。このとき木と木の間隔は何mか求めよ。

図を書いてみたらこのようになります。

30mの道を6等分しているので、30÷6=530÷6=5となり、答え5mです。

7本の木を植えているのに6で割らないといけないというのがややこしいですが、実際に図を書いてみたらそこまで難しくはないと思います。

そしてもう一つ代表的な問題の例が次のような問題。

植木算の例題2
電柱からバス停まで30m離れており、この間に5m間隔で木を植える場合、何本の木が必要になるか。

図に書いたらこのようになります。

30mを5m間隔に分割するには、30÷5=630÷5=6なので、6等分する必要があります。そして図を見たら分かると思いますが、6等分するには間に5本の植木が必要です。

前の問題では7本の木で道を6等分していましたが、この問題では両端に木を植えないので、5本の木で道が6等分できるのです。

いずれにしても等分する数と木の本数は合いませんし、直線の道に木を植える場合でも、両端に木を植えるか植えないかで考え方が違ってくるのが植木算の厄介な点です。

そしてもう一つ代表的な植木算の例を紹介します。これまでの直線の道ではなく池の周りなど巡回する道の植木算です

植木算の例題3
池のまわりに5m間隔で6本の木を植えたら全部の木がちょうど等間隔になった。このとき池のまわりの全長を求めよ。

図に書いたらこのようになります。

6本の木で池が6等分に分割されており、それぞれの間隔が5mなので、6×5=306×5=30で池のまらりは30mです。

前の2つの例のどちらとも異なり、巡回する道の植木問題では「木の本数」と「等分する数」が等しくなります。

 

以上の3つの例が主な植木算のパターンです。

植木算は図を書けばそこまで難しくないのですが、状況によって木の本数と分割する数が変わってくるので、文章を読んだだけでは間違えやすいです。

公式で覚えるのではなく、問題に応じてその都度簡単な図を書いて整理するのが重要になります。

ちなみに植木算は「全体の長さ」に「一定間隔」でものを配置する問題なので、『道の植木の間隔』の他にも『竹の節の間隔』や『服のボタンの間隔』、『紐の結び目の間隔』、『勉強時間の休憩の間隔』など問題は様々なパターンが考えられます。

ただ、どんな問題でも解き方のポイントは同じです。

それぞれのパターンや解き方についてきちんと抑えていきましょう

植木算を解く上でのポイント

まず、植木算には3つのパターンがあるということを抑えましょう。

それぞれ例題1、例題2、例題3に対応します。

これらを公式のように覚えて問題に応じて使い分けるという解き方もありますが、かえって混乱しやすいです。

簡単な図を書くくらいならそんなに時間はかからないと思うので、その都度図に書いて整理するのをオススメします。

ただし、木の本数が多い場合は時間がかかるので、そういう場合は小さい数に置き換えて公式を導きましょう。

たとえば「はしからはしまで木を100本植えた」という場合、道は何等分されているでしょうか。

100本の木を図に書くのは大変ですが、上のような図をイメージしたら3本の木で道が2等分、4本の木で道が3等分されるのは容易に分かると思います。

「3本だと2等分、4本だと3等分されるから『(木の本数-1)が分割する数』になる。つまり100本だと道は99等分される」

このように木の本数と間の数の関係が導けます。

 

では「両端をあけて木を200本植えた」という場合は道は何等分されているでしょうか。これも200本の木を図に書くのは大変ですが、上のような図をイメージしたら1本の木で道が2等分、2本の木で道が3等分されるのは容易に分かると思います。

「1本だと2等分、2本だと3等分されるから『(木の本数+1)が分割する数』になる。つまり200本だと道は201等分される」

このように木の本数と間の数の関係が導けます。

 

「池の外周に300本の木を植えた」という、巡回する道に木を植える場合でも同じように解いていきましょう。

「2本で2等分、3本で3等分されるから『木の本数が分割する数』になる。つまり300本だと道は300等分される」

このように木の本数と間の数の関係が導けます。

 

植木算で重要なのは、木の本数と等分の数を間違わないことです。これさえ完ぺきに抑えておけば、あとはよっぽど変則的な問題が出されない限りそこまで難しいことはないかと思います。