人を手伝ったりするときに概ね相手は何らかの恩を感じるはずです。それでいて恩を着たくない人からは「こんなの頼んだ覚えはないよ」などという台詞をよく伺えます。しかし、この「恩」というのはかなり可変性の多い概念です。その感じ方に個人差もあり、その前に文化のレベルでも異なります。特にお金に関するものはややこしいように思います。
アメリカで友達など、親しい人におごったり、お金を貸したりする時に、恩をあまり着せないために相手が前やったことを理由にすることが多いです。
You paid last time, so I'll get it this time. (前おごってもらったから今回は私が払うよ)
つまり、ただのお返しのため、恩に着ることはないという考え方です。しかし、私の日本人の友人にはこのやりとりは通じないことが多いです。お返しなどを理由にするとそれはその友人の折角の「気持ち」を無駄にするというようなことになるようです。また、自分の善意もどこか穢れて聞こえるようです。
アメリカでの友達の中では恩を着せまいとことばを振るうが、日本では恩を着せ合うことに友情が立証されるようです。やることは一緒にも関わらず、ことばの使い方によってそれが友情の証になるか、友情の脅威になるかどちらとも可能なわけです。恐ろしい!【Joe Tabolt M1】
今回も非常に興味深い記事ですね。
個人差もあるとは思いますが、個人的には日本語でも、英語のようにいうこともあるとは思います。「この間おごってもらったからね、今日は僕がおごるよ」などと友達間で言うことは日常的と言っていいでしょう。