Drマサ非公認ブログ

健康診断はほどほどに(前半)

 僕は50歳を過ぎているが、健康診断は1〜2度受けたことがあるかなという程度である。正直に言えば、面倒臭いというのが一番の理由だ。

 もちろん勤め先から健診するように言われる。が、適当にごまかしてやっていない。就業者数の一定割合を下回れば、行政から指導でもくるのかもしれないが、僕一人が受けなくても問題も生じないのかと思っている。なんせ法律で定められているので、担当部署には気を使ってしまう。

 諸外国での健診は大抵自分で選択するものということになっているらしい。健康は自身のことなので、やりたい人はやればという程度なのかなと思う。知り合いのフランス人も「自国で健診制度なんてあったかな」と言っていたので、その程度の意識なんだろう。

 昔病院で勤めていた時、若い人が健診で引っかかったということで精密検査を希望して、来院する人が多くいた。

 僕のような大雑把な人間からすると、若い人がちょっとした数字の違いを気にして、病院にやってくるのかと少々驚いていたものだが、最近は以前よりそういう事情で来院する人は多くなっているとのことだ。なんかすごい心配した表情をしているのが印象的だという。

 検査には正常値が設定されている。ただこの正常値なるものは曲者で、個々人の遺伝や環境、その人の生活史など個別具体的な状況を後退させたところで作り出される参考値に過ぎない。また医療は時代によって変化するので、血圧の正常値の変化を見れば明らかなように、恣意性をまとっている。

 また、健診での正常値は見逃してはいけないということで、プラスマイナス10%割り増しで正常値の設定がなされている。とすると、検査項目は数多いので、正常とはみなされない結果が数多く抽出されてしまう。先の若い人は大抵問題なかったというケースが多いのだけれど、こんな数字のカラクリから要精密検査と判定されることが多いことになる。

 じつは5年ほど前だったか、15人程度で調べたことがあるのだが、多少メタボの方が長生きするという結果であった。とすると、健診でメタボで引っかかった人って、何が問題なのかよくわからない。成人病、つまり生活習慣病を気にする余りの過剰な意識の産物なのかもしれない。

(つづく)

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