Drマサ非公認ブログ

新型コロナウィルスの副大臣発言について

 中国の新型コロナウィルス の統計を見ると、大まかにいうと良い傾向になっていると思われる。これまで罹患者数と治癒者数を重ねて見ていくと、罹患者数が毎日1000〜2000人多い結果になっていたが、ここに来て、その数字がマイナスになっている。ちなみに「−211」なので、治癒者の方が増加していることになる。どうにかこの数値が良い方向に向かうことを祈るのみだ。

 どうも若い医者がコロナウィルス に倒れて亡くなったらしい。あるいは病院長が対策にあたり亡くなったという事例もニュースになっていた。感染拡大を防ぐ意味で自宅に帰ることさえできず、亡くなったのであるから無念であったろうと思う。

 こういう方々の努力があって、どうにか好転しているといっていいようなので、中国の医療現場で従事している方々に敬意を評したい。亡くなった方、そのご家族には謹んでお悔やみを申し上げたい。

 さて、日本だ。神戸大学の岩田健太郎先生に対する日本政府の、特に厚労省副大臣の橋本岳の発言には耳を疑ったというか、常軌を逸していると感じている。

 岩田氏はどうもアフリカでのエボラ出血熱、中国でのSARSでの経験がある医者ということである。とすれば、こういう貴重な経験こそ新型コロナの対策に適した人物であることを端的に示していることになる。政府の方からこそ岩田氏に協力要請するべき所ではないか。

 当然感染症の専門家が今回数多く関わっているだろう。当たり前だ。その意味で理論的な水準での理解は当然なされている。ただ経験という点で、つまり臨床という点ではどうだろう。彼らは日本という衛生状態もよく、感染者数も限定され、感染者がいても、医療機関で普通に対応できる環境での臨床は行なっている。

 しかしながら、新型コロナウィルス のような今まさに拡大しつつあるウィルスへの対策を実施した経験を有する専門家の数は限られるだろう。また、あの豪華客船のような密閉空間での対応をした専門家も当然少ないに違いない。理論と経験を重ね合わせていなければ、現実の状況の中で十分な対応ができるかといえば心もとないのである。

 だからこそ、岩田氏のYouTubeでの提言は重要なのである。感染症の専門家としての理論、そしてエボラとSARSでの経験両方を併せ持つ専門家なのであるから、彼は当然今回のウィルス対策に力を発揮する医者なのである。そう考えざるを得ないではないか。

 ところがだ。橋本副大臣は「俺が知らないところで、俺の許可のない奴が入り込んでいて、許せん!」という程度の認識を示していたのである。彼に理論や経験はあるのだろうか。彼の周りにそういう視角から意見をいう存在はいるのだろうか。

 私自身は新型コロナウィルス に楽観的な方ではあるが、とにかく感染者を増加させないような政策をしなければならない危機的状況において、この程度の認識で縄張り意識を誇示しようというのは気が狂っているのではないかと疑ってしまう。

 こんな時でもメンツでも気にしているということなら、あるいはセクショナリズムにこり固まっているなら、日本の政治に未来はない。繰り返すが、こういう時こそ岩田医師のような理論と経験両方を併せ持つ人物に協力してもらうよう力を尽くすことこそ政治力ではないか?

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