俳優の伊勢谷友介さんが大麻取締法で逮捕された。まだ容疑者である。
当たり前のように細かい報道が出ているようだが、捜査関係者のリークであろう。公務員の守秘義務の方が、大麻より問題だと考えるのは僕だけだろうか。
ついでにメディアが伊勢谷さんを悪役に仕立てていくのも、気持ち悪い。
僕自身は大麻を吸いたいとは全く思わない。ちなみにカナダで大麻吸ってる所は見ている。皆さん普通の人だ。医療用とか繊維利用であるとか、ほか工業用の原料とか、使えるものなら、自由に使えばいいと思う。
ただ日本ではタブー感が強かったり、規制が強いために、それらの研究自体が難しいという話は聞いたことがある。合成された化学物質よりまともじゃないかと思う程度ではある。
それでも大麻について少し勉強すれば、大麻の規制に関しては大いに疑問を持っている。
話を少し飛ばすが、ソクラテスの「悪法も法なり」との格言を思い出す。
通常「悪法であっても法は法であるから、守るべきだ」程度に捉えられているように思う。でも、これは明らかに間違い。
ソクラテスが死刑を言い渡されて、それを見ていたプラトンが皮肉というか、社会の矛盾に腹を立てている言葉だ。そうすると、意味が全く逆になる。
意訳するが、プラトンは「バカな国家や政治家が、真理や正義にのみ生きるソクラテスを、バカな法律を利用して死刑にするだろう」とソクラテス自身に『ソクラテスの弁明』の中で言わせているのだ。
ここはソクラテスとプラトンの関係が錯綜するので、そこをジャック・デリダが語っていて面白い。
それはいいとして、悪法であることをわかっていて、悪法に従順であれとすることは、徳の欠如であるという話な訳だ。法律もまた人間が作るものなので、当たり前だが不完全性を抱えている。
さて、大麻取締法は「バカな法律」だろうか?ソクラテスに見習って、まず対話してはどうでしょう。あれ、対話すると怒られるのかなあ?との不安が。