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新潟県小千谷市の農業マンのブログです☆
主に私の農業を紹介しています♪
無農薬・無肥料/自然栽培米を作っています。

【早期湛水深水管理】自然栽培米田んぼ

2024年01月12日 02時48分53秒 | 私の農業
【早期湛水深水管理】

自然栽培米田んぼで、中耕除草をしなくて良くなったらめちゃ楽ですよね!

前回の記事で書いた『早期湛水深水管理』

上手く行けば中耕除草0回で尚且つ多収になるという栽培方法。

この技術について、ご指導いただいた内容と自分で実践した事を元に書いていきます。

↓↓参考資料

・農林水産省のHP『農林水産省「有機農産物供給安定供給体制事業」における「生産技術課題対応実証事業」』
『水稲有機栽培における早期湛水深水管理の雑草防除抑草技術体系のご紹介』
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/attach/pdf/210303organicseminar-18.pdf


・ドコモグループ~安心安全なお米を届けたい~農薬肥料不使用ササニシキ栽培プロジェクト
https://rainbow.nttdocomo.co.jp/tohoku/know/0025.html



【早期湛水深水管理の概要】

大まかに言いますと、
『早くから水を溜めて深水を維持し土壌の還元化を進め、草が発芽しない環境を作る』

という感じです。

除草作業に関しては、厳密に言えば『無除草』ではなくて『田植え後の除草作業0回』です。

ポイント
・14cm以上の深水管理
・圃場を均平化する
・湛水期間は30日以上確保する(圃場条件や気温による)
・還元状態ができるまでの間は草が生えるので深水状態で代掻きをして除草する
・代掻きはなるべく土をトロトロにする


【作業の流れ】

1『畦塗り』
まずは深水管理に適した圃場にする為に、畦塗りをして畦の高さの確保と水漏れ対策をします。

2『耕耘』
耕耘は今のことろ深めの方が良いのではないかと思います。
耕深15cm以上。


3『代掻き①回目』
1回目の代掻きの目的は圃場の均平化と、土を出来るだけ細かくトロトロにする事です。

均平化作業は水が多過ぎると高低差がわからなくなってしまうので、水を入れすぎないように注意して準備します。

高低差直しについて私の場合、最初に全体を一周代掻きしてからドライブハローの『土引き』を利用して高いところから低いところへ土を引っ張っています。

慣れないと土を引っ張り過ぎて逆に凸凹が酷くなってしまうので注意が必要です。

『土をトロトロにする』について。
土が細かくトロトロになっている場所と、土の塊が残っている場所を比べると、トロトロの場所の方が草は生えにくいようです。
①回目の代掻きでトロトロにしておきます。

4『深水管理』
代掻きが終わったら入水し、深水管理を開始します。
水位は14cm以上を維持します。

また、入水は静かに行った方が良いようです。
勢いよく入れると酸素が入ってしまい、還元化が妨げられます。
水の取入口によって、水口を加工するなど工夫が必要かもしれません。

5『除草の為の代掻き(②回目)』
還元状態が出来るまでは草が生えてきます。
代掻きをして除草します。

代掻きは深水状態で作業します。
ハローの爪がしっかり土を掻くようにして、土ごと草を浮かせます。
車速とハローの回転数はどのくらいが良いのかまだ試行錯誤中です。
最低限、草が残らないようにしています。
また、一度代掻きをして日が経つと土が締まってトラクターの足跡が残りやすくなるので、足跡が消えているかの確認も大事です。
車速が速すぎると足跡が残りやすくなります。

浮いた草は網等で掬って除去します。

代掻きのタイミングは前回の代掻きから14日後くらいが目安ですが、気温によって草の生え方が変わります。
しっかり草を生やしてからの方が良いのですが、草が大きくなりすぎると草の除去が大変になります。

6『仕上げ代掻き(③回目)』
田植え前の代掻きです。
②回目と同じ要領で行います。

基本的には代掻きは全部で3回で良いと思いますが、湛水期間を長く取る場合や気温が高い場合は、間にもう1回入れた方が良いかもしれません。

7『田植え』
田植えは仕上げ代掻き後、土が落ち着いてから行う方が良さそうです。

代掻き直後で土がトロトロし過ぎていると苗がしっかり植わらず浮き苗の原因になります。
土質などによります。

昨年は中2日開けて田植えをしました。
(代掻き後3日目)

しかし、代掻きをすると一度土中に酸素が入り、還元状態が壊れてしまうので、再び深水にして5日後に田植えをすると良いとも聞いています。

色々と試す必要がありそうです。

田植え時は落水しない方が良いようですが、無理なら落水して田植えをします。

私は草丈8~10cm程の小さい苗を植えているので、完全に落水して植えました。

8『田植え後の水管理』
田植え後は深水管理をします。
しかし、田植え直後一気に深水にして浮き苗にならないように注意します。

最初は草丈も小さいので稲の成長に合わせて水位を上げていきます。
稲の葉先が出ていれば大丈夫です。

稲が成長したら14cm以上の水位を維持します。

ここまで上手くいっていれば、草は生えてこなくなるようです。

クログワイ等の多年生の草については別の対策が必要です。

以上!


後は水管理のみしていれば無除草で稲が育っていきます。
欠株が有った場合は補植をした方が良いです。

前にも書いたように、私は無除草とはいきませんでしたが、以前までの栽培方法に比べて除草回数を減らせて草の生え方も少なくなり、収量も増えました。
以前は収穫量が少なくて困っていましたが、この栽培管理を試した田んぼは以前とは全然違う稲姿になりました。


もし自然栽培米の収量がいつも少なくて困っている方がいらっしゃいましたら試す価値は有ると思います!


高低差の大きい田んぼで自然栽培されている場合は、時間をかけて均平化するだけでも草対策は楽になって収量が上がるのではと思います。


とりあえず【早期湛水深水管理】について第一回目の記事ということでざっくりと書いてみました!

細かく詳しく書くとすごーーーく長くなってしまうので。


書きれなかった&書き忘れていた事は次回以降の記事で書いていきます。


それではまた☆