秋草俊一郎他編「世界文学アンソロジー: いまからはじめる」
いろんな時代、いろんな国の人が書いた詩や短編よりなるアンソロジー。
「世界文学全集」というと、イギリス、フランス、ロシア・・・などの作家が多い印象が
あるのですが、この本ではアフリカ、中東、アジアの作家が多めで知らない作家との出会いが
たくさんありました。
知っている作家や読んだことがある作品も少し入っていました。
言葉、自己、孤独、家族、戦争・・・などのテーマごとに編まれています。
サイイド・カシューア:イスラエル国籍のパレスチナ人作家。アメリカに移住されたそう。
ここに掲載された作品:昼はイスラエル人、夜はアラブ人という二重人格を持つ青年が主人公です。
チヌア・アチェベ:ナイジェリア、イボ族の作家。
ここに掲載された作品:イボ族以外の女性と結婚するという息子、とても信じられない。
そんな親子の断絶を・・・。
そしてもう一人、ナイジェリアイボ族出身の作家がいました。
チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ、この方の作品はいくつか読んでいます。
TED TALKの公演も有名ですね。
「
私達は皆フェミニストになるべき|チママンダ・アディチエ|TEDxEusto」
ここに掲載された作品:アメリカに渡ったイボ族の少女の気持ちを繊細に描いています。
エミリー・ディッキンソンや石垣りんの詩が載っているのも嬉しく、面白いアンソロジーでした。
今、編むなら、インド、アメリカ、イタリアと移り住んでいるジュンパ・ラヒリのイタリア語
作品などもあっても良さそうです。