みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1305「しずく176~迫る」

2022-09-11 17:27:33 | ブログ連載~しずく

 人通(ひとどお)りの少なくなった繁華街(はんかがい)に、先(さき)に帰ったはずのアキの姿(すがた)があった。彼女は何をするでもなく、通りをぶらぶらと歩いている。どこへ行こうとしているのか?
 ――薄暗(うすぐら)い路地(ろじ)から男が現れた。人目(ひとめ)を気にしながらアキの背後(はいご)へ回ると、アキの口を押(お)さえて路地へ連(つ)れ込んだ。そこには別の男達がいて、もがくアキの足をつかんで持ち上げる。そして、近くに停(と)めてあったワゴン車へ押し込めようとした。
 その時だ。男の後(うしろ)からえり首(くび)をつかむ者(もの)がいた。男たちを次々(つぎつぎ)になぎ倒(たお)すと、アキを腕(うで)の中へ抱(かか)え込んだ。アキが目をやると、そこに柊(ひいらぎ)あずみがいた。あずみは、
「大丈夫(だいじょうぶ)? もう、こんなとこで何してるのよ。私から離(はな)れないでね」
 あずみはアキを後にやると、男達と対峙(たいじ)した。男達は互(たが)いに顔を見合わせて、不敵(ふてき)な笑(え)みを浮(う)かべて近づいて来る。あずみは能力(ちから)を使おうと手をかざした。その時、目の前にエリスが姿を現した。あずみの腕をつかんでひねろうとする。あずみはそれをかわすと、エリスに一撃(いちげき)を与(あた)えた。エリスはあずみから離れると、男達に言った。
「何してるのよ。小娘(こむすめ)ひとり捕(つか)まえられないなんて」
 エリスはナイフを出すと、「少しは歯応(はごた)えがありそうね。楽(たの)しませてよ」
 エリスとあずみの戦(たたか)いが始まった。男達はその隙(すき)にアキを捕まえようと走った。アキは逃(に)げようとするが、恐怖(きょうふ)のためか身体(からだ)が思うように動かなかった。
<つぶやき>ちゃんと訓練(くんれん)してないから、こんなことになるのよ。でも、どうなるのか…。
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