楽しむことが最優先

庭で花や野菜を育てて楽しむ北海道民です。
趣味関連を中心に日々のあれこれを、
マイペースに綴って行くつもりです。

本末転倒‼︎ 高見えリメイク‼︎

2023-09-30 22:53:00 | 日記
「明日、久しぶりに友達と会うの」


突然の来訪からの、
近況報告という名の雑談。

目の前で優雅にコーヒーをすするのは、
我が家のラスボスこと、カーチャン。


「可愛い砂糖菓子の店を見つけたから、
 素敵な箱に入れてプレゼントしたいの」

「へぇ……いいんじゃない?
 食べ終わった後も小物入れとして使えるし」

「私もそう思って、
 高見えしそうな箱を買ったのよ
 100円ショップで

100均かい

素敵さを追求しつつも、
詰めるところは詰めるんだね……


「でも、ちょっと不満が残るの
 もう少し手を加えたら、
 もっと素敵になりそうかな……って」

そう言って、カバンから箱を取り出す母。

茶色い丸型の箱は、
なかなか凝った装飾が施されています。



「そのままでも素敵だよ?
 とても100円とは思えないけれど……」

「500円以上に見せたい‼︎
 だから何とかして‼︎
 全て任せた‼︎

丸投げかよ

社長にしろ、
母親にしろ──……

どうして自分の周囲には、
こうも無茶振りしてくる輩が多いのか。

とは言え。
こういうリメイクは嫌いじゃない。


「そうだなぁ……
 箱に色を塗れば、
 更なる高見えが期待できるかも」



コストを抑えたいし、
材料も100円ショップで購入。

ジェルネイル用のマニキュアを用意して……




とりあえず、塗ってみる。

ベースは白で、
装飾部分は金色に。

んー……

中心部が少し寂しいかも。
同じく100円で買った飾りをペタリ。




どうだろう?
高級感は出たかな?

人数分を少し色を変えて用意。
アンティークな雰囲気が良い味わい。




「ほら、できたよ」

所要時間は30分ほど。
ジェルネイルはすぐに固まるから良いね。


「あら、素敵‼︎」

「100円には見えないでしょ」

「うん……素敵……
 素敵ではあるんだけど……」

「どうかした?」

「あげるのが惜しくなった」

おい


「しょうがない……
 友達には紙袋を用意しましょ」

待て

しょうがなくない‼︎
何のために作らせた⁉︎

何という本末転倒


「だって素敵なんだもの」

そういうリクエストだもの

いや、まぁ……

気に入ってくれたのなら、
それはそれで良いのだけれど……

この時間は一体、何だったのか


月と大福と、いつもの無茶振り

2023-09-30 16:48:00 | 日記
「ミルくん、突然ごめん‼︎
 無理を承知で頼みたいことがある‼︎」


お月見のための、
大福作りをしていた最中。

突然の社長からの着信。

時刻は空に月がのぼるころ。
切羽詰まった社長の様子に、
こちらまで緊張感が伝わってきます。

事故か、事件か。
どちらにしろ何かしらのトラブルでしょう。



「緊急事態ですか?
 それで、自分は一体何を──……」

「龍の怒りを鎮めてほしい」

「無理です」


通話終了。

さて、お餅が茹であがりました。
熱々のうちにアンコを入れて丸めます。

まずは粉を用意して──……


「待って‼︎
 お願い、話を聞いて‼︎」

「あーはいはい、後でね」


お餅はすぐカチカチになってしまいます。

手際のよさが大切。
さっさと作ってしまいましょう。

無茶振りに構う余裕はない


そう言えば庭に、
秋明菊が咲いていました。

ススキの代わりとして、
摘んで飾ればよかったかも。





「ミルくん〜……」

「……今夜は食い下がりますね?」

なかなか、しぶとい

とは言え。
流石に今回は無茶振りが過ぎる。

社長が相手だからと言って、
毎回わけのわからない話に
付き合うとは思わないでほしいものです。


あちち……
茹でたての餅は火傷に注意。

綺麗に丸めたら、
余分な粉は落としましょう。





「龍が祟るんだよ〜」

お前は何を言ってるんだ

仮にそれが本当だったとしても、
助けを求める相手を間違えています。


「本職をよんで対処してください」

「話だけでも聞いてよ」

「聞くだけですよ」


社長の話によると。


現場は田んぼや畑が広がる穏やかな土地。

彼らの憩いの場に昔から、
一本の低木が植っていて。

その枝が曲がりくねりながらのびて、
龍が舞うように見えたことから、
地元民から龍の化身として大切にされていると。


「まぁ、よくある話ですね
 龍に見える木とか亀に見える岩とか」

「農業を生業にしていると雨が大事だからね
 龍の信仰は昔から特に根強いんだよ」

「それで──……
 何をやらかしたんですか
 龍を怒らせたんでしょ?」

「その場所に駐車場を作る話がでてね、
 木を別の場所に移植しようとしたんだ
 そうしたら、移植に関わった作業員が、
 次々に怪我や体調不良になっちゃって」


あー……

なるほど。
それで、龍の祟りね。

おそらく偶然が重なっただけ。
季節の変わり目で体調も崩しやすいし。

噂や思い込みのせいで、
話が大きくなっているだけじゃないかな……



とりあえず形だけでもいいからさ、
 誰かがお祓いしてくれたら、
 みんな安心して落ち着くと思うんだ」

「まぁ、気持ち的な問題ならね
 セレモニー的なお祓いでも、
 効果はありそうですけれど……」

「そうか、
 やってくれるか‼︎

やらねぇよ


「ミルくんは黙ってさえいたら目力あるし、
 ファッションもシャーマン感あるから‼︎
 大丈夫、需要あるよ‼︎」

供給する気はねぇよ‼︎


「そもそも地元に寺や神社はないの⁉︎
 そっちに頼んだほうが良いでしょう⁉︎」

「なんか適当に、はぐらかされたらしいよ
 具体的には何もしてくれなかったって」

くっ……
こんな時こそ本領発揮だろうに……‼︎


「親戚からの頼みなんだ
 若いころに色々と迷惑かけたからさ……

ああ、なるほど。
そういう繋がりからの依頼なのね。

確かにそれは断りにくい。


「しょうがないな……
 根本的な解決はできませんよ」

「それでも助かるよ‼︎
 それじゃあ後日、迎えに行くから‼︎」

「あまり期待しないでくださいね」

「いやぁ……それがさ
 ちょっと話を盛っちゃったんだよ」

「え」

「細マッチョの格好良い凄腕霊能者が、
 どんな事件も解決してくれるよ、って」


ちょっとどころじゃねえ‼︎

詐欺‼︎
それは完全なる詐欺‼︎

誇張のしすぎでクレームくるレベル‼︎



「どうしよう?」

知らねぇよ
自業自得だろ


「当日、自分は極力話しませんし、
 絶対にマスクも外しませんから
 あとは社長がなんとかしてください」

自分ができるのは、
直筆の写経を用いたお焚き上げのみ。

他は知らん


「え〜……怒られちゃわない?」

「思う存分、怒られてください
 自分は一切の責任をおいませんから」

少しは反省してください


場のお清めはします。
お焚き上げもします。

ただし社長──……

お前は一度、龍に祟られろ


もし本当に龍がいるのなら、
鎮める前に軽く社長を襲ってほしい。

むしろ自分で召喚してでも、
社長に龍をけしかけたい気分です。


写経を6枚
御神酒の準備
お塩とお米の用意
社長への呪詛

やることは沢山あるけれど。

とりあえず、
大福でも齧って月を見ようか。





あー……
今宵は月が綺麗です。