秋になるとなぜかモジリアーニの絵が気になる。すべてを円で包み込むような曲線の人物画。
中でも私が好きなのが「ポーレット・ジュールダンの肖像」だ。
この絵はいくつもの楕円で構成されている。椅子に静かに腰をかけている少女の顔、目、なだらかな肩のラインから組み合わされた手の先までの形。背景のゆがんだドアと壁の腰板を結ぶと、それも、楕円の一部になっている。そして、絵を抜け出して完成するその楕円のなかに、見ている自分が内包されていることに気がつく。絵に抱かれるということ。そのことが、理屈ではなく、私を癒していく。
エコール・ド・パリのこの画家の絵には心があると思う。モジリアーニの肖像画の、瞳のないまなざしの向こうにあるものは、心のなかの情景だ。
私自身は、ことばで表現することしかできない。でも、モジリアーニの絵は、どのことばよりも深く静かに、私の心に語りかけてくるような気がする。
中でも私が好きなのが「ポーレット・ジュールダンの肖像」だ。
この絵はいくつもの楕円で構成されている。椅子に静かに腰をかけている少女の顔、目、なだらかな肩のラインから組み合わされた手の先までの形。背景のゆがんだドアと壁の腰板を結ぶと、それも、楕円の一部になっている。そして、絵を抜け出して完成するその楕円のなかに、見ている自分が内包されていることに気がつく。絵に抱かれるということ。そのことが、理屈ではなく、私を癒していく。
エコール・ド・パリのこの画家の絵には心があると思う。モジリアーニの肖像画の、瞳のないまなざしの向こうにあるものは、心のなかの情景だ。
私自身は、ことばで表現することしかできない。でも、モジリアーニの絵は、どのことばよりも深く静かに、私の心に語りかけてくるような気がする。