散歩に出かける。電車に乗って長岡天神の駅で降りる。今も昔も変らない古い商店街を歩いて行く。苺を買う。パンを買う。きゅうりを買う。ふと横道を見ると、古ぼけた建物がある。アパートだ。古いアパートに出会うと、私はいつだって立ち止まってしまう。ひび割れた石の門からそっと覗く。きれいに手入れされた庭。石畳に続く木製の扉。閉ざされた扉のその向こうを思う。
私の次の作品のタイトルは決まっている。「森陰アパートメント」。そこに、一人二人と住人が住みついて、物語が動き出して行く。
京都北白川の疎水沿いに銀月アパートメントというところがあるそうだ。70年以上もたつ古いアパートで、前は京都大学の学生の下宿屋だったらしいが、今は普通のアパートになっている。炊事場もトイレも共同で、住みにくそうなのに満室で、部屋が空くのを待っている人までいるという。
苺とパンときゅうりを抱えて、古いアパートメントに思いを馳せていた私は、いつものごとく迷子になった。一時間も歩き回ったすえ、やっと駅前の見なれた喫茶店に辿りつく。
家に帰って、ネットで銀月アパートメントを捜した。bibliomania、アトリエ箱庭、とらんぷ堂書店と散歩していった。今度は迷子にならなかった。
私の次の作品のタイトルは決まっている。「森陰アパートメント」。そこに、一人二人と住人が住みついて、物語が動き出して行く。
京都北白川の疎水沿いに銀月アパートメントというところがあるそうだ。70年以上もたつ古いアパートで、前は京都大学の学生の下宿屋だったらしいが、今は普通のアパートになっている。炊事場もトイレも共同で、住みにくそうなのに満室で、部屋が空くのを待っている人までいるという。
苺とパンときゅうりを抱えて、古いアパートメントに思いを馳せていた私は、いつものごとく迷子になった。一時間も歩き回ったすえ、やっと駅前の見なれた喫茶店に辿りつく。
家に帰って、ネットで銀月アパートメントを捜した。bibliomania、アトリエ箱庭、とらんぷ堂書店と散歩していった。今度は迷子にならなかった。