ねむたいむ

演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

ノアさんのこと

2008-07-01 | Weblog
以前「森陰アパートメント」に役者兼オカリナ奏者として出演してくれたノアさんは、kathakaliというロックバンドのボーカルをしている。そのライブを一度観てみたいとずっと思っていて、先日、それがやっと実現した。
会場は大音響で、ロックに慣れていない私は死ぬかと思ったけど、舞台のノアさんは、とても不思議で魅力的だった。
素顔のノアさんもエレガントな美青年だけど、舞台のノアさんは、それに加えて毒や凄味もあって、しなやかなベリーダンス風の踊りもささやくような歌声も、なんだか現実ではないような感じで、その両性具有のような色気に、伝説のニジンスキーのバレエ(古い映像で見ただけだけど)や法隆寺の百済観音を初めて見た時のような感動を覚えた。大音響のなかで、ノアさんの周囲だけが静寂だった。うーん、掃き溜めに鶴だ(いえ、別にその会場が掃き溜めというわけではなく、現実という掃き溜めのなかに、一羽の鶴が舞い降りてきたという意味です)。
kathakaliのオリエンタルな雰囲気の衣装も素敵だったけど、ノアさんには、クノッフやクリムトやモローといった世紀末の絵のような雰囲気がある。
その吐息のような声で、歌うように、退廃的で淫らで美しい物語を、語ってもらいたいなあと思った。
(写真はノアさん。いつもブログに写真をアップするとななめになってしまいます。どうしたらいいのかわかりません)