久留米地方はこのところずっと雨である。
山にも、ここ数日ずっと登っていない。
まったくもって暇である。
「文化センターに行こうか。」(家内)
家内が言う文化センターとは、何度かこのブログで書いたことがある《石橋文化センター》の事である。
入口にある少女像の下には、チューリップが満開であった。
毎回思う事だが、広大な敷地内にはゴミ一つ落ちていないし、花壇は季節ごとに綺麗な花が絶えることが無い。
薔薇のコレクションは見事だし、これから先はカキツバタや紫陽花もそうである。
日本庭園やブリティッシュガーデンも手入れが行き届いている。
園内を散歩するだけでも十分楽しめるのだ。
なのに入園無料とは、太っ腹すぎるではないか。
『そんなら、いくらかでも寄付してみろよ!』
と言う声が飛んでくる前に先へ進む。
今日はこれに来たのだ。
なんせチケットを貰っちゃったんでね。
私はこの範疇の小説はどうも苦手で、川端康成自体は、一冊も読んではいない。
が、無論題名ぐらいはいくつかは知っている。
今回の展示は、その小説の原稿の一部と、挿絵や表紙画の原画、美術に造詣が深かったという川端康成のコレクションの展示である。
挿絵の原画と言っても、それを描いているのは、その時代を代表するような錚々たる顔ぶれである。
美術館内は雨で見学者もほとんどなく、ほぼ貸切状態でじっくりと鑑賞できた。
美術館を出たら、雨が上がっていた。
園内を少し歩いてみた。
雨上がりの滴が、色とりどりの花々や葉に映えて清しい。
桜だ。
そうか。ここも桜が咲いてたんだ。
桜吹雪と、桜の絨毯。
もう終わりだな。
代わりにツツジがちらほらと咲き出していた。
雨もまた良しである。