高良山南側の山嶺にある明星山に登る。
途中、ジーサン、バーサンのグループに追いついた。
そのまま追い越さずに、後続することにした。
何故かと言えば、
高良山ほど明星山は登山者が多くない。
人があまり通らない山道は、クモの巣がすぐ張る。
歩いてると、何度も顔に絡みついて、鬱陶しいこと、この上ない。
私も最近はずるがしこくなってきて、人があまり通らない道は後続することにしている。
悪いが、先頭のジーサンの顔で、クモの巣を一手に引き受けてもらう事にする。
この二人の後に続いた。
ただ、虻が鬱陶しい。私やジーサン達の頭の周りを数匹の虻がブンブンとまとわりついてくる。
唐突に、中腹あたりでジーサン達が休憩した。
どうやら、その場所が休憩場所と決まってるらしい。
先頭に立ちたくない私も立ち止まった。
その時、背中にチカっと痛みが走った。
イテ!
思わず叫んだ。
間髪入れず、後ろにいたバーサンが私の背中を バシッ!
「ほら、虻やった。」(バーサン)
バーサン、瞬殺した虻を拾って私に見せる。
ど、どうも。
すると、今度は私の対面で休憩していたジーサン。
宙にこぶしを、軽やかにサッと振るや、
「こっちも捕まえた。ハハ」
ジーサンの握りこぶしの中に、アブがうごめいていた。
って、
イリュージョンかっ!
どっから捕まえてきた!!
チャラララララ~~
ポール・モーリアの『オリーブの首飾り』が脳裏に流れた。
ちゅーか、
手を噛まれると言う発想が、そもそもこのジーサンにはないらしい。
さぞかし名のあるジジイと見た。
ここの山頂は高良山と違って、展示物がやたらとある。
少しの休憩の後、私は別ルートで一人降りる事にした。
そんじゃ、お先に。
クモの巣がまとわりつくのも厭わずに一人降りる事にした。
だって
ジーサン達、凄技を持つわりには、休憩が多すぎるんだもん。
その日、バーサンの親切の甲斐もなく、私の背中は赤く硬く腫れた。
かゆ
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