瀬高に330m程の低山がある。
そんなありきたりの山に来たのは、実はひとつの目的の為である。
前を行くのは皆、目的を同じくする人々だ。
目的とはこれだ。
山の貴婦人キヌガサダケである。
これはその卵。
「あと3~4日したら出てくるじゃろ。」
とは、この山の常連の言。
ヌメヌメして気持ち悪いが、3~4日もすれば卵が割れ、あの優雅な姿が現われる。
純白のレースのドレスを身に纏う貴婦人。
他の山で見たキヌガサダケに比べ、倍以上はある立派さだ。
「立派ですね。」(私)
「何の。こいは普通たい。でかいとはまーだでかいよ。」(常連)
「ヒョエー」(家内)
盗掘が相次いでいると言う。
これを持って帰ってどうするつもりだろう。
まったく、情けない限りである。
常連さんらに別れを告げ、私達は山頂を目指す。
コクラン
目の前を何かが横切った。
「ギョギョ、マムシやぞ。子供やけど。」(私)
「ウゲ!」(家内)
そんなこんなで山頂である。
ネジバナ
山頂からは有明海が目の前に見える。
地図アプリを開くと、お手軽な縦走コースがあるようだ。
「行ってみるか。」
アップダウンを繰り返し、15分ほどで一本の桜が見えてきた。
どうやらここが山頂のようだ。
桜の他にも紫陽花等が植えられていた。
手作りの山頂標識と言い、この山が皆から愛されているのがわかる。
オカトラノオ
蒸し蒸しする暑さ。
長居しようにも、不快指数が高すぎる。
下山しよう。
キヌガサダケの他にも、山中がキノコだらけだ。
この特徴的な茸はカレエダダケというらしい。
後はどれも不明だ。
7~8m先の横枝に、黒っぽい小鳥が止まった。
生憎と鳥用レンズは持ち合わせていない。
手持ちのレンズを最大ズームで、
パシャ
ファインダーを覗いている時点では良く分からなかったが、後で拡大してみると・・・
キビタキやん!
ウエーイ\(^O^)/
参道に合流
山門
本堂
三重塔
マムシは通り過ぎただけだが、藪蚊には山ほど刺されてしまった。
これから虻や蜂も多くなる。
夏の低山。
ヤツらとの闘いが始まる。