股関節の具合が宜しく無い。
山登りとも言えぬ天山や髙良山は別にして、
長時間にわたる山登りは、6月にピンクに染まる平治岳に登って以来、全く登れていない。
家内や娘には「病院に行け!」と口酸っぱく言われているが、
どうせ、
「加齢ですがな。治らんです。ストレッチでもしなはれ。少しは和らぐ…かもね。」
そんな言葉を聞くのがオチだ。
「病院?行くもんか!」
そう不貞腐れる今日この頃である。
股関節痛の鬱陶しさに、ついついグチが長くなってしまった。
要するにこれからは、山は明確なテーマがある場合だけに絞らざるを得なくなったようだ。
ミヤマキリシマから4ヶ月半、
その明確なテーマがくじゅうに訪れた。
紅葉である。
長者原にFさん夫婦と待ち合わせて前泊。
車飲みもそこそこに就寝する。
翌日早朝、陽が昇る前に出発である。
朝焼けに由布岳の二つの耳が浮かぶ。
数日前の予報では、月末までくじゅうは⦅ぐずつく⦆となっていて、今年の紅葉登山は諦めかけていたのだが、
「明日(24日)予報が晴れに変わったよ。登る?」(私)
「登る!」(Fさん)
お互い毎日が日曜日である。
大概の予定は前日でも、どうにでもなるのだ。
鉱山道路を行く。
振り返ると雲海が広がっていた。
季節を忘れたミヤマキリシマ。
10月というのに満開である。
硫黄山が見えてきた。
スガモリ越を登りきると、
もうそこは、三俣山取り付きだ。
西峰稜線
いつもに増して沢山の人々が登っている。
考える事は誰しも同じ。
「今日を逃せば、青空の下で紅葉を拝めないかも。」
である。
西峰到着
誰が積んだのか。
神業である。
「頂上は見えてないけどあれが本峰、右のとんがりがⅣ峰。」
三俣は初めてのFさん夫婦。
髭オヤジのガイドは続く。
「鞍部に降りてから本峰までは、少し滑るとこがあるけんね。気いつけて。」
「ハーイ」
本峰とⅣ峰の間に僅かに紅葉が見える。
目的地の本峰到着だ。
ここにも。
西峰のケルンと同じ人物の作に違いない。
リンドウ
そしてこれだ。
本峰から見る大鍋小鍋の紅葉だ。
異常とも言える暑さは紅葉の色を奪い、かつまたピークにも少し早いが、
なんせ紅葉期間中、この日ぐらいしか青空は望むべくもないのだ。
青空の下で見られただけでも、丸儲けじゃないか。
山では人をして、巨岩に立たせがちである。
見られただけで儲けた気分の私達。
なんと嬉しそうな顔だろう。
アキノキリンソウ
Ⅳ峰
この日はここで折り返しである。
南峰
西峰まで戻り山飯にする。
私がまともに割り箸を割れないのは、いつもの事である。
4ヶ月半ぶりの山カップ麺を平らげたら下山だ。
下山途中、
「ウゲゲゲ」
「でも、よく見りゃ綺麗かね。」
股関節のご機嫌はと言うと、
事前に痛み止めを飲んでたせいもあってか、今のところ大した痛みは出ていない。
しばらくは様子見だ。