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Tシャツとサンダルの候

大衆食堂の作法


お昼。



家内が不在である。

こんな時は、


ここがある。

自宅から歩いて数分。

簾がトレードマークの、


ほてい食堂だ。

褪色した看板が、この店の年輪を物語る。



つぎはぎされたカウンター天板。

何故か3個も集まってしまった食塩容器。

こんな景色も、大衆食堂の調味料である。


「チャンポンお待たせー。」



では。


ズズズー



いつもの事ながら美味いの一言だ!

チャンポンを啜っていると、隣の席にサラリーマン風の40代男性が座った。

サラリーマン氏は、


「おばちゃん、焼き飯ね。それから味噌汁をラーメンスープに代えて貰っていい?」


ここでは焼き飯も、チキンライスも、ドライカレーも、添えられる汁物は全て味噌汁なのだ。



おばちゃんは、暫しの沈黙の後、


「まあ、、、よかですよ。」


おっと、新手がでたぞ。

なるほど、好手だ。


でも、分かっちゃいないね。


こんな大衆食堂では、

たとえそれがミスマッチだと思っても、添えられた味噌汁は、にっこり微笑んで啜らねば。

それが大衆食堂の作法である。



過日私が注文したチキンライスを添付しておく。

これはこれで、いい眺めではないか。


なんて、偉そうに大衆食堂論を語ってはいるが、

折角の絶品チャンポンに、ソースの雑味を加える私は、相当な無作法者ではあるけどね。
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