Tシャツとサンダルの候

足の診察に遥々歩いていく矛盾とうっかり医師。

最近、腰の筋肉にしこりがあるのに気付いた。

近所のクリニックに診せたら、大学での受診を勧められた。

ついでに、前々から痛む左の足の親指の事も紹介状を書いて貰った。

久留米大学は予約が必要との事で、すでに予約も済ませている。

いつもなら、山まで歩いて行っている時間だ。

たった、3.5kmの距離だ。

大学病院まで歩いていくことにした。

 

足が痛いから病院に行くんじゃなかったっけ?

 

 

 

まあ、いいや。

池町川。

東町の繁華街のここが起点だ。

筑後川から導水管で引かれた水が、途中から暗渠になり、突如としてここで姿を現す。

現在は役所の方で、完全に水量などが管理されているそうだ。

 

明治通りを渡り、裏通りを歩く。

いいなあ。

大好き、こんな雰囲気。

 

一度、飲みに行かなくちゃね。

久留米大空襲の戦災を生き残った、国武合名会社倉庫。

久留米絣の問屋である。

鉄製の扉が物々しい。

米屋町、細工町、呉服町、両替町など職種を現す町名が城まで続いていたが、現在は旧町名としてしか残っていない。

その通りを歩く。

細工町は記念品屋や宝石商があったりするし、呉服町はいまだに繊維関係の会社が並ぶ。

久留米市役所

 

到着

 

「親指は使いすぎですね。歩くのを控えるしかありませんな。え、ここまで歩いてきた?それを止めないと・・・」

 

おっしゃるとおりで。

 

湿布に負けることを告げると

「大丈夫です。軟膏がありますから。処方箋、出しておきます。」

 

結局、腰のしこりの方は、

「MRIで検査しないと、なんとも。」

 

今日はMRIを予約するだけとなった。

 

・・・・

診察予約した時、やってくれてないのかよ。

 

 

総合受付に戻る。

 

「江島さまーーー。5番窓口までお越しください。」

 

アナウンスがあった。

行ってみると、先ほどの担当医師から内線で連絡が入っているらしい。

 

『すいませーーん!処方箋、忘れてました!!』(担当医)

 

 

・・・あのねえ。

 

 

俺、なにしにここまで来たんだよ。

結局、MRIの予約をしただけかよ。

 

いいよ。この次で。

 

『すいませーーーん』(担当医)

 

 

 

ったく。

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