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Tシャツとサンダルの候

桜と椿と梅と


娘が帰省している。


なのに、


寝てばかりいる。

まったく、何しに帰ってきてんだか。

折しも季節外れのこの陽気である。


「おい、起きろ。どっか行くぞ。」

「どこに?」

「そうさなあ。」





耳納連山北麓吉木集落。

造園を生業とする農家が密集する地域である。

公園の駐車場に車を停め、歩く事数分。



しだれ梅畑の対面に、




河津桜と書かれた看板が無造作に置かれている。

ここから先は、無論、私有地である。

この時期、所有者の好意により、一般に開放(無料)されているのだ。






蜜蜂が春の訪れを告げる。













無料にもかかわらず、所々に休憩所まで用意されている。

我々は、この好意に感謝しながら見学すべきであろう。

ゴミを捨てるなどの、迷惑行為は厳に慎みた・・・


「あ、菓子袋が落ちとる!」(家内)


・・・ったく。



いくつかゴミを拾って帰る事に。






メジロも春を謳歌している。




不思議なのは、沢山のメジロが、沢山の河津桜の中で、この木にだけ舞っている事だ。

余程この木の蜜が美味しいらしい。








すぐ近くには久留米つばき園がある。




草野という町が好きで、季節を問わずよく訪れている。



中でもここは、この季節の定番なのだ。







その割には、いまだに品種名などチンプンカンプンではあるが。













汗が出てきた。

車に戻ろう。



さてこれからどうしよう。

おなかに聞いてみた。

胃袋は鰻を食べたいと言う。


「鰻ってのはどうだ。」(私)

「別にいいけど。」(娘)


どうせ食べるなら、あの老舗が良い。


「ひとっ走り、柳川まで行くぞ。」



ブイーーーン



晩御飯までには、少し時間がある。

柳川には梅の木街道と言うのがあると言う。



田中吉政の干拓事業の跡である慶長本土居に沿って続く梅並木である。




約1kmほどに亘り、白やピンクの梅の木が続く。









ここにも、沢山のメジロが喧しく舞っていた。





そろそろ良き時間だ。

ナビに目的地入力する為に、スマホで鰻屋の電話番号を検索してみる。


えーっと、






休みっ・・・てか。


「エーーー!!何の為に柳川くんだり迄・・・」(家内、娘)









め、面目ない。
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