雨に煙る久留米。
「あーあ、こりゃいかん。何か食べに行くか。」
「何を？ラーメンね。」
「バカいえ。こんな鬱陶しい日は・・・」
鰻だ。
うなぎの中村
この店に来るのは随分と久しぶりだ。
「こちらにどうぞ。」
二人用の個室に通された。
「ご注文は？」
「えーっとね、カリカリ」
お通しの骨せんべいを囓りながら注文したのは、
これだ。
鰻のせいろ蒸しだ。
更に強調するなら『特上』だ。
特上様には、肝吸い、サラダ、香の物の他に、鰻ざくが添えられる。
ウヒヒヒ
鰻が折り重なっちゃってるよ。
おもむろに窓を開け、右手は腰に、左手は口に当て、
「特上は折り重なってるぞ－！」
そう叫びたい気分である。
では、
モグ
ふっくらフワフワだ。
甘すぎないタレも好感が持てる。
やっぱりここを選んで正解だ。
何て満足げに頷いてると、
「オッチャン、ご飯やる。」
「あ、バカ！ご飯だけ乗せるな。鰻ば乗せんか。」
まー、そんなこんなで満腹である。
フーッ
ご馳走様でした。
