日曜日。
ちょっとした案件があり、家内と二人して、朝一番からある会社へ。
見積もりを検討し、どのような形で発注するかの打ち合わせである。
何だか久しぶりに、情報を分析し、損得を考え決断と言う、昔は散々使っていた思考回路を働かせた。
だが、脳ミソの皴など、この4年の間に、すっかり無くなってしまった私だ。
たったの小一時間程で、脳ミソは沸騰寸前である。
こんな時は、太陽の下を歩くに限る。
「あー、終わった終わった。久しぶりに晴れたけん、梅林寺にでも行くか。」
梅林寺外苑。
500本30種の梅が、今、見頃を迎えようとしている。
梅林寺本堂
梅林寺は、久留米藩藩主有馬家の菩提寺である。
赤やピンク、白の色彩が、競うように咲き乱れていた。
梅の花を楽しみながら歩いていると、
「ほらあそこ、メジロが止まっとる。あそこにも。あ、こっちにも。」(家内)
「え、どこどこ?」(私)
家内は、草花も含め、鳥や昆虫を見つけるのが実に早い。
獲物を狙う猛禽並と言っていい。
道理で凶暴な筈である。
その点、至極穏やかに出来ている私などは、それらを見つけるのが大の苦手だ。
カメラを手に持ち、右往左往している間に、
「あー、もう逃げてしもたやん。ヘタクソ。」
家内の罵声を浴びるばかりである。
目を皿のようにして、やっと撮れた一枚がこれだ。
思いっきり逆光である。
辺りは梅の香が漂い、酔ってしまいそうだ。
しだれ梅
横に這うように枝を伸ばす老梅。
「あ、ヒヨちゃんよ。あれなら撮れるやろ。」
あ、はい。
パシャリ。
ま、一応ヒヨドリね。
一本だけ花が残っていた蝋梅。
椿も。
ここの茶店でお茶を飲むのが、毎年の楽しみである。
折角の梅見だ。
「外のベンチで飲みたいんで、トレイ貸してください。」
「あー、いいですよ。私がそっちに持って行きますから。」
「お待たせしました。ケーキセットです。」
茶店と侮るなかれ。
ケーキもコーヒーも本格的だ。
実に旨い。
筑後川の河原には露天商も。
そこそこ繁盛しているみたい。
梅も堪能したし、美味しいコーヒーも飲めたし、そろそろ帰るかな。