みつばちマーサのベラルーシ音楽ブログ

ベラルーシ音楽について紹介します!

ユーロヴィジョン2017 ベラルーシ代表 Naviband

2017年05月15日 | ベラルーシ音楽全般
 2017年のユーロヴィジョン、会場はウクライナのキエフで、無事開催できるのかどうか心配の声もありましたが、大きな混乱なく行われましたね。
 混乱していたのは開催前で、ロシアの代表がウクライナから入国拒否される、つまり出場するなと言われる・・・という残念なことがありました。
 ここはベラルーシ音楽のブログなので、ロシアとウクライナの政治的などろどろは書きませんが、個人的にはロシアの車椅子の歌姫がユーロヴィジョンという大舞台に出られなかったのは残念・・・
 ウクライナ側は他の歌手をロシア代表に選び直せとか、ロシアで撮影した映像を生中継で放映しろとか提案したのですが、ロシアは拒否。ロシアの代表は出場せず、ロシア国内のテレビ中継もなし。今年からもうユーロヴィジョンに出ない、とまで言い出しているらしいです。
 悲しいですね。

 さて、ベラルーシ代表のことです。今年は初めてベラルーシ語で出場するということで、注目を集めました。代表は男女野デュオ「Naviband」です。楽曲タイトルももちろんベラルーシ語ですが、訳すと「私の人生の物語」というところですね。

 ベラルーシ語はマイナー言語なので、毎回英語訳の歌詞にした歌で参加していたのですが、ここへ来てついにベラルーシも、
「もっとベラルーシのPRをしないといけない。」
と気づいた様子。他の国と比べると独立してから時間が経っていない国(と書くと、それ以前は何もなかったのですか? と思う日本人がいるのであまりこういう表現はしたくないのだが。)なので、わざと、大きい声で「ベラルーシと言う国がヨーロッパにありますよ。」と声を大にして言わないといけないものですよ。
(ベラルーシで日本文化の紹介しているような仕事をしている人間からすると、これはよく感じます。日本でずっと住んでいる日本人は感じにくいことかもしれませんが。)
 
 おまけに今年は、ベラルーシ語の聖書が印刷されて、ちょうど500年という節目の年。
 ユーロヴィジョン2017でベラルーシ代表がベラルーシ語で歌うというのは大きい意義があることでした。

 Navibandの「私の人生の物語」のビデオはこちら
 ユーロヴィジョン2017公式サイトより。
 つまり公式プロモーション用ビデオということです。ステージでの撮影でもないし、PR用にしては地味に見えますが、私からすると、いかにもベラルーシのそのへんにありそうな森の中で、いかにもそのへんにいそうな外見のNavibandのお二人が、いかにもそのへんで売っていそうな服を着て歌っているのを見ると、いかにもベラルーシそのもの、という感じで大変よいです。

 しかもよく見ると、このビデオ、最初から最後までカットなしの一つのショットで撮影されているので、簡単そうに見えて、実は撮影するの難しかったのではないかと思います。もちろんカットが一つだけだから、細かい編集、つまり映像をたくさんつなげて得られる効果とかインパクトはないです。しかし、そのおかげで、視聴者はベラルーシの森の中で、ベラルーシ人アーティストといっしょに楽しく散策しているような気持ちになってくると言う、実はベラルーシPRとしては、秀作ビデオ映像ではないかと思います。

 ちなみに歌詞はこちら。ベラルーシ語オリジナルと英語訳が読めます。
 このユーロヴィジョンの公式サイト内の画像でも、Navibandの二人がベラルーシの民族衣装を着ているというのも、本当にマル。
 曲はもちろん、ベラルーシ民謡が下地になっているのが、二重マル。

 そしてユーロヴィジョン2017での結果ですが、ベラルーシは17位でした。全体からするとそんなにいい順位ではないですが、とにかくベラルーシ語で歌ったことに大きな意義があり、歴史に足跡を残したと思います。
 ユーロヴィジョンは日本では放映されませんが、YouTubeで見られますので、全体は長いですが、こちらをどうぞ
 ベラルーシの出場の順番は3番目で、19分40秒ごろに出てきます。

 出場直前の紹介映像も、ベラルーシらしさがあり、本当にマル。世界遺産ミール城も出てくるし、首都のミンスクも出てくるし、バランスがよいです。
 ステージでのパフォーマンスもベラルーシを前面に出した演出でしたね。
 船の形のお立ち台(笑)はプロペラないほうがよかったかもしれませんが、ベラルーシがかつて、河川貿易、つまり帆船による貿易で栄えていた時代を彷彿させ、マル。
 衣装は民族衣装ではなく、ステージ衣装でしたが、「白ロシア」をイメージさせ、マル。
 ステージ後方に浮かび上がる建築物の投影ですが、ベラルーシを代表する建物ばかり。でも、ぱっと見て、「ああ、これはあそこの教会ね。」などとすぐ分かる非ベラルーシ人のヨーロッパ人はほとんどいないと思います。
 それでも、とにかくベラルーシの建築を見せるんだ、とがんばってPRしているところがマル。(国立図書館が出てくるのはご愛嬌。)

 ベラルーシもこれぐらいやらなくちゃ! で、やってくれたので、私の中では丸印の多いベラルーシ代表でした。

 ちなみにネット上でロシア人リスナーからは、「ベラルーシ代表の歌、よかった。」という声が多かったそうですが、「でも、ベラルーシ語の歌詞はさっぱり分からんかった。」という声も。(笑)
 会場だったウクライナの人たちは、たぶん歌詞の意味、ほぼ全部分かってくれたと思います。
 (ベラルーシもウクライナもロシアも兄弟国だから、仲良くしてほしいなあ、と思います。)

 ベラルーシの歌手はロシア語でも歌えますから、ベラルーシで売れると、ロシア(モスクワ)へ行ってしまうパターンが多いです。
 日本で言うと、大阪のライブハウスで人気が出たバンドが、東京へ行ってメジャーデビューしようとするのと似た感覚です。ちがいは、大阪と東京の間に国境はないけど、ベラルーシとロシアの間には国境があるということです。

 しかし、Navibandは、これからもベラルーシで活躍してほしいなあと思います。

 これを機に来年のユーロヴィジョンでもベラルーシ語で歌うアーティストが代表に選ばれるかと言うと、そうならないように思えます。
 2017年にベラルーシ語の歌が選ばれたのは、やっぱり2017年だったからだと思います。
 そういう意味で、本当にベラルーシ人にとって大きな意義のあるユーロヴィジョン出場だったと言えるでしょう。 
 
 

 


 
 

「子守歌」収録曲「お休み、私の小さな花」

2011年11月16日 | ベラルーシ音楽全般
 ユニセフが創立60周年を記念して、ベラルーシで発表したアルバム「子守歌」
(詳しくはこちら)

http://blog.goo.ne.jp/mitsubachimasa/e/2382f78eab0d3851503dadbe252e726a


 このCDの収録曲のうちの1曲「お休み、私の小さな花」は2011年に世界文化社が出版した日本語訳の「自分と子どもを放射能から守るには」(ウラジーミル・バベンコ (著), ベラルーシ・ベルラド放射能安全研究所 (著), 今中 哲二 (監修), 辰巳 雅子 (翻訳) )の宣伝用メッセージビデオ動画の音楽として採用された。
 この動画はアマゾンのサイトで見られます。
(それにしてもトーダルの声がマーサの顔とかぶさっているというのが・・・奇跡のコラボだわ。)(^^;)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4418113185/sekaibunkacom-22


 この楽曲にはプロモーションビデオも製作されている。こちらでぜひご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=puInaA1v_SY


 ちなみにこの中で登場する山猫の役はトーダルが演じている。
 
http://blog.goo.ne.jp/mitsubachimasa/e/a30be2fc33653ace8e2b96bb780ecb09


 ベラルーシ語版「さくらさくら」を歌っているクセニヤ・ミンチャンカはヴォーカルとして登場。

 ただ歌詞の内容(子守歌)とプロモーションビデオ(ヨウ素欠乏症撲滅キャンペーン)の内容が合っていないので、ベラルーシ語が分からない人にはあまり意味が通じない。
 なのでここで解説。
 まず歌詞の意味ですが、翻訳してみました。歌詞の内容は全くヨウ素とは関係ありません。
訳したとき何だか変な感じがしたのだけれど、途中「 」をつけたらうまく通じました。
 そうか、ゆりかごを揺らす風が赤ちゃんに向かって話している(歌っている)歌なのね。

「お休み、私の小さな花
かわいい小さい子。」
なしの木の枝に下げられたゆりかごを
風がゆらしながらささやいているよ。

「お母さんは畑で穂をたばねている。
お父さんはうねをたがやしている。
お父さんは一日中働いているから
ゆりかごのそばへ来られない。

お母さんは畑で刈り入れをしているから
おまえを抱いて畑へ行けない。
お休み、私の小さな花
かわいい小さい子。

甘い夢をごらん。
ふしぎな夢をごらん。」
あどけなくほほえんだなら
楽しい夢だったということでしょう


 曲は古いベラルーシの音楽に、このアルバムに合わせて民謡風で子守歌風の歌詞をつけたものです。
 作詞はアレーシ・カモツキーさん。CD「月と日」収録曲の歌詞をロシア語からベラルーシ語に翻訳した詩人です。
 CD「月と日」について詳しくはこちら。

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/songs/index.html


 プロモーションビデオのほうの解説は・・・一言で言うと「ヨウ素をとりましょう。」です。
 ベラルーシはもとも風土病でヨウ素欠乏症が多く、チェルノブイリ原発事故後、この風土病のために甲状腺癌が急増したのです。
 今でも子どもの80%がヨウ素不足だと言われており、国をあげての「ヨウ素をとりましょう」キャンペーンを行っている国なのです。

 そのためベラルーシのユニセフはいくつも「ヨウ素をとりましょう」コマーシャルを製作し、テレビで繰り返し放映しています。
 その一環で、このプロモーションビデオが製作された、といういきさつがあります。
 手っ取り早く国民にヨウ素を摂取させるために、率先して行っている対策は、食塩に初めからヨウ素を混ぜておく、というものです。
 食塩は料理のときに使うので、知らず知らずのうちにヨウ素を摂取していることになる・・・というわけです。

 それでは順番にプロモーションビデオの解説をしましょう。
 まず 曲の最初で女性が何かしゃべっていますが、これは
「お休み、私の小さな花。かわいい小さい子。なしの木の枝に下げられたゆりかごを風がゆらしながらささやいているよ。」
と話しています。
 そして天使の登場。この天使は、未来の母親、そして今授乳中の母親のために体にいいものを探す旅に出ます。
 飛んでいった先々でいろんな人(?)に出会います。

 ここで女性ボーカルが3人出てきますが、それぞれ歌詞の1番、2番、3番・・・というふうにメインボーカルを分担しています。
 この3人は「風の精」です。つまり歌詞に出てくるゆりかごを揺らしている風の役をしています。これが歌になっています。
 登場する順にご紹介すると、ラルィサ・グルィバリョワ、タマラ・リシツカヤ、クセニヤ・ミンチャンカです。
 クセニヤちゃんはベラルーシ語版「さくらさくら」を歌っている方なので、日本人にはなじみがありますが、ラルィサ・グルィバリョワとタマラ・リシツカヤについてご紹介します。
 ラルィサ・グルィバリョワはベラルーシの音楽シーンを代表する実力派歌手。普段はロシア語で歌っています。音楽番組の司会者もしています。歌声はベラルーシの歌手によくある、「口の中に飴玉入れているだろう!」系ですね。
 デビュー当時はアイドル歌手扱いだったけど、今は継続して人気のあるベラルーシの歌手です。顔はちょっとエラ張ってるけど、カワイイよね!

 タマラ・リシツカヤも普段はロシア語で歌っている歌手。歌手以外にもタレント、司会、さらには執筆活動もしているというベラルーシでは珍しいマルチタレントです。
 もっとも「歌手でデビューしたけど、やっている中で歌が一番下手だ。」とも言われております。(^^;)
 確かにラルィサ・グルィバリョワとクセニヤちゃんの間に挟まっているとややハスキーな声が、少々下手に聞こえてしまいますけどねえ。
 私は個人的にはタマラ・リシツカヤ、好きです。
 すごいのは3人の子どもがいるママさんタレントであること。(あ、4人目も生まれたんだっけ?)
 とにかくこのまま強気でベラルーシ芸能界で活躍していただきたい。
 
 それからバックボーカルで低い声がサビの部分にかぶさっていますが、これはトーダルの声です。
 
 さて話は戻り・・・天使はどこへ行ったのでしょう?
 天使はまず塩をもらうために小人に会います。日本では小人、というと「白雪姫と7人の小人」のように森の中で暮らしているイメージがありますが、ベラルーシでは土の中に住んでいる、というイメージなのです。 
 さらにベラルーシには海がないので、塩と言えば、岩塩なのです。
 そこで地中に住んでいる小人に頼んで、岩塩を採ってもらいました。しかしこの塩にはまだヨウ素が含まれていません。
 
 次に天使が会ったのは美しくも冷たい魔法使い(女)
 その周りをターバンを巻いた男(王子様)がぐるぐる回っていますが、何と魔法使いに片思いしているのだそう。(CDについている解説による。)
 魔法使いは古い書物に書かれていた秘密、「塩にヨウ素を入れること」を天使に教えます。
 
 そこで天使は海に行き、人魚からヨウ素をもらうことにしました。このときヨウ素が入っている容器の表面に光る文字
「IOD」
が現れますが、これがベラルーシ語でいうところのヨウ素です。
 CDについている解説によるとわざわざ「海に住んでいる人魚」となっています。
 そう、海がないベラルーシでは人魚は川は湖に住んでいるものなのです。
 しかも、日本人がイメージする下半身が魚、とは限らず、ベラルーシの人魚は足があります。人魚と言うより水の妖精のようなイメージです。
 このプロモーションビデオに出てくるのも足のある人魚ですね。でもそれだとこの設定の場合、よく分からないので、髪の毛が魚の形になっています。

 さて次にベラルーシの森に住む山猫が塩にヨウ素をいれました。(というかギクシャクとした動きでかき混ぜているような・・・)
 この山猫の役をトーダルが担当しています。
 さらにうさぎが塩とヨウ素を混ぜました。
 解説によると
「この塩をぱっと見ただけでは普通の塩と変わりません。(食塩を買う前に)ヨウ素入りの塩かどうか知っておこう。」
だそうです。

 そして天使はヨウ素入りの塩を配りに行きました・・・終わり。
 ・・・って登場するこの三つ編みの女の子は誰なんだ?
 解説がありません・・・。
「このプロモーションビデオを見た人が自分自身で考えよう。」
ということなのか?
 でもうちの子にこのプロモーションビデオを見せたら
「これは未来のお母さんだ。」
と解説してくれました。
 そうか。確かにそうかもしれない。というかそういう気がしてきた。
 (でも人魚と初登場しているのはなぜ?)
 
 さて、プロモーションビデオの最後に文字が写っている画面が出てきますが、この文章を翻訳するとこうなります。
「ヨウ素入りの食塩は全ての人に大切なものです。
赤ちゃんに母乳をあげているお母さんにとっても大事なものです。
ユニセフ・グループより」

 ユニセフ・グループというのはこのアルバムを作るために結成された音楽グループのことです。このグループがこの曲を演奏したり歌ったりしています。
 このグループはこのアルバムを作るためだけに結成されたので、今はアーティストの皆さんそれぞれ自分の音楽活動をしております。

 ・・・というわけです。
 皆様、分かっていただけたでしょうか?
 でもやっぱり謎のプロモーションビデオですね。とてもきれいだけど・・・。 


映画「ベラルーシ・ロックよ永遠に」に出演しました

2009年03月29日 | ベラルーシ音楽全般
 私、ドキュメント映画「ベラルーシ・ロックよ永遠に」に出演しております。
(2008年、Global Group Company製作。シャルヘイ・イサカウ監督。ベラルーシ作品)
 なんで日本人の私が、このような映画に出演することになったのか、作品が完成した今でも分かりません。(^^;)
一応、作品中で歌を歌っていますが、日本語で「浜辺の歌」ですよ。ベラルーシのロックじゃないんだけど・・・。と言うか、私プロの歌手ではないのですが・・・。

 どうしてこんなことになったのかと言うと・・・
 私はCD「月と日」や「芭蕉の詩」といった音楽プロジェクトに関わってきたわけなのですが、そのきっかけとなったのがプロデューサーのユーリー氏なのです。
 ユーリー氏はいろいろな音楽関係の仕事をしている人なのですが、一番有名なのはベラルーシのロックフェスティバル、「ロック・カラナツィヤ」 のプロデューサーをしていること。
 「ロック・カラナツィヤ」についてはHP「ベラルーシの部屋」2006年過去ログ3月「ベラルーシ音楽コラム ロックフェスティバル2005」をご覧ください。

http://belapakoi.s1.xrea.com/logs/2006/index.html


 で、その関係でトーダルやアンナ・コロロキトナさんと出会えたわけです。
 ユーリー氏と出会えてなかったら、「月と日」も「芭蕉の詩」もこの世に生まれていなかったと思います。
 そのユーリー氏がプロデューサーとなって、ドキュメント映画「ベラルーシ・ロックよ永遠に」を製作することになったのですが、その話を聞いたのは2007年のこと。
 最初ユーリー氏から私に「出演してほしい。」という話が来たときは
「なんで私が?」
と思いました。
 でも「インタビューだけで、ベラルーシ音楽への熱い思いを語ってくれればそれでいいから。」などと言われ、承諾したわけです。

 そして撮影当日。ユーリー氏はいろいろな質問をきいてきたわけです。
 結局、日本人なのに、ベラルーシの音楽に強い興味を抱いている人がいる。ということはベラルーシ・ロックはベラルーシ人だけのものではなく、世界に開かれているものであり、大きな可能性を秘めているのだよ、という切り口にしたいわけです。
 その辺は分かっていたのですが、いきなり
「日本語で日本の歌を歌って!」
と言われたときは、「え・・・;」と思いました。それならそうと、前日に言っておいてよ・・・練習しとくのに・・・

 (詳細はまた後ほど更新します。)
 

ベラルーシミュージシャンのビデオ映像

2008年07月12日 | ベラルーシ音楽全般
 ここのところ、本業の仕事が忙しくて、自由な時間がなく、ブログの更新が滞りがちです・・・
 なので、↓この動画サイトでも見てくださいませ。
 

・・・・・・・

 ベラルーシ人ミュージシャンのプロモーションビデオやライブ映像が見たい方へ。
 サイト「ベラルーシ・ライブ」で、いろいろな動画を見ることができます。
 
 とりあえず、↓をクリックすると、見られるトーダルの動画一覧にアクセスできるようにしておきました。(うまくいかなかったらごめんなさい。)
(トーダル以外のベラルーシ人ミュージシャンの動画も、このページからアクセスできます。)

http://belarus-live.tv/component/option,com_seyret/task,videodirectlink/Itemid,18/id,1492/


 私のお勧めはクリヴィ(Kriwi)の「Za tumanam」(霧のかなたに)のPVです。(ただし、「クリヴィ」のカテゴリーは作成されておらず、「トーダル」のカテゴリーの中に分類されています。)


ベッラ・チャオ(2004年)

2008年01月07日 | ベラルーシ音楽全般
 ベラルーシのミュージシャンが集まって、イタリア語に翻訳した自作の歌を歌っているアルバム。
 トーダルがプロデューサーをしている。つまりベラルーシ語音楽をイタリア人に紹介するために作ったCD。
(日本の歌をベラルーシ人に紹介するために作った「月と日」とは、ちょっと違う。)

 「ベッラ・チャオ」という言葉はイタリア語からベラルーシ語さらに日本語に訳してみたら「お元気で」という意味になりました。マーサはイタリア語はさっぱり分からないのですが、これで合っているかな?

(詳しい内容については気長にお待ちください。)

「Personal depeche Belarusian on tribute」(2002年)

2007年12月28日 | ベラルーシ音楽全般
 ベラルーシ語ミュージシャンたちが、ベラルーシの音楽を世界に広めようと、英語で歌っている曲を集めたアルバム。
 このためにトーダルが英語の作品「I want you now」を書き下ろした。

 訳したら、「今、君がほしい」だよ、これ。
 おおっと。きっと、セクシーな曲に違いない、と期待して聴いたマーサであった。
 しかし! 聴いてみたら、全然セクシーじゃなかった! ちょっとがっかり・・・(^^;)

 他の収録作品のほうを聴きましょう。



(詳しい内容については気長にお待ちください。)

「聖なる夜」(1999年)

2007年12月21日 | ベラルーシ音楽全般
 もうすぐクリスマスですねえ。
 というわけでクリスマスソングがテーマです。

 日本人の皆様、何でもいいので日本語でクリスマス・ソングを歌ってみてください・・・と言われたら、どんな歌を歌いますか?
「ジングルベル」「きよしこの夜」「赤鼻のトナカイ」「もろ人こぞりて」「サンタが町にやってくる」・・・たくさん出てきますね。
 日本はキリスト教徒が多いわけでもないのに、どうしてこんなにたくさん知っているのでしょう?
 何と言っても歌詞が日本語に翻訳されているから・・・これが理由の一つでしょう。

 では次に日本に比べると圧倒的にキリスト教徒が多い国、ベラルーシで「クリスマス・ソングを歌ってみてください。」とベラルーシ人に言ったら、どうなるでしょう?
 ベラルーシ語だろうがロシア語だろうが、ほとんどの人が「知らない。」「歌えない。」「お正月の歌なら歌えるけど・・・。」と答えます。
 私は日本語だけど「ジングルベル」「きよしこの夜」「赤鼻のトナカイ」などの歌を日本語でベラルーシ人に歌って聞かせたことがあります。しかし、誰からも
「ああ、この歌、メロディーなら知ってる!」
と言われませんでした・・・。日本だけじゃなく他の国々でもよく歌われている歌ばかりなのに・・・。
 一体全体これはどうしたことなのでしょう?
 
 その理由はソ連時代、ベラルーシは宗教が禁止されていたため、クリスマスソングをはじめとする、賛美歌が歌われなくなり、また教えられなくなったからなのです。
 独立後、宗教は解禁され、
「うちの子は教会の賛美歌隊に入っていて、宗教曲をたくさん知ってますよ。」
という人もいます。
 しかし、一般ベラルーシ人には気軽にみんなで歌えるクリスマスソングは、まだまだ復活していません。
 日本だと、別にキリスト教徒が多いわけでもないのに、街中でジングルベルが鳴り響いているような時期でも、ベラルーシの商店のBGMにこのような定番クリスマスソングが使われているのを、私は聴いたことがありません。(イギリスの歌手たちが歌っている「ラスト・クリスマス」などならオリジナルが、ラジオから流れてきたりしますけど。)

 母国語で歌えるクリスマスソングが存在しない、これは由々しき事態である・・・と思ったのかどうか分かりませんが、1999年にベラルーシのミュージシャンが集まって製作したCDがこれ。「聖なる夜」です。
 「きよしこの夜」や「ジングルベル」「アヴェ・マリヤ」をベラルーシ語に訳した曲のほか、ベラルーシ・ミュージシャンのオリジナル・クリスマスソングも収録されています。
 メンバーは・・・
「クリヴィ」(トーダルがメンバーだったグループ)
リャボン・ボリスキー(「N.R.M.」(ハードロックグループ)「クラムバンブリャ」(お笑いソング)のリーダー)
「パラーツ」(これもトーダルがメンバーだったグループ)、
アリャクサンドル・パミードラウ(ラッパー。「月と日」収録曲「茶摘み」でラップ部分を担当した人。)
「ネイロ・ジュベリ」(パンク・ロック) 
 そしてかわいらしい子どもシンガーのお二人。(もう今は高校生ぐらいになっていると思うけど。)

 ちなみに当時クリヴィのメンバーだったトーダルはこのCDによって初めて公開されたベラルーシ語版「きよしこの夜」の編曲とボーカル、そして シューベルト作曲の「アヴェ・マリヤ」のベラルーシ語版の編曲を担当したほか、
「新しいベラルーシ語のクリスマスソングを我らがベラルーシ民族に!」
という企画のもと「めぐみの夜、聖なる夜」「神の子イエスが生まれた」という曲の作曲もしています。
 また他のアーティストが作った歌にバックコーラスとして参加もしています。

 ラッパーのパミドーラウさんが作詞作曲したクリスマスソング「クリスマスの奇跡」は、やっぱりラップです。歌詞はちゃんとクリスマスソングなのですが、ラップのクリスマスソング(しかもベラルーシ語)というのは、なかなか聞けないでしょうね。

 「ジングルベル」はパラーツがベラルーシ語訳を作り、以前自分たちが作ったアルバムに収録されていたのですが、「聖なる夜」に追加収録されました。
 ♪ ジングルベ~ル ジングルベ~ル ・・・の部分がベラルーシ語だと、どう変わってしまうのかがおもしろいんですが・・・。
 たねを明かせば、こうなります。
 ♪ ズボン ズビニ~ツィ ズボン ズビニ~ツィ (^▽^;)

 このようにベラルーシ語音楽の普及に尽力している、ミュージシャンの方々には敬意を表したいですよ。
 ベラルーシ語で歌うクリスマスソングが、ベラルーシ人の間で定着すればいいな、と思います。(ある意味、歴史的な足跡を残すCDですね、これは。)

「Narodny Albom」(1997年)

2007年12月10日 | ベラルーシ音楽全般
 画家のミハル・アネムパドィスタウがベラルーシ語ミュージシャンに呼びかけ、製作した合作アルバム。
 トーダルも参加しているが、なぜかあまり目立っていない。

 ミハル・アネムパドィスタウはトーダル&WZ-オルキエストラの「月と日」の解説を書いてくれた人。
 画家なので、多くのベラルーシミュージシャンのCDジャケットデザインを手がけている。トーダルの作品で言うと「薔薇と踊るタンゴ」「長い引き出しの歌」「LIRYKA」など。
 ちなみに「月と日」のジャケットデザインを担当したのはミハル・アネムパドィスタウの奥さんでデザイナーのアレーナ・ダシケビッチさんである。
 
 ミハルさんは歌手じゃないのに、このアルバムでは歌まで歌っている。
 ある意味すごいベラルーシ人だ。 
 

(内容については気長にお待ちください。)

「僕はここで生まれた」(2000年)

2007年12月07日 | ベラルーシ音楽全般
 ベラルーシ語ミュージシャンが勢ぞろいし、共同で作成したアルバム。
 アルバムタイトルにもなっている「僕はここで生まれた」のボーカルをトーダルが担当した結果、この曲がウルトラ・スーパー・ミラクル・ホームラン級大ヒット。
 トーダルが歌っている曲の中で、一番有名で、人気のある曲になる。



(内容についてはしばらくお待ちください。)

ヒット1ダース2006

2007年09月06日 | ベラルーシ音楽全般
 この記事についてカテゴリーを「ベラルーシ音楽全般」にするか「トーダル」にするか迷ったのですが、前者のほうに入れることにしました。

 「ヒット1ダース」というのは、一言で言うとベラルーシにある音楽サイトです。ベラルーシ語音楽について、サイト上のMP3で視聴してもらい、期間を区切ってリスナーから投票してもらいます。
 バーチャル方式でヒットチャートを一般リスナーから決めてもらうわけです。
 そして過去1年分の結果を集計して、上位12曲に入った曲をCD「ベラルーシポップス・ヒット1ダース」にして販売しています。さらに30曲はMP3で、同じCDに収録されます。
 つまり1枚のCDで1年分42曲のヒット曲が聴けるわけです。

 最初に発売されたのがヒット1ダース2005で、2006年度版はまだ2枚目なのですが、このヒット1ダースシリーズを聴けば、ベラルーシ語音楽の歴史が分かるようになっています。
 「ヒット1ダース」のサイトはこちらです。

http://music.fromby.net/

(マーサもこのサイトの音楽ニュースをよくチェックしているのですが、全てベラルーシ語表記のみです。)

 さて、2005年にトーダルが発表した日本の歌をベラルーシ語でカバーしたCD「月と日」の収録曲のうち、ヒット1ダースでノミネートされた「村祭」は投票数を集め、同年秋では1位にランクインしました。

 ヒット1ダースで「村祭」が投票されていたときの経緯はHP「ベラルーシの部屋」過去ログ2005年10月と12月の「ベラルーシ語音楽ヒットチャートに『村祭』が!」をご覧下さい。
 日本からも投票を呼びかけたりして、楽しかったねえ。

http://belapakoi.s1.xrea.com/logs/2005/010.html


http://belapakoi.s1.xrea.com/logs/2005/012.html


 そして、2005年秋のヒット曲「村祭」はめでたくも「ヒット1ダース2006」に収録されることになったのです。
 CD12曲のほうではなくMP3のほうに収録されたのが、ちと残念ですが、でも30曲目のトリなのです!
 それに日本の歌が「ベラルーシポップス・ヒット1ダース 2006」に選ばれるなんて、もちろん史上初めてのことで、ベラルーシの音楽の歴史に足跡を永遠に残したことになりますよ。
 ばんざ~い!
 やった~!

 ・・・とただ喜ぶのはまだ早い。
 実はいろいろあったのです・・・。
 この「ベラルーシポップス・ヒット1ダース2006」を初めて手にしたときは、私も「村祭が入ってる! ばんざ~い! やった~!」
 と思いましたよ。
 しかし、その後、開けてよくよく見てびっくり。
 CDジャケットに各曲について詳しい説明が印刷されていますが、「村祭」の説明は日本語に訳すとこうなっていたのです。

<30.トーダル&WZ-オルキエストラ「村祭」(Z.バイツュシュケビッチ/民謡、A.カモツキー翻訳)> 

 解説すると・・・「Z.バイツュシュケビッチ」というのはトーダルの本名です。A.カモツキーというのは「月と日」収録曲の日本の歌の歌詞をロシア語からベラルーシ語に翻訳してくれた人です。 
 CD「月と日」については、こちらで詳しく紹介されているので参考にしてください。

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/songs/index.html


 私が「ええっ?」と思ったのは、どこにもこれが「日本の歌」と表記されていないこと。
 ちなみにMP3の1曲目に収録されているアレクサンドラ&コンスタンチンの「アヒルはどこにいたの?」の説明はこうなっています。

<(民謡、アレクサンドラ&コンスタンチン編曲)>

 この曲はベラルーシ民謡です。(タイトルからしてそうだ。)
 つまり、ベラルーシ音楽界ではCDに曲の説明を表記するとき、ただ「民謡」とする場合は、全て「ベラルーシ民謡」である、という暗黙の了解があるのです。
 ベラルーシ民謡以外の民謡は「ロシア民謡」とか「ウクライナ民謡」とか表記するわけです。

 ということは「村祭」について単に「民謡」とだけ説明すると、このCDを買ったベラルーシ人で、「月と日」のことを知らない人は「村祭」のことをベラルーシ民謡だと思ってしまうのです。
 だのに、「A.カモツキー翻訳」ということはベラルーシ民謡をベラルーシ語からベラルーシ語へカモツキーが翻訳したのか? ということになり、さらに民謡なのにZ.バイツュシュケビッチを作曲者扱いにしているとはどういうことなのか? ということにもなるのです。

 要するにこの説明じゃ、CDを買った人は訳がよく分からなくなる、ということなのです。
 そして日本人のマーサからすれば「日本の歌」と書いていないのが、非常に不満。
 「ヒット1ダース」に文句を言おうかと思ったのですが、言ったところで、魔法のように全てのCDの説明が訂正されるわけではないし、新聞の「おわびと訂正」欄のようにはなりません。
 もうこのCDを買ってしまった人もいっぱいいるし・・・。

 で、あきらめようかと思ったのですが、3日経っても、不満が収まらなかったので、ヒット1ダースに「ヒット1ダース2006に対するクレーム」という件名のメールを送りました。
(生まれて初めてこんなメール送ったぞ。しかもロシア語で書いた。)
 ・・・『村祭』を収録してくれて、どうもありがとう。しかしこのような説明では、ベラルーシ人リスナーにとっても不可解だし、日本人の作者に対する尊敬の念だって、どこにも表現されてないじゃないですか。云々・・・といった内容の苦情のメールだったのですが、数時間後にはその返事が来ました。(早い・・・!)

 ヒット1ダースからの返答はこうでした。
「・・・あなたの言い分はもっともです。すみませんでした。もし、このCDの発売元であるウエストレコード社が再リリースする場合は、正しく印刷し直します。とりあえずこのCDの公式サイト上での説明は訂正しましたので、見てください。・・・」

 「ベラルーシポップス・ヒット1ダース2006」の公式サイトはこちらです。(ただしベラルーシ語表記のみ。) 

http://music.fromby.net/cd/premjer_2006.html


 このページをほとんどそのまま印刷してCDジャケットにしているのですが、このサイト上では「村祭」の説明はこのように訂正してあります。

<30.トーダル&WZ-オルキエストラ「村祭」(日本の歌、民謡/Z.バイツュシュケビッチ編曲、A.カモツキー、M.タツミ翻訳)>

 「日本の歌、民謡」というのが何だか変だけど、ずいぶん正しくなりましたね。
 おかげでだいぶ気持ちが晴れました。思い切って苦情メールを送ってよかった!
 ウエストレコード社が再リリースする可能性は、こういうシリーズものCDの場合は、非常に少ないので、期待してませんが、もしかすると将来訂正版「ベラルーシポップス・ヒット1ダース2006」が販売されるかもしれません。

 文句をいろいろ書いたけど、「ヒット1ダース2006」を聴けば、ベラルーシ音楽シーンのことがよく分かりますよ。
 「村祭」以外にもトーダルの2006年ヒット曲「道」も入っているし、パラーツとか、リャボンとかの常連が変わらずがんばっているのが分かるし、最近目立ってきたIQ48やTav.Mauzerも聴けるし、若手がぞくぞく登場しているのも興味深い・・・ということで、おすすめのCDではありますよ。
 ジャンルもアルバムタイトルはポップスとあるけど、ロックあり、バラードあり、ラップあり、民謡あり、とバラエティーに富んでいます。

 ちなみにこのCDをPCに入れると12人のミュージシャンの画像と紹介(紹介はベラルーシ語)を見ることができます。
 でもこの中に入ってるトーダルの画像は「道」の作詞者であるニャクリャーエウさんの詩中登場人物になりきったような格好で写っていて、めちゃくちゃ老けて見えるのでマーサは嫌いなのだ。
 それより、パラーツのリーダー、ハメンカさんの画像を見て、うほほ~い♪と思いましたよ。(彼のファンなのだよ。) 

(MP3のほう、うまくウインドウズ・メディア・プレイヤーで再生できなかった方は、iTunesで再生してみてください。)

 ちなみに、このCDジャケットにデザインされているモノは「缶切り」です。
 CDそのものには金属製の蓋が印刷されていて、この缶切りで、音楽の缶詰の蓋を開けよう!ということであるらしい。