ベラルーシの詩人シャルヘイ・ジャルハイの詩「広島」をベラルーシ語から日本語に今回翻訳しましたのでこのブログ上で発表したいと思います。
・・・・・・・
広島
石の廃墟の上で
永遠に
君の姿は戻らない
死と苦しみの
広島。
灰は
混乱を生き埋めにし、
そして、安寧は見つからず
私たちの心の底で澱となる。
広島。
私たちは愛し、忘れない
私たちは探し続け、望みを捨てない
私たちは信じ、支えよう。
私たちは支えよう
広島を。
一分、
黙祷の一分で哀悼を捧げよう
起こったことを思い出しながら・・・
ほんのわずかな時間であっても、
広島に。
兵器による永遠の静寂、
世界の黙祷
記憶を讃えよう
君の犠牲を
広島の。
いつか時が来る。
春、花が世界中に咲く時が
そして、再生し復活する。
君の静かな栄光が
広島の。
(翻訳:辰巳雅子 Пераклад: Масако Тацуми, 2020)
引用先 Дзяргай С. Чатыры стыхіі, Мастацкая літаратура, Мінск, 1988, ст. 39-40
・・・・・・・
Хірасіма
На каменні руін тваіх
Адвіты
На вечныя векі
Смерць і пакуты,
Хірасіма.
Попел жывы
Поўніць бязмежжа
І, не знаходзячы спакою,
Асядае ў нашіх сэрцах,
Хірасіма.
Мы любім і помнім,
Мы шукаем і спадзяемся,
Мы верым і змагаемся.
Змагаемся,
Хірасіма.
Адна хвіліна,
Хвіліна жалобнага маўчання
У памяць таго, што было, –
Гэта вельмі мала,
Хірасіма.
Вечным маўчаннем гармат,
Цішынёй вечнага міру
Ушануем памяць
Ахвар тваіх,
Хірасіма.
Прыйдзе час:
Ўся зямля будзе ў веснім цвеце
І адродзіцца, уваскрэсене
Ціхая слава твая,
Хірасіма.
1957 г.
・・・・・
シャルヘイ・ジャルハイ(1907-1980)によるベラルーシ語原詩はこちらの電子図書サイトでも読むことができます。
1行目の「石の廃墟」というのは原爆ドームのことだと思います。
私の同僚の図書館司書の話によれば、作者のシャルヘイ・ジャルハイはベラルーシで特別有名でも人気のある詩人というわけではないそうです。ミンスク生まれミンスク育ちで文芸雑誌の編集長をしながら、ロシア語やポーランド語の詩をベラルーシ語に訳したという功績のある人です。
おそらく来日したこともなく、広島に何かゆかりのある人だとも思えません。
そうであるにも関わらず「広島」という題名の詩を書いたのはなぜなのでしょう。
それはやはり、反戦、反核、そして平和を願う強い気持ちから、この作品を書いたのではないでしょうか。
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広島
石の廃墟の上で
永遠に
君の姿は戻らない
死と苦しみの
広島。
灰は
混乱を生き埋めにし、
そして、安寧は見つからず
私たちの心の底で澱となる。
広島。
私たちは愛し、忘れない
私たちは探し続け、望みを捨てない
私たちは信じ、支えよう。
私たちは支えよう
広島を。
一分、
黙祷の一分で哀悼を捧げよう
起こったことを思い出しながら・・・
ほんのわずかな時間であっても、
広島に。
兵器による永遠の静寂、
世界の黙祷
記憶を讃えよう
君の犠牲を
広島の。
いつか時が来る。
春、花が世界中に咲く時が
そして、再生し復活する。
君の静かな栄光が
広島の。
(翻訳:辰巳雅子 Пераклад: Масако Тацуми, 2020)
引用先 Дзяргай С. Чатыры стыхіі, Мастацкая літаратура, Мінск, 1988, ст. 39-40
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Хірасіма
На каменні руін тваіх
Адвіты
На вечныя векі
Смерць і пакуты,
Хірасіма.
Попел жывы
Поўніць бязмежжа
І, не знаходзячы спакою,
Асядае ў нашіх сэрцах,
Хірасіма.
Мы любім і помнім,
Мы шукаем і спадзяемся,
Мы верым і змагаемся.
Змагаемся,
Хірасіма.
Адна хвіліна,
Хвіліна жалобнага маўчання
У памяць таго, што было, –
Гэта вельмі мала,
Хірасіма.
Вечным маўчаннем гармат,
Цішынёй вечнага міру
Ушануем памяць
Ахвар тваіх,
Хірасіма.
Прыйдзе час:
Ўся зямля будзе ў веснім цвеце
І адродзіцца, уваскрэсене
Ціхая слава твая,
Хірасіма.
1957 г.
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シャルヘイ・ジャルハイ(1907-1980)によるベラルーシ語原詩はこちらの電子図書サイトでも読むことができます。
1行目の「石の廃墟」というのは原爆ドームのことだと思います。
私の同僚の図書館司書の話によれば、作者のシャルヘイ・ジャルハイはベラルーシで特別有名でも人気のある詩人というわけではないそうです。ミンスク生まれミンスク育ちで文芸雑誌の編集長をしながら、ロシア語やポーランド語の詩をベラルーシ語に訳したという功績のある人です。
おそらく来日したこともなく、広島に何かゆかりのある人だとも思えません。
そうであるにも関わらず「広島」という題名の詩を書いたのはなぜなのでしょう。
それはやはり、反戦、反核、そして平和を願う強い気持ちから、この作品を書いたのではないでしょうか。