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小松左京「見知らぬ明日」知ってますか?

2021-02-20 19:33:40 | 日々雑感
本棚を整理していたら一冊の文庫本に目が留まり、一気に読み終えてしまった。
小松左京の原作で昭和51年八版となっているから、実に40年ぶりの再会で
幾ばくかの記憶はあるものの細部はほとんど覚えていない状態だったので、結構新鮮に読めた。
内容は中国ウイグル地区に始まった地球外侵略者との戦いを起点とする、日本人新聞記者と世界の首脳たちの令和の今と変わらない自国主義をからめたSFだが
小松左京氏らしい多岐にわたる知見をちりばめ、「日本沈没」に勝るとも劣らない傑作です。
それをなぜこのブログに載せたのかと言えば、本文と解説に記されていた2点はぜひとも今の時代の人にも知って頂きたかったからです。
一つは本文終章に近い所にある、人間の残虐性で
チンギスハーン率いるモンゴル民族は隊長の身内が戦闘で死んだ場合は、征服した国の女子供を問わず虐殺して恐れられた。
大航海時代の西欧侵略者はカトリック教会の「インディオは人間ではない」との託宣を得て武器らしい武器を持たないアステカ・インカ・マヤ等の人々と文明を殺戮破壊した、免疫を持たない人々の通り道に「天然痘死者」の衣服をぶら下げて大量殺りくを実行した。
さらに時代は過ぎてもアフリカの奴隷狩りに携わった欧米人は、家畜以下の扱いで船に積み込み、鎖でつなぎ鞭打って働かせた。
人類が皮膚の色・言語・習慣に関わらず同じ人間であるとの認識が確立されたのは第二次世界大戦の後であり今でも完全に普及したとは言えない。
もう一つは解説した武者小路公秀氏の
「宇宙人の侵略」を環境汚染・資源問題・人口問題・食糧問題の危機に置き換えてみるという読み方がある。
そうすると、今日と変わらない明日がまた来ると信じ込んでいるものが
はたしてそうか、人類は存続を許されるのか、「見知らぬ明日」が始まりつつあるのではないかと、そういうメッセージとしてとらえる事が出来るかもしれない。
この二つをつなげると、人間とは・・・酷い生き物だ・・・と思わずにはいられません。
だって40年以上前に書かれた内容と全然変わってないし、むしろ悪化の極みと言っても良いくらいです。
果たして人類の繁栄はあと一万年も持つかどうか。


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