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小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(64)&CG合成

2008-10-04 16:10:09 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(64)&CG合成

「此れは!・・こんなライフルとチャカは見た事がありませんな」。京平は警部に手袋を渡した。すると警部は手袋をするとライフルを手にして構えた。そして置くと銃を持った。
「これは凄い、特注で作らせた物ですな。それで弾は?・・・」。
「ええ、銃弾は別の所にあります。もし泥棒でも入って万が一の事があると大変ですからね。銃だけでしたら怖くありませんから」。
「なるほど、それで何処で此れを?・・」。
京平は銃の入社経路を総て話した。そしてじっと顔を見た。
「ではあの亀石峠の三人が殺し屋だと言うんですか?・・・」。
「間違いないでしょう、しかし、大浜の二人を撃った銃弾のライフルマークと九州や大坂で要人を狙撃したライフルマークが一致しなかったと言う事は、僕等が使ってないこのライフルの可能性もあります。また、三人の外にも居るって事も」。
「なるほどね、しかし奥さんがこのライフルを扱うとは信じられませんな。では軽井沢ではこの消音器を使って狙撃したんですな」。
「ええ、二人で七発。それ以上無駄弾は撃っていません。二人とも二百メートルの距離なら絶対に外しませんよ」。
「に、二百メートルですか!・・紺野夫婦に睨まれたら終わりって事ですか。それだけこのライフルの性能が良いって事にもなりますが。それで弾薬が無くなったら」。
「僕は火薬取り扱いの免許もありますし、僕も美保も銃砲の免許を持っていますから弾は自分で作れます」。
「奥さんも猟銃の免許を取ったんですか。凄い夫婦ですな」。
「はい、この間の試験で一回で受かったんです。今年は家族で猟に行くんです。お義父さんが猟銃を買ってくれるそうです」。
美保は嬉しそうに言うと急須を差し向けた。そして京平の隣に座ると手袋をして、あっと言う間に銃を分解して組み立てた。
「此れは素早いですな」
京平は笑いながら立ち上がると地下室に降りて行くと直ぐに戻って来た。そして手には札束が握られていた。
「警部、私達の仲間になった証にこれを貰ってくれませんか」。
「こ、此れは。ひ~、ふ~、み~、よ~、一千万。こんな物を貰わなくてももう共犯ですよ。まあ信用して貰う為には頂きますかな。金は幾らあっても邪魔にはならんですから」。
「そうですよ、娘さん時期結婚なんでしょう。良かったね」。
「どうしてそんな事まで知ってるんです。そうか、聞く方が野暮ですな」。
「警部さん、ほんと言うとね。京平さん警部を仲間にしたくて仕方なかったんですよ。それで調べさせて貰ったの。
まさかこんな事になるとは思わなかったから。警部は人一倍犯罪を憎んでいますよね、そう言う人なら私達のしている事を分かってくれると思ったんです」。
「美保の言う通りです。悪い事をして儲けている奴から金を頂いて困っている所へ回す。なあ美保」。その話に警部の眉が釣りあがった
「待って下さい、じゃああのユニセフとアフリカや福祉施設に寄付したのは」「ええ、ユキワリ草。僕らの名称です」。
「なるほどね、三団体で確か五億四千万。思い切った事しますな。署内でもああでもないこうでもないって噂していたんです。紺野さんでしたか」。
「ええ、じゃあ遅くなると小森さんが心配しますから戻りますか」。
「そうですな、しかし此れはどうやって持っていこうかね」。
「うん、だったら私が預かって。明日の朝お土産の中に入れて渡します。小森さんとは袋を別々にしますから」。
そして京平はブリーフケースを綴じると密閉し、地下室に閉まった。そして別荘を出ると途中の土産店に寄った。そして二人の土産にワサビや野沢菜、ワインなど、山ほど買うとペンションに戻った。
美保は部屋に行くと現金を新聞紙で包んで黒いビニール袋に入れた。袋の底に入れ、土産で隠して部屋を出た。
そして喫茶室で京平と話している警部に届けた。
「警部さん、此れお土産です。小森さんのもありますからどうぞ」。美保は何もなかったように名前を入れて二人に渡した。
「いや、此れは済みませんな。お土産まで頂いて。警察官たる者こう言う物は頂けないんですが。小森、せっかくだから良いか」。
「そうですね叔父さん。奥さん済みません」。
その晩、刑事を交えて歓談は盛りあった。三河警部補が扱った事件や間抜けな犯人の話しなど、両親も笑いが溢れていた。
そして十時を過ぎると部屋に戻った。美保と京平は風呂に入るとベッドに入った。「でも驚いたよ、警部が大浜で僕の会社のバッヂを拾っていたなんてさ。でも力強い見方が加わった」。
「本当ね、まさか現役の警部から殺しの依頼が来るとは思わなかったわね。やっぱり警察でもどうにもならない悪っているのね」。
「それはいるさ。美保、今度のターゲットは策を練らないで直接狙った方が良いかも知れないな」。
「うん、私もそう思う。変に策を要して電話したら警戒して引き篭もる恐れがあるものね。場所を設定したら一発で仕留めよう」。
二人はそんな会話をしながらどちらともなく抱き合い、愛し合った。
翌日、朝からカラット晴れた秋晴れだった。
日差しが眩しいほど窓から射していた。そんな中、泊まり客の朝食は庭のテラスに出され、パラソルの下で食べていた。そこには男二人で食事をしている三河警部と小森刑事の姿もあった。
京平と美保は客に食事を出し終えると、二人のテーブルに着いた
「いや~っいい温泉ですな。まさかペンションに温泉があるとは思いませんでしたよ。それに食事も美味いです」。
「有り難うございます。警部、近い内に静岡へ遊びに行きますよ」。
「そうですか、その時は是非電話を下さい」。
小森は妙に親しくなった叔父の三河警部を見て不思議に思っていたに違いない、京平と三河の顔を交互に見ていた。
そして、食事を済ませた二人は手荷物と土産の入った袋を下げ、九時には静岡へ帰って行った。
「三河警部は本気なのかしら?・・・」。美保はぼそっと言った。
「警部はマジだから大丈夫だよ、もし引っ掛けだったら夕べ別荘で交わした会話を聞かせるから」。
「えっ、夕べの会話を録音していたの」?
「念のために録音させてもらった。余りにも話が唐突だったからさ、用心に越した事はないからね」。
「流石ね京平さん。それで静岡へはいつ行くの?・・・」。
「警部が調べた堂元の日課を調べてから決めよう」
NO-64-52

小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(63)&CG合成

2008-10-04 16:07:51 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(63)&CG合成

「見なかったよね、そんな荷物を背負ってたら私でも気が付くもの」。
「そうですか、あの転落事故の現場とは離れていますから、事件性もない事故ですから関係ないと思いますが、どうも何か引っ掛かりましてね」。
「何かってなんです?・・・それよりその医者が何をしたんです。こんな所まで業々調べに来るんですから、それなりに大きな事件なんでしょう。訊くだけ聞いて後は隠すって警察のやり方ですか」。
「適いませんな紺野さんには、まあ良いでしょう。あの吉原医師は麻酔薬のバルビタールを横流ししていましてね。その上覚醒剤にも手を出していた事が調べで分かったんです。その矢先でした」。
「そうですか。じゃあ大浜で取引しようとしていたと言う相手は・・・」
「いいえ、今となっては死人に口なしです。ですからこの転落事故も何者かの手でと思ったんですが。不注意に因る事故でした。所で、伊豆の事と大浜の事で何か思い出された事はあのませんか?・・・」。
京平も美保も黙って首を振った。
二人の刑事は揃えたように腕を組み、真一文字の唇からフ~ッと溜息を吐いた。
「全く、こんなに目撃者や犯人の遺留品がない事件も珍しいです。紺野さん、これは私の勘なんですがね。亀石峠の交通事故と大浜の殺人、どうも繋がっているような気がしてならないんです。
距離的には離れている事件と事故なんですがね。それからね、軽井沢の大量殺人事件は鮮やか過ぎるんです。素人の出来る仕事ではない気がするんです。この間お邪魔した時に紺野さんに言われました。
機関銃でもなければ一度に七人は殺せないって。でも機関銃では音を聞かれてしまいます。だとすれば、七人の狙撃手が一度にライフルを発射させたら音は一度だけです。
観光客は暑さで窓を締め切ってクーラーを効かせていますからね。音は聞いても微かな音です。どうですこの推理は」?
「それじゃあゴルゴ13んだ。インターネットのCIAなんかのサイトには自動小銃にも消音器が着けられるそうですよ。
でも警察は宿泊客を全員調べたんでしょう。それに有料道路を入る車も。それで犯人らしい車や人はいなかったんですか?・・・ゴルゴ13は?・・・」。
美保はクスクス笑いながら聞いていた。
「これは参りましたなゴルゴ13ですか。ええ。確かに大浜で射殺された弾は九州で狙撃された要人の弾とにていますが、ライフルマークが違うんです」。
「なにライフルマークって?・・・」。美保は身を乗り出した。
すると三河警部は得意そうな顔をしてペンを取ると広告を見付けると裏に図を書いても美保の前に差し出した。そして説明していた。
そこへ母がお茶とお菓子をもって入って来た。
「なんか今日はにこやかね。美保さんの笑い声がしたりして。遅くなってごめんなさい。どうぞお茶でも」。母良江は美保にトレーを渡すと出て行った。
「紺野さんトイレをお借り出来ませんか」。
「はい、自分も行きますからどうぞ」。
京平は席を立つと三河警部と応接間を出た。そしてトイレに行くと並んで用を足していた。そして手を洗うと「紺野さん」。と呼び止めた。そして庭に出た。
するとポケットから一枚の写真を出して京平に渡した。人相の悪い初老の男が写っていた。良く見ると隠し撮りしたような写真だった。
「紺野さん、此の写真の男は堂元勝雄56才、とんでもない男でしてね。恐喝揺すりたかり、人身売買となんでもする男です。この男はその昔検事をしていました。
そして弁護士になって事務所を起こしたんです。落検です。そして三年で廃業して今は用心棒を二人抱えて一人で動く一匹狼です。
検事や弁護士時代に入手した個人の秘密を種に金品を威し取るハイエナみたいな男です。この男を片付けて欲しいんです」。
京平はその一言に唖然とした。そして背中が凍るおもいになった。そして覚悟して答えた。「分かりました、知っていたんでか?・・・」。
「ええ、でも私だけです。あの大浜で貴方は会社のバッヂを落としたでしょう。私が拾って捨てました」。
「そうでしたか、じゃあ軽井沢の件も僕だと?・・・」。
「ええ、何があったかなんて事は詮索しません。それはそれ。こちらも仕事ですから一応調べませんとね。この男は警察でも手に負えないんです。
決してボロを出さない。被害者も告訴しても直ぐに撤回してしまう。威しが凄まじいようでしてね。ですから、思い切って貴方にお願いする事にしたんです。軽井沢は奥さんと二人でやったんですね」。
「ええ、妻は自分より腕は上です。決して外しませんよ」。
「そうですか、紺野さんより上ですか。それは怖いですな、国体に出られる腕の貴方より上だとは。やり方場所はお任せします。それから此れが堂元の一週間の日課です。まず変化はありません」。
そう言うと内ポケットから封筒を出して京平に渡した。京平は見る事もなく二つに折るとポケットにしまった。
「京平さん、刑事さん。何話しているの、お茶が冷めちゃうよ」。美保が戻って来ない二人を庭に見付けると声を掛けた。
京平は美保を呼んだ。そして三河警部からの依頼を告げた。
「え~っ、警部さんも人が悪いね。任せてゴルゴ13だから、ウフッ・・・」。
美保はあっけらかんとして驚きもしなかった。
「奥さんには参りましたな、え~っ、アッハハハハ・・・」。
「でも警部さん、いつ何処でやるか話しませんよ。その方がお互いに良いでしょう。ねえ京平さん」。
「その方が良いと思う。でも何か変わった事があったら知らせて下さい」。
「ええ勿論です。その方は任せて下さい。では戻ってお茶を御馳走になりますか。それから部屋は空いていますかな」。
「はい、ございます。御宿泊有り難うございます。ウフッ・・・なんか嬉しくなっちゃった。警部さんが仲間なんてさ」。
「宜しくお願いします。夫婦のスナイパーさん、アッハハハハ・・・」。
「所で小森刑事と言う人はどんな人です?・・・」。
「小森は私の兄の息子で甥です。でもこの事は話してありません」。
「そうですか、それでいつも一緒だったんですか。詳しい話しを聞きたいですか」?
「ええ、どんな訳があってこうなったか聞きたいですな」。
そして二人の刑事は宿泊の手続きを済ませ、部屋へ案内した。そしてその晩、仕事を終えた京平と美保は小森刑事を残して出掛けた。
そして三河警部を別荘へ案内したのだった。
着くと警部は呆然とロッジを見ていた。
「此れは凄い別荘ですな、ここは紺野さんの別荘ですか」?
「ええ、親友と家族以外の人を連れて来た事はありません。どうぞ」。そして中へ入ると美保はお茶の支度をした。
京平は地下室にいくと密閉された予備のライフルと銃を入れたブリーフケースを持って来た。そして鍵を明けて開いた。NO-63