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サブリミナル・(美しい子悪魔)・第二章・NO-(19)&CG
娘にも非があるからと犯人に温情の心で接する事が出来ますか?・・・」
「そ・・・」
それは刑事だから出来ると言うんですか!そんなの人の親では無いし人間ではありません!」と言葉を制して南は声を高ぶらせた。
「確かに冷静ではいられないでしょうな。お父上は殺害されたそうですね」と突然口にした。村井は初めて聞いて驚いた様に南を見た。
「そんな事は仕事と関係ありません。今日来た本当の意味は何です?・・・」
「ホテル殺人事件の件です。彼女は殺していないんですか?・・・」
「アッハハハ・・・何を言い出すかと思ったら、そんな事を私が話すとお思いですか、これから公判が始まるんですよ。お帰り下さい」
「失礼しました、もう一つ、藤井綾子さんは間違い無く無実なんですね」
ウフッ・・・南は笑いながらコーヒーを持つと一口飲んで置いた。
「警部さんも法廷に居ましたよね。裁判長の判決をお聞きになった筈です。私から改めてお話する事はありません」。
「分かりました、ご馳走様でした。お休みの所を突然お邪魔して申し訳ありませんでした」。と二人はコーヒーを飲み干した。
「いいえ、今後この様なお話の訪問はご遠慮下さい」。と玄関まで送った。
二人は車に乗り込み、軽く頭を下げると帰った。
「あの殺しが緊急避難とは驚きましたね」
「いや、早乙女弁護士の考えは的を得ている。藤井綾子は殺していなかったら殺されていただろうからな」。
「エ~ッ・・・警部はまだ彼女が犯人だと信じているんですか?・・・」
「ああ、彼女に間違いない・・・」と腕を組んで夕暮れの空を見詰めていた。
こうして事件から一月経った三月二十一日火曜日。東京地裁第245法廷で近藤貴雄を刺殺した容疑で綾乃は殺人罪で裁かれる事になった。
綾乃の弁護人席には早乙女南が一人、そして検察官席には後藤則雄検事が自信満々の顔をして、反っくり返って座っていた。
早乙女は検察官の用意した証人席に視線を移した。ホテルの従業員、そして近藤貴雄の友人、そして科学捜査研究所の技官、まだまだいた。
そんな早乙女弁護士を後藤検事は流し目で見るとほくそ笑んでいた。
早乙女は首を右に倒すと、ニヤッと微笑んだ。
そこへ女性の監視に連れられた綾乃が被告人席に来た。綾乃は早乙女を見た。
早乙女は二度三度と頷くと、綾乃は安心したように腰を降ろした。
そして、右陪席、左陪席と入り、裁判長が席に着いて裁判は始められた。
綾乃は宣誓した、嘘は言わないと。
そして裁判長が聞いた。裁判長から人定質問があった。
綾乃は生年月日と名前に住所、職業を聞かれ、影山綾乃かと聞かれた。
頷きながら「はい」と答え。「職業は現在無職です」。と明るく答えた。
そして検察側から起訴状が朗読された。
そして求釈明は簡単にやり過ごし。罪状認否にはいった。
「私は殺してなんかいません、私にはアリバイがあります。刑事さん達は聞いてくれませんでした。私はあの日、新宿の映画館にいました。無実です」。
すると法廷は騒然とした。
「嘘を言うんじゃない、貴様!・・・」と、大声を上げたのは刑事だった。
コンコンッと木槌が鳴らされた。
「静止句に、貴方は法廷を侮辱するんですか。外に出なさい」と刑事は法廷から出されてしまった。
後藤検事の顔は見る間に蒼白し、そわそわと落ち着かない様子で早乙女弁護士を睨みつけているのだった。
そして、裁判長は右陪席と左陪席と話し合い、検察官と弁護士を呼んだ。
「新しい供述です。弁護人は知っていたのですか」。裁判長は困った様に見た。「済みません裁判長、依頼人からの裁っての頼みで公表しませんでした。但し、取り調べでは話したそうです、しかし、、取り調べの刑事は嘘だと決め付けて話を聞いてくれなかったそうです。検察官はどうです」。
と、早乙女南は様見なさいと、言った感じで検察官を見た。
「検察官、被告がああ言っているいじょう、このまま法廷を続ける事は出来ません。良く調べてからにして下さい。本日は休廷にします。
次回公判は一週間後、それで宜しいですな」。
早乙女南は「しかるべく」と言うと、検察官は「しかるべく」と頭を下げた。
そして閉廷となった。
早乙女が法廷を出ると、廊下には検事と津浪警部が激怒した様に睨んでいた。
「あらっ、そんな顔をして凄んでも私には何の意味もなくてよ。公判は一週間後。まあ、起訴を取り下げるのね。では失礼、検事さん、刑事さん」。
早乙女南はスタスタと裁判所を出て行った。
「なんなんだあの態度は。津浪君、被告が映画を見ていたなんて供述調書には一行も載っとらんぞ。あの女弁護士も言っていたが被告は取調べ中に話したそうじゃないか、映画を観に行っていた事を」。
後藤検事は周りには聞こえない程の声で重く鋭い口調で刑事を責めた。
NO-19-18
娘にも非があるからと犯人に温情の心で接する事が出来ますか?・・・」
「そ・・・」
それは刑事だから出来ると言うんですか!そんなの人の親では無いし人間ではありません!」と言葉を制して南は声を高ぶらせた。
「確かに冷静ではいられないでしょうな。お父上は殺害されたそうですね」と突然口にした。村井は初めて聞いて驚いた様に南を見た。
「そんな事は仕事と関係ありません。今日来た本当の意味は何です?・・・」
「ホテル殺人事件の件です。彼女は殺していないんですか?・・・」
「アッハハハ・・・何を言い出すかと思ったら、そんな事を私が話すとお思いですか、これから公判が始まるんですよ。お帰り下さい」
「失礼しました、もう一つ、藤井綾子さんは間違い無く無実なんですね」
ウフッ・・・南は笑いながらコーヒーを持つと一口飲んで置いた。
「警部さんも法廷に居ましたよね。裁判長の判決をお聞きになった筈です。私から改めてお話する事はありません」。
「分かりました、ご馳走様でした。お休みの所を突然お邪魔して申し訳ありませんでした」。と二人はコーヒーを飲み干した。
「いいえ、今後この様なお話の訪問はご遠慮下さい」。と玄関まで送った。
二人は車に乗り込み、軽く頭を下げると帰った。
「あの殺しが緊急避難とは驚きましたね」
「いや、早乙女弁護士の考えは的を得ている。藤井綾子は殺していなかったら殺されていただろうからな」。
「エ~ッ・・・警部はまだ彼女が犯人だと信じているんですか?・・・」
「ああ、彼女に間違いない・・・」と腕を組んで夕暮れの空を見詰めていた。
こうして事件から一月経った三月二十一日火曜日。東京地裁第245法廷で近藤貴雄を刺殺した容疑で綾乃は殺人罪で裁かれる事になった。
綾乃の弁護人席には早乙女南が一人、そして検察官席には後藤則雄検事が自信満々の顔をして、反っくり返って座っていた。
早乙女は検察官の用意した証人席に視線を移した。ホテルの従業員、そして近藤貴雄の友人、そして科学捜査研究所の技官、まだまだいた。
そんな早乙女弁護士を後藤検事は流し目で見るとほくそ笑んでいた。
早乙女は首を右に倒すと、ニヤッと微笑んだ。
そこへ女性の監視に連れられた綾乃が被告人席に来た。綾乃は早乙女を見た。
早乙女は二度三度と頷くと、綾乃は安心したように腰を降ろした。
そして、右陪席、左陪席と入り、裁判長が席に着いて裁判は始められた。
綾乃は宣誓した、嘘は言わないと。
そして裁判長が聞いた。裁判長から人定質問があった。
綾乃は生年月日と名前に住所、職業を聞かれ、影山綾乃かと聞かれた。
頷きながら「はい」と答え。「職業は現在無職です」。と明るく答えた。
そして検察側から起訴状が朗読された。
そして求釈明は簡単にやり過ごし。罪状認否にはいった。
「私は殺してなんかいません、私にはアリバイがあります。刑事さん達は聞いてくれませんでした。私はあの日、新宿の映画館にいました。無実です」。
すると法廷は騒然とした。
「嘘を言うんじゃない、貴様!・・・」と、大声を上げたのは刑事だった。
コンコンッと木槌が鳴らされた。
「静止句に、貴方は法廷を侮辱するんですか。外に出なさい」と刑事は法廷から出されてしまった。
後藤検事の顔は見る間に蒼白し、そわそわと落ち着かない様子で早乙女弁護士を睨みつけているのだった。
そして、裁判長は右陪席と左陪席と話し合い、検察官と弁護士を呼んだ。
「新しい供述です。弁護人は知っていたのですか」。裁判長は困った様に見た。「済みません裁判長、依頼人からの裁っての頼みで公表しませんでした。但し、取り調べでは話したそうです、しかし、、取り調べの刑事は嘘だと決め付けて話を聞いてくれなかったそうです。検察官はどうです」。
と、早乙女南は様見なさいと、言った感じで検察官を見た。
「検察官、被告がああ言っているいじょう、このまま法廷を続ける事は出来ません。良く調べてからにして下さい。本日は休廷にします。
次回公判は一週間後、それで宜しいですな」。
早乙女南は「しかるべく」と言うと、検察官は「しかるべく」と頭を下げた。
そして閉廷となった。
早乙女が法廷を出ると、廊下には検事と津浪警部が激怒した様に睨んでいた。
「あらっ、そんな顔をして凄んでも私には何の意味もなくてよ。公判は一週間後。まあ、起訴を取り下げるのね。では失礼、検事さん、刑事さん」。
早乙女南はスタスタと裁判所を出て行った。
「なんなんだあの態度は。津浪君、被告が映画を見ていたなんて供述調書には一行も載っとらんぞ。あの女弁護士も言っていたが被告は取調べ中に話したそうじゃないか、映画を観に行っていた事を」。
後藤検事は周りには聞こえない程の声で重く鋭い口調で刑事を責めた。
NO-19-18
いつもながら素晴らしいですね。
デザインも自分ですべて考えられるんですよね?
無い頭を絞って何とか自分で考えています。
もう、そろそろ出尽くした感じです。良いアイデアありましたら宜しくです。
こんにちは、ブルーハートさん、
何時も観て頂いて有難う御座います。一言が嬉しいです。