96歳義父の葬儀から一週間。
あまりにも突然だったせいか、
泣いている暇もなかったのですが、
一度だけ、夫と二人で泣きました。
葬儀の日の朝、
夫が見せてくれた原稿用紙には、
義父の歌と推敲の跡がびっしり。
晩年の義父は、短歌が1番の楽しみで、
歌会や同人誌の編集などで
忙しくしておりました。
義父は、芸術家肌の人でした。
そもそもが、ボンボン育ち。
戦後、大学進学のため、上京が決まると、
妹(私の大好きな叔母)に全てを押しつけ、
二度と故郷で暮らすことはありませんでした。
義母とは故郷で知り合ったそうです。
東京生まれの東京育ちの義母は、
戦災で焼け出され、本家のある故郷に疎開していました。
でも、東京に戻りたくてたまらなかったのでしょう。
東京大好きの二人は、すぐに意気投合。
東京で結婚すると、
義父は、ささやかな出版社を始めます。
(↑出版を始めるところが信州人だね)
もちろん、苦労知らずのボンボンに
会社経営などできるはずもなく、失敗。
新婚のアパートは天井まで返本の山だったそうです。
面倒な後始末をしてくれたのは
祖父だったとのこと・・・
その後は、やはり祖父の紹介で💦
サラリーマン生活を続けます。
時は、高度成長期・・・
ついにはバブル。
わたしの父もですが、
経費は使い放題、接待で飲み歩いていた時代・・・
サラリーマンには良い時代でした。
義父は、もともとが文学青年なので、
美しいものが大好きで、趣味も多彩。
音楽鑑賞(ワーグナーをよく聴いていた)
絵画(観るのも描くのも)、彫刻鑑賞、読書・・・
そして、ゴルフ。
見るからに温厚そうな人で、
実際普段はそうなのですが・・・
「超ドッカン級マイペース」ゆえ、
いざとなると、面倒事からは逃げる人だと、
敷地内別居をして、わたしは身にしみました。
・・・悪口になっちゃいそうなので、
このへんで、話を元に戻します💦
さて、夫が渡してくれた義父の原稿。
同人誌に掲載された歌だけでなく、
他にもたくさん・・・
それが、望郷の歌ばかりなのです。
夫と二人で読みながら、
涙があふれてきました。
「おとうさんは、松本に帰りたかったんだね」
と言えば、夫も目を真っ赤にして
小さく頷きます。
元気だった頃は、全然帰らなかったくせに・・・
祖父母の介護や実家の面倒事は
全て妹(叔母)任せなばかりか
祖父母の見舞いすら、ろくにしなかったのです・・・
それでも、最期は故郷だったんだなぁ・・・
望郷の念。
推敲の跡が残る原稿は、
ペンや筆と一緒に棺へ納めました。
「たらちねの母買ひくれし奴凧(ヤッコダコ)
松本城の広場であげぬ」
📷 冒頭画像は2021年11月撮影の松本城です。
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おつきあいいただき、どうもありがとうございます。
世界中に「優しい風が吹きますように」
お義父さま、故郷に帰りたかったんですね🥲
その気持ち、分かる気がします。
前はそんなに思い出さなかった故郷も、年々懐かしく思い出され、私も帰りたくなる時があります😅
これも年かな?^^;
素敵な歌を残されたんですね。
ぴあ野さんご夫婦に読んで貰えて、きっと喜ばれてるでしょうね👐
今日は久しぶりの晴れ☀️
ぴあ野さんもお疲れ出ませんように、ゆっくりお過ごしくださいね☺️🍀🍀
( chami)
お義父さまの色々な面を改めてお知りになり、ご主人様も感慨無量だったでしょうね。
本を愛しゴルフを愛し、きっとご夫婦仲良しでいらしたのでしょうね。望郷の念もおありでしたでしょうが、お好きな事を楽しまれお幸せな人生だったと思います。
色々大変でお疲れだと思いますので、くれぐれもご自愛下さいませ。 なおとも
悲しいですが、大往生だと😊
その歳まで生きてくれて。
とにかく
まだまだ疲れが
出るかも知れないので、
体調だけには気をつけて
無理し過ぎないよう
過ごして下さいね☺️
お互いステキな一日に
なりますように☆★☆
テル
ああ、chamiさんも、故郷を離れていらっしゃいますもんね~
わたしは、転居転勤は別として、
ずっと生まれ育った土地で生きてきたので、
そこがよくわかっていないのかもしれません。
感謝しなければいけませんね・・・
もっとも、育った実家は処分したので、戻ることはできませんが・・・
いずれ、義父は帰りたがっていたふるさとへ戻ります。
義父のことだから、やっぱり東京がいい・・・なんてあの世で想うかもしれませんがw
chamiさん、全国的に今日は寒いようですね。
どうぞ、お気を付けてお過ごし下さいね❣
義父の歌に、夫も想うところはあったようです。
義両親は夫婦仲良く・・・だったのかどうかはわかりません・・・
仲が良いというより、あの年齢になって、ひとりにされるのが怖かったのかもしれませんが
義父は、義母を献身的に世話していました。
それが命を縮めたように思います。
わたしは、自分の健康第一で、過ごしています。
ありがとうございました。
おっしゃる通り!
義父が元気な頃、よく夫に
「その年齢まで両親が元気で揃っているなんて幸せよ」と言っていました。
大往生だと私も思っています。
テルさんは、お仕事もおありのなか、
いろいろ手続きや事務仕事など、お大変だったと思います。
年末にかけても、お忙しそうですものね、
どうぞ、お気を付けてお過ごし下さいね!
親鸞、道元、あの情熱の人日蓮さえもそうでした。
親鸞は、帰郷して30年も生きてしましましたが、
道元は帰郷して間もなく、日蓮は結局帰郷できず、
池上で力つきました。
私はどうなりますかね。第二の故郷松本かな?
大宗教者ですら望郷の念があるわけですから
凡人の義父が駆られるのは当然ですね。
わたしは、ずっと故郷にいますが
実家は既にないので、どうなるのかな・・・
syuu さんは、第二の故郷・松本!?
それも良いかもしれませんね~❣