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「酒井駒子展 みみをすますように」へ

2021-08-21 | おでかけ
おはようございます。
本日は、久しぶりの美術展についてのおしゃべり、
どうぞ、おつきあいくださいませ。



出かけたのは、横須賀美術館
「酒井駒子展~みみをすますように」でした。

ワクチン接種から半月以上、抗体のできたであろう私達、
オリパラの影響が少なさそうなをとき狙い、車で県内を移動。
もちろん、ゆめ油断することなく、十分に気を配っての鑑賞です。

開館と同時に入館したせいか、広々とした館内は、ゆったり・・・
他人様を気にすることなく、のんびりと見学できました♫


(図録も素敵、素敵~!買って大正解♫)


絵本作家の酒井駒子(1966年生まれ)さん・・・

絵本には疎いので、
大好きな荻原規子さんの「RDG」(レッドデータガール)はじめ、
岩瀬成子さんや石井睦美さんの著作の表紙で知りました。




それだけに・・・
デビュー作から最新作まで20冊以上の絵本から選ばれた
200点以上の原画に圧倒されてしまいました。

その見せ方も、素晴らしいのです。

「ある日」「ひみつ」「こみち」「はらっぱ」「こども」「くらやみ」と
分けられたエリアに置かれるのは、杉材のぬくもりあるケースだったり、
柱だったり・・・そこに絵が展示されています。

また、時折、酒井さんの、ご愛用らしい、小さなおもちゃもありました。



圧巻だったのは、
酒井さんのアトリエ周辺をイメージしたというエリア(撮影不可)・・・
きらきら光る木洩れ日、小鳥のさえずりが・・・感じられるのです。

・・・コロナ禍、ずっと、ずっとガマンして・・・
でも焦がれていた、森や光り、風の中。
この場に立てただけで幸せだと、胸がいっぱいになりました。



酒井さんの作品は「静謐さをたたえた美しい絵と
詩的で思索的な文との響き合い」に誰もが魅了される・・・と
高い評価を受けています。

本当にその通りで・・・

絵と、添えられた言葉に向き合っていると・・・
小さな子どもや動物が笑っていながら
その奥にある、哀しみやさびさがうかがえるようで・・・



子どもの頃って、いろいろなことが楽しくて、キラキラしている毎日・・・
・・・のようでいて、実は、不安も抱えていた気がします。
経験が少ない分、わからないことだらけで、あたりまえなのですが・・・

大人になると、わかってしまうからこその不安を抱えてしまう・・・
もちろん、先が見えない分、どんどん怖いことも増えてしまって・・・
口に出せないだけに、心が重くなってしまいがち・・・

だからこそ、作品に惹きつけられていたのかもしれません。



とりわけ、絵は酒井さんで、文を湯本香樹実さんという絵本
『くまとやまねこ』(河出書房新社)。
原画を観ていて涙が止らなくなってしまいました。

(この本は近所の書店で買うつもり!)

デビュー当時の色彩にあふれた原画も素敵なのですが、
今の私は、『くまとやまねこ』のような黒地の絵が好きかなぁ・・・。

まず、画用紙や段ボールに黒い絵の具を下塗りして、
その上にお描きになるそうです。

 

横須賀美術館は、正直、アクセスは良くありません。
それでも、酒井駒子・作品を本当にお好きなのだろうな、という方々が
静かに見学していらして・・・

久しぶりの美術展。
絵の声に「みみをすますように」して
「静謐」なひとときを過ごすことができました。


・・・毎日、更新されるコロナの脅威に潰されそうですが・・・
ほんのいっとき、日常から離れたことで、
また頑張れそうな気がしています。

本日も、おつきあいいただき、どうもありがとうございました。

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