今回は、私が生まれた街を通る、都会の中のローカル線の話です。全線横浜市内にも関わらず、利用者が非常に少なく、鶴見駅以外全て無人駅です。沿線は、住宅地もありますが、ほとんど京浜工業地帯の中で、工場ばかりで、大規模なコリアンタウンがあったりします。
横浜に出るにも、東京に出るにも、鶴見で乗り換えが必要で、意外と不便な、立地です。
ほとんどが、埋め立て地で、新日鉄など、大規模な工場があり、昭和50年くらいまでは、公害が酷く、環境は日本一悪い地域でした。
住宅地も密集して、火事などの災害に弱く、私の幼い時も、街が無くなる程の火災が起きました。
そんな鶴見線は、鶴見駅から、終点の扇町まで、工場勤務の方の通勤電車として機能しています。
本数は少なく、起点の鶴見駅以外は、全て無人駅です。
特に支線の大川支線は、昼間は、8時間電車が無くて、沿線に民家も全くありません。
もうひとつの、芝浦支線は、東芝の工場にしか行けない特殊な支線です。終点の海芝浦駅は、ホームの横がすぐに海で、駅が工場の入口に直結しているので、東芝の関係者以外は、駅を出る事が出来ないという驚異的な駅です。終電を逃すと、歩いても帰れません。
ホームの端に芝浦公園という場所があり、そこだけ立ち入りが出来て、首都高速湾岸線の鶴見つばさ橋がよく見えるので、黄昏れるのに、うってつけです。夏の山下公園の花火や、元旦の初日の出もよく見えます。
何も無い事が美しい、それが鶴見駅です。