邸宅を見学させてもらいましたが、ここは現在はレストランとして経営されています。
2002年にオープン以降、隠れ家的存在だったようですが、ミシュランガイド東京版リリース以降、毎年星を取っていることでも有名です。
大江戸線が2000年に全線開通し、ここは若松河田駅河田口から数10mと言う好アクセスですが、多分、大江戸線が開業しなかったらオープンしなかったかも・・・。
さて、前の記事では邸内見学でしたが、食事もしっかり頂きました。
スペイン様式の建築物なので、スペイン料理なのですが、生ハムとかパエリアのようなバルで頂くようなフードではなく、今日頂いたのはしっかりしたコース。
コースは料理6皿にデザート2皿。
タパスにスープ、サラダに卵料理などをしっかり押さえ、メインもしっかり魚と肉があって、デザートは何故か2皿あります。
まずは最初の一皿。
「とうもろこしのスープ フォアグラ ピキージョピーマンのアイスクリーム最中」です。
デカいパックンチョかと思った・・・w。
その中身はピーマンとチーズのアイスクリーム。
甘みはほとんどなく、冷たさの後のチーズのさわやかな後口が印象的。
とうもろこしのスープの下にはフォアグラのムース。
うむ、これは美味い。
とうもろこしの甘さがしっかりしたとろみのあるスープも美味しいですが、その後さらに濃厚なフォアグラが追い打ち。
パンは2種類。
皿に注ぐだけで香りが漂うオリーブオイルが美味です。
続いてはサラダ。
「グリーンガスパチョ 平貝 アルガンオイル レモンのアクセント」。
薄切りでまるまっているのはセロリの薄切り、グリーントマトやぶどうをあしらい、緑色野菜で作ったガスパチョを目の前で回しかけてくれます。
平貝はセロリの下に仕込まれており、ホタテのような甘さ。
グリーンの香りの中に唯一存在する海の幸。
絶妙なバランス感と取り合わせですね。
続いての前菜。
「高原たまご ブラックキヌア トリュフソース」。
白い泡は生ハム「ハモンイベリコ」のエスプーマ。
その上にハモンイベリコのチップを散らしています。
「ブラックキヌア」はスーパーフードと呼ばれる南米原産の栄養豊かな穀物。
「卵を崩してお召し上がりください」とのことで、卵黄・エスプーマ・キヌアを混ぜて頂きます。
う、美味ーい!
卵黄の濃さ、トリュフの薫りに、生ハムのほのかな風味と塩分、そしてキヌアの食感。
それぞれが役割を持ちつつ、渾然一体な旨さが口の中で広がります。
卵とトリュフの相性は言わずもがなですが、そこにハモンイベリコをこんな感じで調和させるとは・・・。
パンで残った卵やソースも残さず頂きましたw。
続いては「シガーラのアロスカルドソ バジリコとしその香り」。
イタリアンで言うところの「プリモピアット」ですね。
「アロスカルドソ」とはイタリアンで言うならリゾットみたいですが、スペインなのでパエリアの一種なのでしょうか・・・?
「シガーラ」は手長海老のことで、スープにも手長海老の旨味がしっかり。
周りにはバジリコのソースをあしらい、エビの旨味の染みた少し芯が残ったお米に、ぷりぷりのエビの身の食感が心地よいです。
そしてメインの魚料理。
「パパダをまとった真ごち 花ズッキーニと粒マスタード」
ほくほくの真ごちの身も美味しいですが、花ズッキーニも初めて食べました。
大きくなりかけのズッキーニってことなのですかね。
飲み物はワインを頂いていますが、水も注いでもらおうと思ってグラスを見ると・・・。
足にハートが浮かんでいます。
水をそいでもらうとガラスのリンゴが浮かびました。
これは演出ではなく、この席でのたまたまの光の加減と思いますが、ちょっと嬉しいですね。
そして、メインの肉料理。
「イベリコプルマの備長炭焼き ロメスコのボンボン ミニしろ菜 アモンティリャードソース」。
「アモンティリャード」とはシェリー酒の一種。
少し甘いソースが炭火で香ばしく焼いた肉によく合います。
レアに近い焼き上がりですが適度な弾力がある柔らかさ、肉の繊維もしっかりしながら硬さがない美味しいお肉です。
「ロメスコ」とはアーモンドを使ったソースとのこと。
少し甘さがあるので、「アモンティリャードソース」にさらに甘さを重ねる格好ですが、甘すぎることもなくいい感じの味わいです。
ところで、こちらが今日頂いたワインのラベル。
すっきり系の白、とろっとしたしっかり系の白、そしてテンプラニーリョを使ったワインを選んでもらいました。
結果、どれも外れなく、どころかかなり美味しかったです。
楽しかったコース料理も終盤。
まずはデザート一皿目。
「巨峰のグラニテ 冬瓜のコンポート 白ワインのジュレ」です。
巨峰のグラニテが口の中をさっぱりさせてくれますね。
なるほど、これがデザート2皿の理由ですか。
そうなると2皿目は・・・
「エキゾチックフルーツのテクスチャー バナナ・シナモンのシガレット 花の香り」。
シャーベットやアイスクリーム、フルーツのソースの合わせ盛りに、バナナとシナモンをパイ皮で巻いてあげたお菓子でしょうか。
冷たいアイスも良いですが、パリパリでバナナとシナモンの香り高いシガレットも良いアクセントです。
最後にコーヒーが出てきましたが、そこでもお茶菓子がついてきました。
一皿一皿の量は少ないのですが、皿の数が多くパンもお代わりOKなので、ボリューム的にもかなり満足できました。
かつ、途中途中で書いた通り、どれも満足度の高い一皿ばかり。
もちろん、値段もそれなりにしますが、府に気の良さも含めて何かの記念等に使う価値は十分に有りと思います。
今年はミシュランガイド掲載店に二度行きましたが、「クチーナ・シゲ」「カタヤマ」ともにリーズナブル価格の「ビブグルマン」のお店でした。
ミシュランガイドリリース当初からある、価格もまあまあするお店はちょっと久しぶりかもしれません。
そのようなお店にはそんなにしょっちゅう行くわけにもいきませんが、今後は記念日等でもう少し利用してみても良いかなあと思っています。
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