紋次郎と日々の出来事

骨肉腫と闘った紋次郎と保護犬の正次郎との日々

忘れない為に(PartⅥ)

2008年04月13日 20時29分58秒 | 父のこと
お父さんが横になると同時に、隣にあった翌週入院予定のための準備していたものの中から大き目のタオルを取り出し、お父さんの頭の下に引いた。
気がつくと、犬の紋次郎が見に来ていた。これは遺憾と、紋次郎を隣の部屋に連れて行こうと追いかけた。今思うとこのときにお父さんの意識はなくなったのだと思う。
隣の部屋に犬の紋次郎と連れて行くのと入れ替わりに母と姪がお父さんのそばにいった。私もすぐに駆けつけて・・・驚いた

痙攣していた・・・

母はただひたすら背中をさすっていた。私はうつ伏せになっているお父さんを「上を向いて!!お父さん!!」っと母と一緒に仰向けにさせた。そのときのお父さんの顔は・・表現できないけど意識はなかった。
姪が悲鳴を上げる。私は「お父さん!!口をあけて!!息を吸って!!」っと指をお父さんの口の中に押し込もうとした
(これは子供のころ、近くで救急車が止まり、私より幼い男の子が口先にガーゼを巻いた割り箸が入っていて、後日それは何か??と質問したところ、ひきつけを起こすと舌をかむからその予防だっときいてそれを思い出して舌をかまないように手を入れようとした)
すごい力で歯が閉じている。何とか口を開けようとする。姪は「大パパ!息を吸って!口を開けて!!」っと泣きながら叫んでいた。母はひたすら胸を無言でさすっていた。姉はどこかに電話をしていた

本当になかなか口を空けてくれなかった。親指には歯型がしばらく残ったほど。でも口を空けてくれたと思ったら・・舌が出てきた。そうしたら口にあれだけ力が入っていたのにふーーーっと抜けていって口が開いた。
母は人工呼吸をしだした。
姉が病院に電話をしながら来た。チアノーゼが出ています!!。そうか、あの首の紫色はチアノーゼだったんだ。聞いたことがある。このとき思った
「自発呼吸がありますか?」の問いに姉はお父さんの口に手を当て「あります!!」と答えた。母はこの間ずっと口から空気を送っていた
私はこの間、あまりの現実に目を向けられず一度その場をたった。どこへ行ったのか覚えがないのだけど、受け入れられなかった

自発呼吸があるときは人工呼吸をしないで気道をまっすぐにするように。との事でタオルを何枚もあてて首をまっすぐにしようと試みた。
姪が「救急車!!」を連発。号泣だった

忘れない為に(PartⅤ)

2008年04月13日 15時48分21秒 | 父のこと
久々の更新となりました。 桜も散りかけ、青い葉が出てきています。お父さんは
それほど桜に興味はなかったものの、すこし寂しくなりますね・・


トイレから出てくるといきなり「暑い!!」っと言いながらみんなのいる四畳半の部屋に体操すわりで座り込んでしまった。とても調子が悪そうだった
座った場所は丁度ガスファンヒーターがあたる場所でしたが、それでも私たちにとって暑すぎることはなく、ちょっと寒いくらいの温度でした。
姉が「暑いか?そんなことないよね」といいつつファインヒーターを消そうとした間もお父さんはなぜか「暑い!暑い!苦しい」と連呼していました。
そして「この部屋は暑すぎる!!」っと言って違う部屋に行きました。その部屋は普段使っていないお父さんが一番気に入っている日ごろ日本間と私たちが呼んでいる客間に走っていきました。後を追いかけると、入り口に座り込みました。
私が近寄ると「背中をたたいてくれ」っというので、後ろに回り背中をたたきました。息が出来ない、苦しい。肩で一生懸命息を吸いながらいつの間にか息が吸えな一途言っていました。
姉と姪が駆けつけ、「病院に行こう」っと何度も説得しましたが、一度病院にいったので「さっき行ったばかりだから行かない」「○○、(姉の名前)うるさい!!」っと頑なに拒否しました

しかし、ふと首元を見ると今まで見たことのないような紫色・・いや黒っぽい紫。

「お父さん、首が紫色だよ。これは救急車だよ」続けて姪が「おおぱぱ(お父さんのことをそう呼びます)、唇が真っ青だよ」・・・。もう返事がありませんでした。姉が電話をかけに、母に病院の診察券はないか聞いていました。姪は母を呼びに行っていました。
二人っきりのとき少し落ち着いたのかお父さんが「ちょっと横になる」と横になりました。これが最期の言葉になりました。