■マーケット
日経平均 3ヵ月ぶり高値
日経平均株価は小幅ながら2営業日連続となる値上がりで、およそ3ヵ月ぶりの高値となりました。日経平均株価の終値は44円高の1万7,081円でした。株価の上昇を支えたのは円相場が円安に振れたことです。今日の東京外国為替市場では一時1ドル=103円台後半まで円安ドル高が進みました。また、きょうは個別のテーマ株にも注目が集まりました。今月15日から始まる東京ゲームショウで関連会社によるVR=バーチャルリアリティ技術関連の出展が見込まれるソニーのほか、バンダイナムコホールディングス、DeNAの株価が年初来高値を更新しました。JR東日本がきょう、発表した山手線・品川新駅の施工を担当する大林組や鉄建建設の株価も大きく値上がりしました。ただ、今月20日から開かれる日本とアメリカの中央銀行の政策決定会合を前に、手控える投資家も多く、売買は低調でした。
米 サービス景気 予想下回る
先ほど重要な指標がは票されました。堀古さんの報告です。
《中継担当:ホリコ・キャピタル・マネジメントLLC/堀古英司氏》
「米国のサービス業などの景況感を示す、8月のISM非製造業が発表されました。8月の指数は51.4と2010年2月以来の低い水準となりました。今後の金融政策を占うにあたって、市場は雇用統計に目を奪われがちですが、雇用統計は遅行指標であるのに対し、ISM指標は先行性の高い経済指標のため、米経済の先行きを占うにあたってはより重要と言えます。」
--今月20日から21日かけてはFOMC連邦公開市場委員会がありますが、ここでの利上げはズバリあるんでしょうか。
「追加利上げをする環境にはないと言えるでしょう。先週の木曜日に発表されたISM製造業指数も6ヵ月ぶりに低下し、景気の拡大・縮小を示す分岐点と言われる50を割り込みました。アメリカの経済の大部分は非製造業ですが、歴史的には製造業に引っ張られる傾向が見られます。経済の先行指標が示す方向性を見ていると、9月の追加利上げは賢明な策とは思えません。以上ニューヨークからお伝えしました。」
■ニュース特集
「リッツ」対「ルヴァン」 新ビスケット戦争 勃発
モンデリーズ・ジャパンはビスケットの「オレオ」や「リッツ」などの新製品発表会を開きました。これらの商品は8月末まで山崎製パンの子会社に国内生産や販売の権利を与えていましたが、46年に及ぶ契約関係が終わりました。モンデリーズはグローバル企業の強みを生かして海外工場で新たに生産や研究開発をはじめています。一方、ヤマザキビスケットは独自に開発した「ルヴァン」を発売。契約で来年11月まで類似品を製造、販売できないことになっているため、自社開発製品で自分たちで育てたリッツに挑みます。さらに、飯島社長はテレビ東京の取材に対し、人気商品「オレオ」についても、来年対抗する商品を発表する可能性を示唆しました。
【「リッツ」対「ルヴァン」、新ビスケット戦争勃発】
ビスケット界のロングセラー商品が今月から様変わり。「リッツ」は40年に渡って山崎製パンの子会社が米国の食品大手・モンデリーズから日本国内で製造販売する権利を買って販売していた。しかしこれが8月で終了し、来週からモンデリーズが直接新しい「リッツ」を販売する事になった。一方、ヤマザキはこれまで「リッツ」などを作ってきた経験を生かして新たなビスケット「ルヴァン」を今月から販売している。ヤマザキとしては自分達で高めてきた「リッツ」のブランド力とゼロからの真っ向勝負となる。ビスケット市場で新たな争いが幕を開けた。
【かつての“仲間”が“ライバル”に!?「リッツ」めぐり新ビスケット戦争】
食品大手のモンデリーズジャパンは今日、来週発売するビスケット「リッツ」、「オレオ」などの新製品発表会を開いた。40年以上続くロングセラー商品だが、これまでは山崎製パンの子会社・ヤマザキに国内での生産や販売の権利を与えていた。しかし8月末で契約終了し、モンデリーズが独自開発した商品の販売を始める。モンデリーズはグローバル企業の強みを生かし、コストが低い場所での生産や研究開発を始めた(インドネシア、中国、イタリア)。さらに今回、マーケティングでもフレンチシェフ・三國清三とコラボして新たな食べ方を提案する。国内のビスケット類の生産額はこの15年間で約25%増えていて市場規模は拡大傾向にあり(出所・全国ビスケット協会)、今がビジネスチャンス。今後、モンデリーズはビスケット界で地位を確立したブランド力を武器に新たな商品開発に臨む。モンデリーズジャパン・辺丙三専務は「製品群の50%を健康、栄養に集中した商品にしていきたい」と話した。
【サイト管理人のポイント】
日経新聞:「オレオ」再デビュー、イメチェン狙う中国製
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ06HM6_W6A900C1000000/
ヤマザキ・ナビスコ時代はオレオやリッツを日本国内で生産していたが、モンデリーズはオレオを中国、リッツをインドネシアの工場で製造、日本国内に輸入して販売する。この点は、モンデリーズにとっては大きな賭けになるかもしれない。「中国産になると聞いてリッツやオレオを買いだめした」――。ヤマザキ・ナビスコがリッツやオレオの国内生産を終了した8月末前後からネット上には、こんな書き込みがあふれた。日本の消費者は「国内産」に対するこだわりが強く、とりわけ、「中国産」を敬遠するような消費者も少なくないのだ。
秋の味覚に異変 鮮魚値上がりの現場
9月を迎え「味覚の秋」が到来。しかし、相次ぐ台風の影響などにより、野菜や魚の価格が高騰している。特に、魚の価格の高騰が問題になっている。都内の鮮魚店では、サバやイワシなど旬の魚の仕入れに苦労している。品揃えは。通常の3分の2程度だ。価格は、サンマ一尾490円。前日に比べ200円も上昇した。苦肉の策として、貝類を置いて売り場を埋めたり、安定的に入荷できる干物の品揃えをそろえている。回転すし「まぐろ問屋めぐみ水産」では、ネタの仕入れ値がサバは2.5倍、ウニやサンマは1.5倍以上となっているが、ある作戦で販売価格を維持している。極力レーンにはすしを流さずに、注文を受けてからつくるようにしたことで、無駄を省いていた。
【ギョギョッ!“庶民の味”に異変】
最近、北海道に相次いで襲来した台風の影響で一部の野菜の値段が高騰している(玉ネキ、サトイモ、ニンジン)。さらに魚はそれよりも値上がりしている(サンマ、サバ、カツオ、東京都中央卸売市場調べ)。この異常とも言える魚の値上がり。今、一体何が起きているのか現場を取材した。
【サバがイワシがない!】
東京・練馬区にある魚屋シュンの自慢は毎朝、築地から仕入れる旬の魚。
しかしサバ、イワシはなく、サンマは値段が高騰。今年は小ぶりなものが多く、脂ののった大きなサンマは大幅に値が上がるという。ここ最近相次いだ台風などの影響で魚の品揃えは3分の1も減った。苦肉の策として貝類で鮮魚売り場を埋めている。さらに少しでも品揃えを多くしようと安定的に入荷できる干物の種類を2割近く増やした。
【回転すし店がピンチ】
不漁の影響は回転すし店でもある。関東を中心に14店を展開している回転すしのまぐろ問屋めぐみ水産。サバやウニ、サンマなどの仕入れ値が高騰しているが価格には反映できないため、高値で仕入れたネタは注文後に作る事にした。
取材してみますと、魚不足はいろんなところで結構深刻だった。その主な
理由は、台風・漁場の変化・魚の捕りすぎである。VTRにもありましたが、最近何度もやってきている台風の影響というのが、ここ最近では一番大きい。あとは漁場の変化、例えば千葉沖で取れていたものが最近はもっと北のほうで取れるようになったりしている。さらに魚の取り過ぎ、どうも4~5年前からとれる魚の量が減ってきている。それから小ブリになってきていると感じている漁業関係者の方が多いそうなんですね。日本近海でも魚を取り過ぎているんじゃないかということで、持続可能な漁の在り方というのをこれから考えていく段階に来ているのかましれません。
清水建設など支援ロボ開発
清水建設は、きょう、建設現場で重量鉄筋を簡単に運べる「配筋アシストロボ」を建設機械会社などと共同で開発したと発表しました。「配筋アシストロボ」は腕のような形状になっていて、250キロまでの鉄筋を持ち上げたり、並べたりすることができます。これまで、鉄筋を運ぶためには、6人ほどの人手が必要でしたが、このロボットを使うことで半分の3人で行えるようになり、作業時間も短くなるといいます。建設業界では、少子高齢化などによる人材不足が問題となっていますが、このロボットの導入で、人手不足を補っていきたい考えです。
■ニュース
山手線 新駅の概要発表
JR東日本は東京の山手線と京浜東北線の品川駅と田町駅の間に開業予定の新駅の概要を発表しました。駅舎は国際交流拠点を目指す周辺の町づくりのシンボルとなるよう折り紙をモチーフとした大きな屋根に障子をイメージした木の柱など「和」を感じられる作りになっています。また、全体が大きなガラス張りで町との一体感を出しています。新駅は2020年の春に開業する予定です。
西友 米ブランド牛を直輸入
西友は、生鮮食品の品揃え強化の一環として、アメリカ産のブランド牛、「アンガスビーフ」を直輸入し、明日から販売すると発表しました。親会社、ウォルマートの調達網を生かすことでコストを下げ、100グラム187円の低価格で販売します。近年の赤身肉ブームを追い風に好調な生鮮食品分野の売り上げ拡大を目指します。
《西友生鮮食品部/ウォルターボッケル部長》
「2018年までに生鮮食品の売り上げを2桁増で成長させていく。」
北朝鮮 ミサイル連続発射の映像公開
北朝鮮の朝鮮中央テレビは、きのう弾道ミサイル3発を発射した際のものとみられる映像を公開しました。映像では、移動式の発射台に設置されたミサイルが連続して発射される様子が写っています。また、金正恩・朝鮮労働党委員長が弾道ミサイルの発射訓練を視察した際の様子も合わせて伝えています。北朝鮮は、迅速な映像公開で、発射実験の「成功」を大々的に宣伝する狙いがあるとみられます。
米比首脳会談が中止に
ラオスを訪問中のアメリカのオバマ大統領は、きょう予定されていたフィリピンのドゥテルテ大統領との会談を取りやめました。ドゥテルテ大統領がオバマ大統領に対し、挑発的な発言をしたことを受けたものとみられます。会談中止を受けドゥテルテ大統領は、「懸念や苦痛を生じさせるような私の発言が直接の原因」として陳謝する声明を発表するとともに後日あらためて首脳会談を行うことで双方が合意したと明らかにしました。一方、安倍総理大臣は、ドゥテルテ大統領と首脳会談を行いました。中国が海洋進出を進める南シナ海問題をめぐり、仲裁裁判所が中国の主張を退ける判決を下したことを踏まえ、お互いに平和的解決に向けて協力関係を強化することを確認しました。
若狭氏 自民公募に応募へ
東京都の小池知事に近い自民党の若狭勝衆院議員は、きょう、来月の東京10区補欠選挙に向けた自民党の公募に応募する意向を二階幹事長に伝えました。当初、小池知事が側近の若狭氏を無所属で出馬させ、保守分裂選挙となる可能性も取沙汰されましたが、関係者によりますと、小池知事は、敵対する相手を都議会自民党のみと定め、自民党本部や総理官邸とは友好関係を維持していく考えだということです。
蓮舫氏が台湾国籍放棄
民進党の代表選挙に立候補している蓮舫代表代行は、台湾籍が残っている可能性を指摘されていることについて、台湾側に確認を求めていることを明らかにしました。ただ、確認には時間がかかるとして、改めてきょう、台湾籍を放棄する書類を提出したとしています。蓮舫氏はこれまで、「台湾籍は放棄済み」と説明していました。
【サイト管理人のポイント】 民進党はスパイばかり
小沢、鳩山、菅、岡田、そして蓮舫・・・尽きることのないスパイの支配
国籍は台湾でも、中国出身なんですね。子供にも中国風の名前を付けて、心はまだ大陸にあるようです。
採用難を変革チャンスに、苦戦する中小企業・希望する学生1.4万人減少
来年3月に卒業する学生の就職活動ですが、去年8月の段階で65%だった内定率は、今年すでに79%に達しているそうです。大手企業が採用活動を早めたことが影響していますが、これから内定を出す中小企業にとっては厳しいのが現状です。そんな中、このピンチを会社変革のチャンスにしようと動き出す中小企業が現れました。都内で開かれた中小企業が一同に介した就職説明会。その東商合同会社説明会(東京都千代田区)は、去年は1日だけの開催でしたが今年は企業側からの要望で2日間の日程で開催されます。あるブースでは社長自ら会社をPRする熱の入れようです。社長が言うには求人広告媒体を出してもなかなか応募が来ないということです。
大企業(従業員5000人以上)を希望する学生は8.3万人と前年比1.4万人増。一方、中小企業(従業員300人未満)を希望する学生は9.9万人と前年比1.4万人減(リクルートワークス研究所調べ)。
そんな中、北区に本社がある運送会社「北王流通」(千葉県習志野市)では業界に根付いたイメージを変えようと、長時間労働削減に結びつく新たな手当や、働く母親に優しい制度を導入しています。若い世代にとって魅力ある職場作りに取り組む北王流通が、今年の目玉としてスタートしたのが「効率改善手当」です。残業手当とは反対に、動労時間を短くすれば手当がもらえます。もう1つは女性でも働きやすい職場作りです。今年10人の採用予定に対し、内定はまだ1人です。
ご当地から揚げ12種類
ローソンは、きょう、看板商品「からあげクン」の30周年を記念して、地域限定の「ご当地からあげクン」12種類を発売しました。記念イベントには、京都の「抹茶塩味」や、静岡の「桜えび味」など、全国各地でそれぞれ販売される「ご当地からあげクン」全12種類が登場し、ファンに提供されました。およそ1ヵ月で一番売れた「ご当地からあげクン」は、来年、全国で一斉に販売される予定です。
■【ヒットの順番】楽器
日本全国に160店舗を展開する島村楽器。少子高齢化が進み日本の楽器市場が縮小傾向にある中、10年以上右肩上がりで業績を伸ばしています。この好調を支えるのがランキング2位の電子ピアノ。電子ピアノはピアノと比べて価格が比較的安く、消音機能があるため夜でも練習できることで人気を集めています。さらに今、趣味としてピアノを始める団塊世代も多く、電子ピアノの販売数アップを後押ししています。そして今回ランキングの1位になったのがアコースティックギター。実は今、アコースティックギターを弾く若い女性「アコギ女子」が増えていて、アコギの販売数量を押し上げているのです。
取材先・島村楽器(株)・(株)ヤマハミュージックジャパン・トート音楽院渋谷
■【トレたま】波の力で発電する船
サスペンションがモーターを回して発電し、さらに波の揺れを約7割抑える。約3割の燃料を削減できるという。現在、海での実験を重ねていて、3~4年後の実用化を目指している。
【商品の特徴】波の力で発電し、動力や照明などの電力に使うボート。
【企業名】東京大学北澤研究室/博士課程3年/韓佳琳
【住所】千葉市稲毛区弥生1‐8
【発売日】3~4年後の実用化を目指す
【トレたまキャスター】北村まあさ
■【コメンテーター】高橋進氏(日本総研理事長)
・相次ぐライセンス解消、攻めに転じるチャンスに
--もともと日本のマーケットは消費者のこだわりがとても強くて、世界一難しいマーケットだ。だからこそ日本の企業とライセンス契約を結んで展開するというのが、今までの流れだったはずなんですけど、ここにきてライセンス解消例が増えてきている。主なライセンス解消例は、モンデリーズ「リッツ」とヤマザキビスケット「ルヴァン」(46年)、バーバリーと三陽商会「マッキントッシュロンドン」(45年)、ムンディファーマ「イソジンうがい薬」と明治「明治うがい薬」(55年)などである。今何が起きているのか。日本のマーケットに対するグローバル企業の見方が変わってきているんですか。
「日本のマーケットが特殊だからというだけでもないと思うんですね。昔は各国ごとにバラバラでしたね。だから例えば食料品・アパレル・薬品というのは、各国の需要に合ったものを作るためにも、外資が各国の企業と組むというケースが多かった。ところが今の時代はもうグローバル化しているので、そういう大きな企業、ブランド力を持っている企業というのは世界的にサプライチェーンを作っていく。それからもう一つは、日本以外に中国とか成長マーケットがどんどん出てきたので、そういうことを考えると、世界統一戦略を取った方が良いというふうになってきて、ライセンス解消という話になってきているんだと思います。」
--日本企業というのが数多くあるチャネルのうちの1つになってきていると・・・。
「かつライセンス契約を失う事で、企業としてはライセンス料が入らなくなる。でもマーケットがなくなるわけではなくて、ブランド力を生かせばまだ売れるかもしれない。あるいは、日本は輸入が増えていますから、輸入が増えるのであれば、彼らにしてみれば、マーケットはなくならない。そこで苦しいのは今度は日本企業ですね。だけどヤマザキの場合は、独自の商品力もあるし、それから自分の独自の販売ネットワークももともと持っているわけですから、やっぱりそこでいい商品を作る。あとは勝負はブランド力をどうやってもう一回、浸透させるか。でも一方では経営の自由度はどんどん出てきますから、いい商品をどんどん開拓する。それから海外に売ることも、今度は気兼ねなくできるわけですね。だからそういうメリットとデメリット、両方ありますけど、メリットのほうをいかに生かしていくか。日本の企業の場合は、今回のライセンス解消の話に限らず、製品力は強いんだけど、ブランド力が弱いというのが一つの最近の弱みだ。これは日本企業全体の課題としてブランド力をどうつけるかという、そこをもう一回やらなくてはならないということでしょうね。」
・採用活動・苦戦する中小企業・“働きやすさ”で会社変革
--中小企業は人材を確保するために様々な工夫をしていますが、それでも難しい。
「企業にとっては非常に厳しい時代ですけど、逆に学生にとっては本当にありがたいというか、これだけ人手不足なので、働く場をどんどん自分で選べるようになってきて、売り手市場です。だけどそこでちょっと感じるのは、10年前は真逆だった。就職氷河期と言われていました。これだけ人手不足になっている時に、実は日本をみると、25~34歳の年代、まさにその就職氷河期に社会に出たような人達の失業率が高いんです。かつ長期失業者、1年以上失業している人が多い。さらに2年以上失業している超長期失業者がだいたい日本で男性で40万人、全失業者の4割いるんですね。女性でも10万人いる。要するに景気がいいときに出たか、悪いときに大学を出たか、によって非常に変わってしまっている。日本は就職氷河期に卒業した人たちが、非正規や長期失業者になったりしている。これだけ人手不足になっている時に彼らは、ある意味では日本経済にとっては戦力化できていないわけですし、彼らの生活も苦しいわけです。新卒のことも大事なんですけど、私はこういう長期失業者や非正規の方たちの処遇を改善する、あるいは職業訓練をするとかして、日本経済にとっての戦力化していく。そのことが本人の生活にもいいわけですから、そういうことを考える時代になってきたんじゃないかと思います。」
・魚不足 ノルウェーに学べ
--最近日本近海で魚が減ってきているのには、どうも魚の取り過ぎという原因もあるようだということですが、これにはどう対処していけばいいでしょうか。
「取り過ぎということは言い換えると、魚が大きくなる前に小さいうちにどんどんとっちゃうので、それで結果的に減ってしまうということですね。日本は一応乱獲を防止するために、総漁獲可能量という取り決めがあって、トータルの漁獲量を決めているんですけど、参考にすべきはノルウェーじゃないかと思う。ノルウェーは総漁獲量だけではなくて、漁船ごとに漁獲枠を決めています。そうすると焦って取りに行く必要が無くて、自分の量は決まってますから、マーケットを見ながら今日は高いなと思ったら取りに行けばいいし、小さいものを無理に取らないで、大きいものだけを取って自分の実入りが決まりますので、そういう工夫をしているんですよ。ですから日本も個別漁獲割り当てという制度を取り入れるべきじゃないかなと思う。ただ反対論もあって、それをやると漁業者が減ってしまうという考え方もあるんですが、でも持続可能な漁にするためには、私はもう政策を変えたほうがいいんじゃないかと思いますね。」