■マーケット
難民受け入れは是か非か
増え続ける難民に各国が頭を悩ませています。ロンドンから豊島記者の報告です。
《中継担当:ロンドン支局/豊島晋作記者》
世界で難民申請を行った人の数は去年、165万人と過去最高を記録しました。難民の数が過去最高となる中、欧州では改めて難民受け入れをめぐる世論の分裂が際立ってきています。19日、ロンドンのビックベンで難民支援団体が2,500個の救命胴衣を並べました。これらは全て、中東やアフリカからヨーロッパ大陸に渡ってきた難民たちが実際に着用していた救命胴衣です。去年以降、地中海を渡る途中に約7,000人の難民が溺れて死亡したり、行方不明になったとされています。
支援団体のこうしたアピールの裏には最近、ヨーロッパに広がる反難民感情への危機感があります。フランス北部では今月、難民の増加に抗議する人々が高速道路を占拠し、交通や物流が一時マヒする事態となりました。また、ドイツのベルリンでは19日、難民の受け入れに反対する右派政党が大幅に議席を伸ばし、今後メルケル首相率いる政府の難民の受け入れ政策は大きな見直しを迫られると見られています。
■ニュース特集
どうなる日銀の決断 「異次元緩和」の総括スタート
日銀はきょうから2日間開く金融政策決定会合で、これまでの異次元緩和について「総括的な検証」を行います。期待された緩和効果が得られなかったうえ、副作用が目立ち始めたためです。日銀は日本経済をデフレから脱却させるため、生鮮食品を除く消費者物価指数を「2年で2%」引き上げる目標を掲げました。その実現に向け、大規模な量的・質的金融緩和や「マイナス金利」導入に踏み切りましたが、直近の物価上昇率はむしろマイナス。そうした中で、国債に投資する企業年金が運用難に陥るなど、副作用も出始めました。今回の「総括検証」では、どのような方針転換が打ち出されるのか。いま市場では、物価上昇率「2%」の達成時期を明確にしないことや、金融緩和の軸をマネーの量から「マイナス金利の拡大」に移すこと、超長期金利の低下を抑えることなどが打ち出されるか、注目されています。
【金融政策の転換点!?日銀、逆転のシナリオとは】
異次元緩和は正しかったのか、日銀は今日からこれまで実施した金融緩和策について異例とも言える総括的検証を行う。3年半前、日銀はデフレ脱却に向け物価上昇率を2年で2%に引き上げる目標を掲げた。次々と発射された黒田バズーカ(マイナス金利など)。しかし3年半経った今、2%の目標達成はもはや幻と化してしまった。更に浮き彫りになった副作用。日銀が放つ逆転のシナリオとは。
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【どうなる日銀の決断「異次元緩和」の副作用とは】
日本の金融政策の転換点となるのか。日銀は今日から金融政策決定会合を開き、これまでの異次元緩和の効果はどうなのか異例とも言える総括的な検証を始めた。そもそもなぜこの検証というのが必要となったのか。
これまで日本は物価の下落が続くデフレという病に侵され、景気の体温ともいわれる物価が低迷してきた。そこで日銀が打ち出したのが2%の物価上昇目標だ。その達成のため、まずは量的緩和、大量の国債を買い入れて、世の中のお金の量を年間80兆円増やし、お金が回るようにしてきた。次に質的緩和、これは満期までの期間がより長い国債も買い入れたり、価値が下がるリスクがより高い金融商品の買う量を増やしてきた。つまり買うものの幅をさらに広げてきたということだ。そして今年の1月に打ち出したのが、マイナス金利政策だ。銀行などが日銀にお金を預けても減ってしまう。であれば企業などへの貸し出しに積極的に回すほうが得だという状況を作るのが狙いだった。これによって企業や個人がお金を借りる際の金利がある程度下がるという効果はあったわけだが、肝心の物価はプラスになるどころか、直近でマイナスとなっていて、目標の2%には程遠いという状況になっている。カンフル剤が全く効いていない状況だが、これはどうしてなのか。
その要因は原油価格の下落、2014年に行われた消費増税、海外経済の減速、これらが物価の上昇を阻んだということだ。さらにそれだけではなく、この異次元緩和の副作用が目立ち始めたため日銀は今回、こうした政策の検証に踏み切ったというわけだ。では一体、どの様な副作用が起きているのか、現場を取材した。
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異次元緩和の副作用はタクシー運転手などの年金にも出始めている。東京都内のタクシー会社155社の厚生年金を運用している企業年金基金・東京乗用旅客自動車厚生年金基金は、運用資産の35%を日本国債などに投資している。収益率は低いものの元本が保証されリスクが低い為だったが、今年1月に日銀がマイナス金利政策を発表して以降は国債利回りがマイナスに突入した。保有している国債の損失が増え、年度末の3ヵ月で2015年度の収益率はマイナスになった。こうした事態が続けば最悪の場合、現在働く人の負担金を増やさざるを得ない。企業年金基金は今厳しい選択に迫られている。さらにマイナス金利で銀行も収益が圧迫化され、手数料ビジネスに力を入れ始めている。ゆうちょ銀行は9年ぶりに来月からATMの送金手数料の一部有料化に踏み切る。こうした動きはさらに広まると見られていて、異次元緩和の副作用は私達の暮らしにも影を落とし始めている。
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VTRにもあったように、日銀の異次元緩和で、副作用が出始めている。銀行の低金利などで、銀行の収益が悪化し、企業年金は運用難に陥っている。さらには日銀の国債買い入れ(量的緩和)も限界に近付いてきているという見方がある。このまま日銀がどんどん国債を買い入れていくと、銀行などからすべての国債を買い取ってしまい、およそ3年後には買うものがなくなってしまうという試算もある。
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地価急上昇の意外なワケ
国土交通省が発表した基準地価で京都・伏見の上昇率が、昨年の8.6%から今年は26.2%と大きく伸びていました。「伏見稲荷大社」を訪ねると多くの外国人観光客が訪れていました。多くの客は、旅行サイト「トリップアドバイザー」の口コミを見て来たといい、SNSに思い出の写真をアップしていました。実は、この伏見稲荷、3年連続で1位に選ばれています。伏見稲荷では、口コミの意見を参考にして、案内板などを外国人に分かりやすくしています。その恩恵は、地元商店街にも広がっています。日本人より外国人観光客に人気の「トリップアドバイザー」。その口コミ情報を見ると、いま都内で人気のエリアは銀座。その中でも文房具専門店「伊東屋」や「ユニクロ」に多くの口コミが寄せられているといいます。「トリップアドバイザー」の牧野代表は、「人が集まれば地価も上がる。口コミを参考に集客に活用してほしい」と話します。
【地下急上昇の意外なワケ】
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《全国の商業地上昇率TOP10》
1位 名古屋市中村区椿町1-16
2位 名古屋市中村区名駅3-26-6
3位 大阪市中央区南船場3-5-11
4位 大阪市浪速区日本橋3-6-2
5位 名古屋市中村区椿町13-16
6位 東京都中央区銀座6-8-3
7位 京都市伏見区深草稲荷御前町89
8位 金沢市広岡1-1-18
9位 大阪市北区中之島5-3-81
10位 東京都中央区銀座2-6-7
この中の3位、4位、6位、7位、10位(大阪、東京、京都)では外国人観光客の増加が地価を押し上げているという。京都市伏見区では昨年の8・6%から26.2%と大きく伸びている。なぜここまで伸びたのか。集客にはある物が貢献しているようだ。
【訪日客人気No.1観光地、地価上昇のカギは“クチコミ”】
京都・伏見稲荷大社には多くの外国人観光客が訪れていた。その多くは世界最大の旅行クチコミサイト「トリップアドバイザー」のクチコミを見て伏見稲荷に来たといい、SNSサイトに写真をアップしていた。実は伏見稲荷はこのサイトで3年連続で外国人に最も人気のスポットになっていて、クチコミの意見を参考にして案内板など外国人に分かりやすい観光地づくりをしているという。伏見稲荷の努力もあって商店街にもその恩恵が広がっている。
一昨年から商店街では案内所を兼ねた手荷物預かり所を開いていて、外国人観光客がひっきりなしだという。さらに精肉店でもクチコミの評判で、今では外国人客のほうが多いという。周辺の不動産店では物件が足りない状況になっている。
【地価上昇のカギは“クチコミ”、訪日客にホットな場所は?】
日本人より外国人利用者の方が多いトリップアドバイザーでは、「伏見稲荷なら1万2000件クチコミがある。英語が6300件、日本語が2100件。」という。日本人より外国人利用者のほうが多いトリップアドバイザイー。では東京都内で外国人観光客に人気のエリアはどこなのか。
地価上昇率ランキング10位の銀座2丁目で一番人気があるのは、文房具専門店・伊東屋だという。また地価上昇率ランキング6位の銀座6丁目での人気スポットはユニクロ。クチコミの数が毎年2倍近く増えている銀座、このクチコミをどう活用していくべきなのか。
《トリップアドバイザー代表取締役/牧野友衛さん》
「人が多く集まれば、それだけ地価に影響すると思う。インバウンド視点の観光の快適さは直接旅行者に聞くべき。そういう意味ででっかくこれだけクチコミが書いてあるから、それを集客に活用すべき。」
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“理系脳”育成に商機あり
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【注目度アップ“STEM”教育、子ども向け理系玩具に商機】
需要が拡大する一方で今後人材不足が予測されるエンジニアや研究者を育成しようと今、STEM教育に企業も動き出している。
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アメリカのアマゾンでは既にSTEM関連の専用ページもあり、おもちゃに占める知育玩具の数は、他国に比べおよそ2倍となっている。米国ではオバマ政権の下、2011年頃よりSTEM教育を推奨、2016年度予算ではSTEM関連に約41億ドルを投じている。また次期大統領候補のクリントン氏もSTEM教育を公約に掲げている。しかし日本では未就学児を持つ親の70%以上が知育学習玩具に関心があるものの、購入頻度が低い人が大多数というのが現状だ。そこで今回、教育や脳科学の専門家を審査員として招き、数十万点あるというSTEM関連のおもちゃから、「アソブロック」、「サボテンバランスゲーム」、プログラミングロボ「コードAピラー」など、8つを受賞商品として選んだ。アマゾンでは今日から知育学習玩具専用サイトを開設し、目的に合わせ商品を選びやすくした。
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■ニュース
自民党 総裁任期延長の議論スタート
自民党はきょう、安倍政権の長期化を視野に、自民党総裁の任期延長について党内の議論をスタートさせました。自民党・政治制度改革実行本部の役員会では、現在「連続2期6年」となっている総裁任期について、「連続3期9年」まで伸ばすという意見と「再選の回数制限を撤廃する」という2つの意見が出ました。任期延長自体への反対意見は出なかったということです。役員会のメンバーには総裁任期の延長に慎重な石破・前地方創生担当大臣や岸田外務大臣が率いる派閥の議員も含まれています。二階幹事長など執行部は、あえて慎重派も取り込む形で議論を進めることで、党内の不満を押さえ込む狙いがあるとみられます。執行部は年内に議論をとりまとめ、来年の党大会で任期延長に向けた党則改正を目指します。
もんじゅ“廃炉”視野に閣僚会合
高速増殖炉もんじゅについて、政府は廃炉も視野に、あす、関係閣僚会議を開きます。「もんじゅ」を巡っては、安全管理や費用対効果の問題から、廃炉を求める声が強まっています。もんじゅの廃炉が決まれば、日本の原子力行政は大きな転換点を迎えます。一方で、もんじゅのある福井県敦賀市の市長らが、総理官邸を訪れ、もんじゅの存続を訴えるなど、調整は難航しそうです。
韓国ロッテ会長 裏金疑惑で聴取
韓国ロッテグループの裏金疑惑などをめぐり、韓国の検察はきょう、創業者の次男でグループ会長の重光昭夫氏を背任や横領などの疑いで事情聴取しました。韓国メディアによりますと、昭夫氏をめぐっては、企業合併や買収の過程で発生した多額の損失を、系列企業に肩代わりさせた疑いがあるほか、ロッテ建設の裏金づくりにも関与した疑いが持たれています。
安倍・クリントン会議 日米同盟の重要性確認
ニューヨークを訪れている安倍総理大臣は19日、アメリカ大統領選挙の民主党候補クリントン氏と会談しました。会談では、北朝鮮問題のほか、南シナ海で軍事拠点化を進める中国を念頭に、海洋の安全保障問題について協議し、日米が結束する方針を確認しました。一方、TPP=環太平洋経済連携協定をめぐっては、早期発効を目指す安倍総理に対し、クリントン氏は慎重な姿勢を崩しませんでした。
土砂災害警戒 台風16号 温帯低気圧に
西日本に記録的な大雨をもたらした台風16号は、午後9時に東海道沖で温帯低気圧に変わりました。関東でも活発な雨雲がかかり、午後8時前には千葉県茂原市で1時間に56ミリの雨を観測するなど、局地的に非常に激しい雨が降りました。これまでの大雨で地盤が緩んでいる所もあるため、雨が止んだあともしばらくは土砂災害に警戒が必要です。
液晶TV販売 シャープ18年度に1,000万台
シャープは、2018年度の液晶テレビの世界販売台数について、1,000万台に倍増させる計画を明らかにしました。親会社となった台湾の鴻海精密工業への委託生産も年内に開始し、フィリピンやインドネシアなど新興国で進む、ブラウン管からの買い換え需要に対応します。一方で国内生産に関しては、「撤退する気はない」と説明しました。
ジャガー 運転技術を計測する試乗会
ジャガーはきょう、運転技術を計測する車の試乗イベントを開催しました。東京・江東区の特設コースで行われたジャガーの試乗体験イベント。参加者は、ジャガーの最新車種を無料で試乗することができ、運転技術を計測してもらうことができます。イベントではプロテニスプレイヤーの錦織圭選手が登場し、ドライビングテクニックを披露しました。コース上では、ランダムに点滅するライトに従って走行することで、スピードや走行時間、走行ラインの正確性などが計測できます。こちらのイベント、明日から3日間一般向けに開催されます。
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これまで「高級嗜好品」としてのイメージが強かった万年筆ですが、ここ数年は1万円以下の低価格帯の商品が立て続けに発売され、人気となっています。人気商品トップ10はすべて1万円以下であるほか、うち7つが日本製です。1,000円という価格で2位となったパイロット「カクノ」は、子どもでも万年筆に親しめるよう、軸は鉛筆と同じ六角形となっていて、ペン先には顔もついています。6位にはプラチナ万年筆の「センチュリー」がランクイン。1万円ながら、ペン先が手作りの本格派です。さらに最近、低価格帯の万年筆と併せて人気なのがカラーインクです。気軽に使える低価格帯の万年筆に好きな色をつめられるようにしたことで、多様化する客のニーズに応えます。
取材先・伊東屋・パイロット・プラチナ万年筆
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■【トレたま】室内でも使える犬の車いす
【商品名】ランダムカート(仮称)
【商品の特徴】体の動きに合わせて可動する構造の犬用の車いす。小回りがきくため室内で使用できる。大学生の研究としてスタートしたが、動物病院と共に3年半かけて製品化。
【企業名】日本工業大学
【住所】埼玉県南埼玉郡宮代町学園台4-1
【価格】未定
【発売日】年内発売予定
【トレたまキャスター】北村まあさ
■【コメンテーター】ロバート・A・フェルドマン氏(モルガン・スタンレーMUFG証券チーフエコノミスト)
・いよいよ明日「総括」、金融政策の転換点に?
![come1.JPG](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/7e/b128fd1766bfe9e3a0de9eebeba69190.jpg)
--今のうちに検証して、この先のことを考えなければいけないということで、こうしたなか、日銀が明日、公表する総括的な検証では、果たしてどんな方針が打ち出されるのか、世界中が気にしているところです。特に注目点といわれているところを3点ほど挙げました。
(1) 2%目標の長期化
--2%達成時期をどうするかということですが、これまで2年で達成するといってきました。これを時期をはっきりと言わず、事実上長期化するのではないか。こういう見方があるんですが、これについてはいかがでしょうか。
「市場の大半の人達は、2年間では無理でしょ、ということを分かっていますから、若干長期化しても全く資料から見て問題ないいうことだと思いますね。むしろ問題はなぜこうなったのかということですけど、さっき仰いましたように、国内の要因として、消費税を上げたことによって、ちょっと物価が悪化した。プラス海外要因もあるということですので、こういう長期化ということはそんなに大きな問題ではないんじゃないか、と思いますね。」
--この先、物価が上がっていくだろうという人々のマインドを変えるというのは相当難しいことなんですね。
「そうですね。賃金が上がって物価を上げるということになると思いますけど、まだ少なくとも数か月かかると思いますね。」
--この長期化というのは書き込まれるのではないかという見方ですね。
(2) マイナス金利 さらに下げる
--マイナス金利の拡大をこれから政策の軸にしていくのではないか、という見方です。
「これに関しては、するだろうと思うことと、すべきことは、ちょっと違うと思います。弊社の予測は、するだろうに関しては、さらに深堀りすると思っています。今回やるか、次回やるか、ちょっと分からないところがありますけど、弊社は今回やると思っています。ただ、すべきかどうかは全然別問題で、副作用が多いか少ないか、本当にどういう証拠があるかどうかに関しては、はっきりした証拠を見せて頂かないと、この政策が本当に信頼性を得るかどうか、は問題になると思いますね。」
--このマイナス金利の検証の部分で、日銀が一番今回の検証で何を言いたかったかというのが出てくるわけですね。
「そうです。単なる正当化なのか、それともちゃんとした分析によって、いいですよと説得できるかどうか、ですね。」
(3) 超長期金利のさらなる低下を抑える
--年金などが運用に使っているわけですから、なかなか運用益が出ないと困っている。そこで日銀が買い入れるものを減らして、これ以上、金利が下がるのを抑えるのではないか、という見方です。
「短期から長期へドーンと金利が下がりましたね。今回日銀がやろうとしていることは、長期の部分の金利を上げることですね。実態に合った長期金利上昇だったら、全く問題ないんですけれども、副作用をちょっと抑えようということで、長期金利を上げようというのは一応分かりますけれども、実体経済に合っているか合っていないかということがポイントですね。」
この検証はともかく、追加緩和についても、マイナス金利について触れるのではないか、と仰いましたが・・・
「やっぱり総裁・副総裁のこの前のスピーチを読みますと、かなりやる気があるということですね。問題はマネタリストたち、すなわち量的緩和でいいという人たちを説得できるかどうか、政策審議会の中で、動くべきではないと思う人が2人、マネタリストは3人、いろいろやってもいいという人は4人ですけれども、動かない人たちが2人いるから、7人のうちの5人を取らないといけないんですね。従ってマネタリストを1人取らないといけないということですから、結構難しいと思いますね。」
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--訪日外国人のクチコミの影響力というのは絶大なんですね。
「そうですね。観光は観光だけではないということだと思いますけど、実は伏見稲荷に関しては、2~3年前に弊社が海外から来たコンフルエンスに、伏見稲荷のマグカップを作って、お土産としてあげたんです。そういうお客さんが来てこんなに面白いところがあるということを考えますと、日本のほかのところでも面白いところがあるでしょ、と。それで観光だけじゃないんですね。すなわち日本の企業も面白いところがあるよ、ということをこの写真によって説得しよとしたんですね。結構、買いも入りました。視野が広くなります。これがポイントですね。」
・日本で理系脳は育つか
--STEMという理数系に強い子供を育てるために民間企業が動き出していますけれども、政府が後押しすることがあるとすればどういうことでしょう。
「やっぱり予算だと思いますけど、この問題は実は日本経済の持続性がかかっている1つの問題ではないかと思いますね。生産性を上げないといけないんですね。理数系の人たちを増やして、ようやくイノベーションが増えて新しい商品を作って、輸出もできて、ようやく持続性のある医療制度、年金制度になるんですけれども、今の状況見るとちょっと怖いですよ。」
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「OECDの数字を使いますけれども、公的教育費の対GDP比率が日本はほぼビリです。3.5%しか使っていないんですね。ほかの国はもっと使っているということもありますけれども、やっぱりなんかやらないといけないんですね。じゃあ教育費を増やそうということになったら、どこかを削らないといけないということですから、やっぱり決めないといけないと思います。ただやったら本当に効果が出るということだと思います。ゆとり教育をやめましたよね。最近の若い人は英語力が上がっています。これはやっぱりやったほうが良かったということを意味すると思いますけど、とにかく理数系の教育を増やそうということが持続性の1つのポイントだと思います。」
--日本経済を支えるためにも、そこには予算をつけるべきということですね。